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2020年05月21日

ご参加お願いします♪:コロナ下での日本人のメンタルヘルス調査

新型コロナウイルスの影響で、体の健康もそうですが、心の健康(メンタルヘルス)にも様々な影響が出ていると報じられています。

そこで、本研究では、新型コロナウイルスの影響下において、日本に居住する方々のメンタルヘルスの状態を調べたいと思っております。

参加してくださる方々には、年齢や性別に関する質問の他、メンタルヘルスに関わる4つの短い尺度への回答をお願いできればと考えています(全25問、所要時間およそ10分)。さらに、メンタルヘルスの状態の長期的な変化を調べるために、6ヶ月後、1年後に再度連絡を取らせていただきます。

以下が参加リンクです。皆様のご参加を心よりお待ちしております!よろしくお願いいたします。
https://bit.ly/CoronaGeneral

posted by ヤス at 15:48| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月07日

どうすれば質の高い論文が書けるのか

ネイチャー誌でこのテーマの記事があったので、まとめたいと思います。

メッセージを明確に

まずはどんなメッセージを読者に伝えたいかを明確にする。これが不明確だと、後々、コミュニケーションミスが起きる。またメッセージの明確さは複数の著者が絡む時にも有効。オススメは共著者が全員ミーティングをして、メッセージだけではなく、データの選択、視覚的プレゼンテーションなども議論する。

最も大事な情報は主文に書かれるべきで、あまり必要でないものは付録に入れる。

多くの論文がリジェクトされる理由の一つに、ディスカッション部分が弱く、既存の文献をしっかり理解していことがバレバレな時。研究者は、彼らのリザルトがどのように他の状況でも有効なのかを説明し、論文の独自性を強く訴えるべき。

思索ベースの結論とエビデンスベースの結論には紙一重の違いしかない。ディスカッション部分で思索をすることはできるが、これは過度にしてはいけない。ディスカッションの全てが思索だというのではいけない。なぜなら著者の経験に根ざしたものではないからだ。結論部分では、1、2文、次にする必要のある研究について述べると良い。


ロジックの枠を作る

構造が大事である。例えば、この論文(http://doi.org/ckqp)でも説明しているが、それぞれのパラグラフは、まず最初の文章で状況を定義し、中部分では新たなアイデアを紹介し、そして、最後の文章で結論を述べる(「状況・コンテンツ・結論」モデル)。論文全体で見ると、イントロ部分が状況を設定し、結果の部分がコンテンツを提要し、ディスカッションで結論となる。

また一つのキーメッセージに絞ることが大事である。これがタイトルに反映される。そして、論文の全てがそのアイデアをサポートする。

書き手としてあなたの仕事は、専門知識がないかもしれない査読者をサポートし、あなたがした研究を理解してもらわないといけない。これは、問題点を理解してもらうこともそうだ。そうでないと、なぜあなたの研究が大事なのかわからない。


自信を持って書く

科学者として物を書く時、唯一の義務は「明確さ」である。つまり、この論文では「何が新しいのか?」これに明確に答え、論文の全ての部分はこれに貢献しないといけない。

ドイツ語のコンセプトで「赤い糸」という表現がある。これは物語の最初から最後までを結ぶ糸のことである。科学的文献では、「何が新しいのか?」この答えが赤い糸となる。これこそ論文を書く意義である。

そして、自信を持ってはっきりとした文章を書くことだ。そうではないと誇張されたり、紛らわしい表現となる。こうなると、メッセージがはっきり伝わらない。例として挙がっていたのが

悪い例
“Though not inclusive, this paper provides a useful review of the well-known methods of physical oceanography using as examples various research that illustrates the methodological challenges that give rise to successful solutions to the difficulties inherent in oceanographic research.”


良い例
“We review methods of oceanographic research with examples that reveal specific challenges and solutions”


読者の仕事は、注意深く読んで、それを記憶することだ。そして、著者の仕事は、それをしやすくすることだ。これをマスターするには、自分の専門分野以外の論文も読むと良いだろう。


ゾンビ名詞に注意する

論文を書くときは、常に「査読者は忙しくて、疲れている」と想像しながら書く。そして、自分自身が読んでいて楽しいものを書くこと。

学術論文はつまらないものである必要はない。人間はストーリーで生きる動物である。論文に入り込まなければ、それを理解するのは難しい。論文は事実に基づき、エビデンスベースで、簡潔であるべきだが、だからといってつまらなくしないといけないというわけではない。

