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2014年12月02日

人格の中では、敗者が勝者に勝っている

ゲシュタルトセラピーの考え方の一つで大事なものに「Polarity 双極性」というものがあります。ゲシュタルトセラピーの生みの親、フリッツ・パールズは、人間は本来、善でも悪でもないという実存的な立場をとりました。


私たちはどのような性質をも身につける可能性があるが家族や教師、友達から制止された側面を自らのものとして受け入れることを放棄するようになります。

こうして無視、放棄された自己の側面は、優勢な部分とせめぎ合い、否定された側を意識から閉め出しておくことに多大な心的エネルギーが費やされることになります。しかし、放棄された側面は折に触れて意図せずして浮かび上がり、パーソナリティ(人格)の統合を脅かします

こうした互いに相克する一対の性格傾向をパールズは「双極性(polarity)」と名付けました。




彼が取り上げた双極性の中でもっともよく知られているのが勝者と敗者(top dog and under dog) の双極です。「勝者」とは個人の中で優勢な側面であり、その人に対してあれこれと命令、指示し、がみがみ言うもの。一方「敗者」は背景にあってあまり気づかれていない側面で、勝者とは対照的に、無力で、依存的で、言い訳がましい態度をとります。

パールズは「敗者はあまり目立たないが、実のところは隠れて強い影響力をふるい勝者が効果的な行動をとるのを妨げることで、勝者との聞のいかなる葛藤においても勝ちを収めることになる」と指摘しています。

パールズが双極性を扱うことの意図は、両者間での隠れた葛藤を明るみに出し、その両側面への気づきを深めていくことで、クライアントにとっての葛藤の意味を探求する、というものです。


そのため彼は、クライアントにまず片方の極(たとえば勝者の側)に立ってもらい、そしてそれからもう一方の極に立つ(敗者を演じる)ことを求めます。そして「空き椅子の技法(エンプティチェア・テクニック)」を用いて両者の問で対話を進めていきます。



参照
ゲシュタルト療法における治療技法の体系化の試み(その1) : Perls, F.の治療技法
http://www.naruto-u.ac.jp/repository/file/188/20110801112519/KJ00004193362.pdf
http://www.gestalt.org/yontef.htm
posted by ヤス at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲシュタルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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