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2014年09月09日

物理的な感覚は、頭の中にも影響する

引越しなどで何かものを動かすとき、頭の中で先にイメージしておくと体が動きやすいという経験をした人は多いと思います。

これはどこまで科学的に本当なのか、スティーブン・フルスバーグとレラ・ボロディツキーが実験をし、2011年2月号の"Psychonomic Bulletin and Rview"に掲載しました。

実験者たちは1970年に行われたメンタル回転実験を使い、その発展版をしました。1970年の実験では被験者の目の前に2つの図形が描かれた紙が置かれます。2つは同じ図形ですが被験者は知りません。2つの図形はそれぞれ別の角度から見た見え方が描かれているので、それが同じだと認識するには頭の中でその図を回転させないといけないのです。

実験結果は、それぞれの回転角度の違いが大きいほど認識するのに時間がかかったという結果になりました。

今回の実験で、フルスバーグとボロディツキーは被験者が頭の中で回転させる前にちょこっと小細工をしかけました。

これらの図形と同じ形の積み木を用意して赤に塗ったものと青に塗ったものを用意します。それぞれの積み木は透明の筒の中に入っていて筒から出ているハンドルを使って回すことができます。一部の積み木は簡単に回転し、その他の積み木は砂が入っていて、力を入れないと回転しなくなっています。

そして、色と回転しやすさを統一しておきます。例えば、赤の積み木は回転しにくく青の積み木は回転しやすい、というように。それから1970年の実験のように被験者は2つの図形を見てそれらが同じかどうかの判断をします。

実験過程で過去の実験と違っているのは積み木が赤か青で塗られていること、そして、被験者の半分は2つの図形を実際に手で動かして同じ向きにするのをイメージするよう指示され、他の半分は、積み木が自ら勝手に動いいているようにイメージするように指示されました。

積み木が自ら動いているようイメージするように言われたグループは1970年代のものと変わらない反応を見せました。つまり、角度が違うほど、図形が同じだと認識する時間がかかる。

しかし、実際に自分の手で動かしているのをイメージするよう指示されたブループは回転しにくかった積み木の色を見たときには回転しやすかった積み木の色を見たときよりも、認識するのに更に時間がかかったそうです。

実際に物理的に動かすことが難しいものについては頭の中でもそうすることが難しい、ということがわかったという実験です。

人間の認識というのは本当におもしろいなあと感じました。

認知心理学に興味がある人は以下がオススメです。
認知心理学 (New Liberal Arts Selection)
考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
心と脳――認知科学入門 (岩波新書)


参照
http://www.psychologytoday.com/blog/ulterior-motives/201103/how-does-physical-experience-affect-mental-movement
posted by ヤス at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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