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2014年06月28日

比喩は気づかれないが大きな力を持つ

ある事について話しながら他のものを意味する比喩。辞書で調べると「ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。」と書いてあります。

(Yahoo!辞書より)

比喩の力は、私たちが気づかないほどに隠れているのに私たちの思考に大きな影響を与えることがあります。

スタンフォード大学のポール・シボデウとレラ・ボロディツキー教授が比喩の力について実験をしました。482名の学生を集め、アディソンという街で起きた犯罪の報告書を読んでもらいました。読んだ後、学生たちはその解決策について話し合います。

最初の報告書には犯罪のことを「街を襲う粗野な猛獣」「近所に潜んでいる」というように表現します。学生たちは読み終わって、解決策を話し合います。75%の生徒が懲罰に関係したり、強制的な解決策、つまり、もっと多くの刑務所を作るなどを提案しました。

その反対に、社会構造の変化や経済の建て直し、教育の改善や保険体制の見直し、というような改善に関する解決策を提案するのはたった25%の生徒でした。

次に、第2の報告書にはほぼ全て最初のものと同じに書かれてあるのですが、犯罪に対する比喩の使用を変えてあります。ここでは犯罪を「街にはびこるウイルス」「街に感染している」というように表現します。

これを読んだ後ではたった56%の生徒が強制的な解決策を支持し、44%の生徒が社会構成の見直しなど改善的な解決策を支持しました。

更におもしろいことにこの話し合いの後に学生に記事のどの部分を見て解決策の決断をしたかと聞くと比喩の違いに気づいた学生は少なく(5%のみ・・・参照記事では3%と書いていますが、その出典記事では5%となっています)、多くが言葉ではなく、統計にある数字を見て決断した、と答えたのです。

シボデウとボロディツキーはこの後、さらに比喩の違いをわかりにくくして同じ実験をしました。「猛獣」と「ウイスル」の比喩を一回だけ使いました。それでも同じような傾向が出たそうです。

またこれに関する他の実験でシボデウとボロディツキーが発見したのは、これら比喩は正しい状況で使わないと作用しない、ということです。

報告書を読む前に「猛獣」又は「ウイルス」の同意語を聞いてから、同じ報告書を読んで、学生に解決策を聞いたら、どちらの学生も同じような解決策を支持したそうです。またこの比喩を報告書の最後に持ってきた場合も、顕著な違いは見られなかったそうです。比喩の作用には的確な状況設定が必要だと結論付けたそうです。

僕が習う催眠療法の手法でも比喩は大事な役を担います。そういう点からも非常におもしろい記事でした。

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比喩に興味がある方は以下の本がオススメです。
メタファー思考 (講談社現代新書)
日本語のレトリック―文章表現の技法 (岩波ジュニア新書)
Metaphors We Live by(邦訳:レトリックと人生

参照
http://www.psychologytoday.com/blog/neuronarrative/201105/whether-beast-or-virus-metaphor-is-powerful-stuff
posted by ヤス at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 催眠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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