2015年03月16日

ゲシュタルト・セラピーはクライアント中心の療法

サンフランシスコのカウンセリング心理学修士課程において「ゲシュタルト・セラピー」の授業で、印象に残ったことを書いたメモを振り返っています。その一部を書いておきます。


ゲシュタルト・セラピーはクライアント中心の手法である

60年代に重宝されたクライアント中心セラピーはゲシュタルトの源泉となっている。従って、クライアントへの無条件的なサポート心が継続的に必要である。また、ゲシュタルト・セラピーのベースは実存主義なので、「今ここ」にあるあなたに何が影響しているのか、を考える手法でもある。


・ゲシュタルト・セラピーの生みの親、フリッツ・パールズはドイツ生まれの人(その後、南アフリカ、アメリカへ移住する)で、禅の影響を強く受けていた。日本を数度訪れている。

第二次大戦後、アメリカには多くのPTSD患者があふれた(PTSD=Post-Traumatic Stress Disorder, 心的外傷後ストレス症候群)。

※PTSDについての記事はこちら

これによってアメリカの心理学はかなり発展した。中でもゲシュタルト・セラピーは特に必要とされた。スキナーによる行動面へのセラピーも当時よく使われたが、精神患者のみへの応用だった。それに対して、ゲシュタルトは一般の人にも使えるということで、飛躍的に普及していった。


・人体が、常に平均を保とうとすることを、有機体的自己統制(organismic self-regulation)という。

今、自分の中に何が多すぎで、何が少なすぎるのか。これに気づき、調整する性質である。これはグループ構成にも同じことが言えて、グループリーダーは常に観察(calibration)が要求される。


焦点の連続体(Awareness continuum) とは、焦点を一つの圏内から、別の圏内へとシフトする中で、気づきがどのように変化したか、この過程のことである。焦点をシフトさせることで、クライアントに自由を与えることができる





・焦点には3つの居場所がある。

1.内的世界・・・体の感覚、動き、感情

2.外的世界・・・五感で受け取る情報

3.非武装中立地帯(ひぶそうちゅうりつちたい、DMZ:Demilitarized Zone)・・・内的世界と外的との間のこと。


ゲシュタルトを学ぶとは、焦点を内から外へ、外から内へ、このシフトを学ぶことである。

通信講座・通信制大学特集


・口は心を表す。赤ちゃんのときに、何を口に入れて、何を吐き出したかは、大人になっての心の様子に似ている。自分はものをどのように食べるか、注意深く観察すること。変化は、自分のありのままを受け入れた時に起きる。変化は、気付きを通して起きる。気付きを得たいのであれば、口から入るとよい。




参照




The Paradoxical Theory of Change by Arnold Beisser, M.D.
posted by ヤス at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲシュタルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック