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2014年06月25日

反復強迫。困ったら不幸を繰り返してしまう

"The difference between rats and people is that when a rat gets shocked at one end of a maze, he never goes there again."

- B.F. Skinner


ネズミとヒトの違いは、ネズミは迷路の終わりでショックを受けたら、もうそこには二度と行こうとはしない、ということだ。

- スキナー





反復強迫とはフロイトが付けた名前で、人が心理的に困るとき、不幸な状況を何度も繰り返して惨めになっていく事を言います。セラピストならば、最初にこの反復強迫パターンを発見すると、効果的にセッションを進められます。

反復強迫の例としては、幼いときの親との関係が挙がります。その関係性で、心理的な痛みがあったならば、それと同じ痛みを生むであろう人を恋人にしてしまうといったケースです。


事例:

ステファンのお母さんは優秀な教授。子供とのつながりは感情的というよりも知的につながりを求める。これに対してステファンは不満。抱っこしてもらったり、笑いあったり、感情的なつながりを求めていた。しかし、それは満たされなかった。

月日がたち、ステファンも大人になった。どうも恋人との関係がしっくりこない。セラピーを通して彼は気づく。恋人からの感情的なつながりを無意識的に避けていたのだ。不満だった状況を反復していたのだ。これも反復強迫の例だと言える。



そしてフロイトは、この反復強迫が精神異常、精神不調といった人のみに現れるのではなく、一般の人、つまり非常に範囲の広い人において起きていると気づきます。フロイト説で人の欲求をコントロールする原則は二つあり、それは快感原則と現実原則です。

人は生まれながらにして強い快感原則を持ち、年をとるにつれて、現実原則とのバランスを取ろうとする。しかしながら、反復強迫はこれら二つの力に影響されていないように思われます。

1920年にフロイトは"Beyond the Pleasure Principle"という本を出版する。ここで、感情を押さえつけられた記憶が行動や人間関係に現れると説きました。


あるクライアントはフロイトを怒らせようとする傾向があった。後でわかったのは、このクライアントの父親が、彼に対してかなり好戦的で、彼は痛ましい記憶を持っていたという事でした。無意識に関するルールの一つは、押さえられたものは表現を求めるという事だと言えます。

そして、エゴに関するルールの一つは押さえつけられたエゴは否定された表現であるという事です。だから、無意識は妥協策として記憶を反復するのです。

とはいうものの、よく考えてみましょう。反復強迫の影響下では、人は不快な経験や人間関係を何回も夢見たり、行動で繰り返す。快感原則は否定されている。また、たいていの場合、痛みのある原体験を覚えている。つまり、押さえつけられていないという論が成り立ちます。

従って、何が間違っていたのか、とか、人生の痛みの原因を理解したいといった動機が反復強迫にあると考えられます。

同じようなクライアントケースの例でいうと、ある女性クライアントはどうしても難しい男をボーイフレンドにする傾向がありました。原因は、彼女の弟との関係にありました。弟が精神的に問題があるのは自分のせいだと思い、彼女は世話屋さんになっていたのです。この女性クライアントは自分が落胆したり、悲しい顔をするのが申し訳ない気がすると述べいました。

フロイトは"Beyond the Pleasure Principle"で、快感原則が最も強力な力ではないことを述べています。そして新たな説において2つの強力な力は生きる力の「エロス」と破壊の力「死の本能(タナトス)」だと述べています。エロスと死の本能は、常に戦っていて、私たちの破壊性と攻撃性は、死の本能の一部であると。

"Beyond the Pleasure Principle"の10年後に書かれた"Civilization and Its Discontents"において彼は「生きているものを生かし、統合したい”エロス”と、物事を融解していきたいという”死の本能”が同時発生し、互いに戦っている」と説いています。


今日において反復強迫は世界的に受け入れられ、臨床心理において非常に有効な手段となっていますが、強迫の理由はまだわかっていないそうです。

フロイトに興味がある方は以下の本がオススメです。
人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス (光文社古典新訳文庫)
精神分析入門・夢判断 ─まんがで読破─
精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)
精神分析入門 下 (新潮文庫 フ 7-4)

後で見てみたいサイト
http://mabui.blog.shinobi.jp/Entry/171/
http://digitalword.seesaa.net/article/145852063.html
posted by ヤス at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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