よく見ることが、著者の個人的な意見が鎮圧されてしまうこと。多くの著者が、メンター等から、個人的な意見を書いてはいけないと言われる。しかし、この概念が強すぎて、良い意見が表されないこともある。

ヘレン・ソードが「ゾンビ名詞」という言葉を作った。つまり、「implementation(実施)」 or 「application(応用)」といった名詞は、それらの動詞と比べて、活気がなくなっている。良い論文は読者の感情を引きつける。だから論文が一度仕上がったら、少し活気のある言葉を使って、ストーリーにすることも良い(もちろんバランスが大切だが)。


大げさな散文をカットする

クリエイティビティーは大切だが、学術論文の目的は情報を伝えることである。きらびやかな表現をする人もいるが、特にノンネイティブで英語を扱う人にとっては、混乱の種となりかねない。言語は必要以上に複雑にしないことが大事だ。

しかしカットのしすぎも問題である。例えば、メソッドの部分で、大事な研究方法に関する項目を伝えていなかったり。メソッド部分では、読者が同じ研究を再生できるように情報提供しないといけない。また、論文全体を通して、論点が一貫していること。それと同時に、証拠以上のことを言わないことが大事である。

編集長や査読者は、その分野で役に立ちそうな面白い発見を探している。それに応えられなければ論文はリジェクトされる。多くの著者がディスカッション部分でリジェクトされる。つまり、発見したことがどれだけ面白く、その分野に役立つかを上手に伝えられていない。また既存の文献を再評価し、その論文での発見が、将来の研究にどう活かせるかを書かないといけない。また発見が強固なものであると伝えるために、他の解釈・説明を考えたこともアピールしないといけない。


多くの読者をターゲットとする

論文のインパクトとその質に関係性があることを証明する研究はまだないが、以下の論文では明確で、簡潔で、叙述的なタイトルはSNSやメディアで取り上げられやすいと述べられてある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28039032

大事なことは、何が言いたいかをズバリということである。あらかじめ批判を避けようとして、遠回しな表現をせずに、明確で、他の分野の研究者など、素人にでもわかるような表現をすることが大事である。専門分野の人以外にでもわかるように書くと、他の分野の論文で引用される可能性が高まるだけではなく、研究者以外の人たちにも読んでもらえる。そうすると、一般誌などでも取り上げられやすい。

参照
https://www.nature.com/articles/d41586-018-02404-4
posted by ヤス at 06:57| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月20日

子供の脳にバイリンガリズムはどう影響するか

多言語を扱うことが脳の構造に影響を与えうると脳神経学の研究で報告されています。これまでの研究では、一言語しか話さない成人と比べて、多言語を扱う人は、皮質領や皮質下の灰白質の構造が異なるとされてきました。これらの変化は、他のスキル(例:ジャグリング、ピアノ演奏)を習得する場合と同じ変化です。つまり、何かを習得するときに脳に変化が起きる部分だというです。

今回の実験では幼い子供が育つ中で言語を習得するとどうした変化があるのかを調べました。複数の言語を学び、そして、それを使うには、脳内で情報が効率よく流れないといけません。今回の実験では、幼い子供が成長する過程を追う中で、多言語がどのような影響を与えるかを調べました。

一般公開されているMRIの脳イメージで、3〜21歳の子供達の脳が、一言語と多言語でどう違うのかを調べました。特に各部分の厚さやボリュームに着目しました。結果は、多言語を扱う子供の脳の器官は、一言語の子供と比べて、ボリュームを増していました。一般的に、子供のは成長する中で少し小さくなるのですが、多言語を扱う子供の脳は、この小さくなる度合いが少なくなっていました。

この小さくならなかった部分を見てみると、それは言語を処理し、使用する部分でした。つまり、多言語を扱うことで、脳はより強靭になると言えそうです。

また以前の研究で報告された成人で多言語を扱う人の脳の構造が異なるという結果も、今回の実験で説明することができます。子供の間に多言語を扱い、それによって構造的な変化が起きた。

研究者は現在、子供の間におきる脳の収縮だけではなく、成人して、例えば、老化から来る脳の収縮に対しても、多言語は好影響なのかを調べています。

参照
https://medicalxpress.com/news/2020-04-explores-effects-bilingualism-brain.html
posted by ヤス at 05:27| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月15日

ネガティブ感情が身体にもたらす悪影響の文化比較

怒りの感情は私たちの血脈に悪影響をするとマーク・トゥエインは言いましたが、近年の心理学の研究でもネガティブ感情は私たちの健康を蝕むと考えられています。例えば、炎症、免疫力の低下、心臓病確率の増加などです。しかし、最近の研究でこれらの影響は文化ごとに異なるかもしれないと報告されています。


ある研究では、ストレスホルモンであるコルチゾールの値をアメリカ人と日本人の間で調べました。実験は4日間で、毎日複数回、唾液からコルチゾール値を割り出しました。参加者は過去30日間で起きたことで、ネガティブ感情を抱いた事柄を思い出し、そのネガティブ度を評価しました。そして、身体的な指標を計測するために、炎症と心臓の状態を調べました。

データを分析すると、アメリカ人の参加者の間では、ネガティブ感情とコルチゾールの値が強い相関関係にありました。つまり、ネガティブ感情は病気になるリスクを増やしている。しかし日本人の間では、ネガティブ感情がアメリカ人より頻繁に記録されているにも関わらず、このコルチゾール値との関係性はあまり強くありませんでした

この違いはどこにあるのか?1つには感情の理解の違いが挙げられます。欧米文化では、個人主義であり、自立することが良しとされます。そこでは感情は個人の内的な特徴であり、責任であるとの位置付けです。そして心の健康は、ポジティブな感情を最大化するものだと理解されます。従って、ネガティブな感情は好ましくなく、避けるべきものだと考えられます。さらにネガティブ感情は、自己や環境に対処する能力に対して、驚異であると見られます。このような驚異の感覚が、ストレス反応を活性化させ、コルチゾールを分泌するのではと考えられます。


しかし、東洋文化では伝統的に、仏教や儒教にもあるように、感情は人生の一部だと考えられています。従って、ネガティブな感情もポジティブな感情も共存することが理解されています。従って、ポジティブ感情とネガティブ感情のどちらかが存在すると考えるのではなく、それらの感情は繋がっていると考えられます。個人の責任とするのではなく、感情は状況や関係性において左右すると考えられています。このようにネガティブな感情も生活の一部で、一時的に存在するものだという理解が、ネガティブ感情からくる身体的なストレスを下げているのではと考えられています。


西洋でも東洋でも共通するのは、私たちは様々な感情を経験するということです。しかし、その感情に対してどのような考えを持つのかが、その影響に変化を加えます。このような文化的な違いを理解することは、心と体の複雑な関係性を理解するのに役立つかもしれません。

参照
https://www.psychologytoday.com/us/blog/between-cultures/201906/are-negative-emotions-universally-bad-our-health
posted by ヤス at 23:56| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月25日

研究活動に励む学生に向けてのメッセージ The Wellbeing Thesis

先日、ザ・ウェルビーイング・シーシス(The Wellbeing Thesis)といって、研究活動に励む学生(Postgraduate Research Students)の健康をケアするための運動に取り組むグループのインタビューを受けました。僕は、モチベーションとメンタルヘルスの専門家ということで、僕の研究を元に色々とわかったことを報告させていただきました。



モチベーションには色々な種類がありますが、自己決定理論によると大きく分けて2つあります:外発的か内発的か。外発的なモチベーションは、お金、地位、名誉など、外からの報酬を求めて行動するためのモチベーション。対して、内発的なモチベーションは、やりがいや好奇心など、内側から湧き出る感情が得たいから行動するモチベーション(つまり、その行動そのものが報酬となる)です。

僕の研究では、内発的モチベーションが高い人は、メンタルヘルスの問題が少なく、メンタルヘルスに対する恥も低く、また、倫理的な判断ができる傾向があり、対して、外発的モチベーションが高い人は、メンタルヘルスの問題が多く、恥も高く、倫理的な判断が鈍ることがある、というような結果が出ました。関連論文にはこれらがあります;
https://www.researchgate.net/publication/329331323_Ethical_Judgement_in_UK_Business_Students_Relationship_with_Motivation_Self-Compassion_and_Mental_Health
https://www.researchgate.net/publication/322815392_Motivation_Types_and_Mental_Health_of_UK_Hospitality_Workers

今回のインタビューでも、研究活動において、内発的なモチベーションに基づいて挑戦し続けることが大事だといった趣旨のことを話させていただきました。研究活動に励む学生さんたちの役に立てればいいなと思います。

posted by ヤス at 20:45| Comment(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする