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2015年01月27日

TVゲームで高齢者の認知力をアップさせる

新たな研究では、特定の種のTVゲームが脳の老化から生じるネガティブな現象を抑えるのに有効だと報告しています。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)の科学者たちが3DのTVゲームを健康な高齢者にさせたところ、彼らの認知力が向上されました。


彼らの報告は、近年急速に普及しているブレイン・フィットネス(脳トレ)の分野に対して科学的な裏付けを提供するものとなりました。

実験に参加した高齢者は3Dの車のレーシングゲームをしました。曲がりくねった道を車で進み、時折、出てくる道路表示に対応する、というものでした。参加者は、特定の表示は無視し、特定の表示が出たら、ボタンを押すように指示を受けます。

運転をしながら、表示に反応する、つまり複数のことを同時にこなすことは、単純な脳のプロセスの邪魔をします。この邪魔に、邪魔をされずにうまくこなせれば高いパフォーマンス、高いスコアを出せます。

中年者が高齢者になるにつれてこの邪魔の度合いが増えて行きます。しかし、一ヶ月間に渡って12時間このゲームでトレーニングをした60〜85歳の参加者は20代の人が最初に出すスコアよりも良いスコアを出したのです。

このトレーニングは参加者の2つの認知力を高めました。作業記憶と集中力です。また驚くことに、このトレーニングをした参加者はそのスコアを、フォローアップの6カ月後も維持していたのです。

実験の中心者、アダム・ガッザリー博士(Adam Gazzaley)はゲームがいかに脳の認知力に影響するかに特化した学者で、この3Dレースゲーム、『ニューロ・レーサー(NeuroRacer)』ほか、様々な認知力向上ゲームを作ってきました。

ニューロ・レーサーは、良い教師のように、あなたが何かを習得して慣れてきたら、更に難しいハードルを用意します。


大人の脳も学ぶことができるという実験結果はここ10年ほどで色々出ています。例えば、ロンドンのタクシードライバーは非常に複雑な道を運転するがためにドライバーの脳には変化が起きるそうです。

今回のガッザリーの実験も老化する脳に対して希望が持てるものとなりました。参加者の脳電図を調べたところ、ゴール追求に必要な、認知コントロールに関する脳の神経ネットワークに変化が見られたそうです。

実験者は、参加者の前頭前野皮質の中央シータ波と、脳波の脳前部と脳後部の調和性を計測しました。高齢ドライバーがニューロレーサーを上手にするようになるほど神経ネットワークは活発になり、脳のこれらの部分は、若い成人のものと非常に似たようになったそうです。

そして、これらの部分は、人が目標を追求するのに大事な認知コントロールと関わっています。更に、ニューロレーサーを上達した高齢者が集中力を維持する力を試すテストをした所、ここでもスコアアップが見られました。

3Dゲームの困難で障害が多い状況でゲームをすることで、認知コントロールが上がり、それによってあまり関係があると思えない記憶まで向上する、という結果になりました。

この実験結果は、こういった3Dゲームがその他の認知に関する障害、ADHD、うつ病、痴呆といったものにも有効かもしれないと考えさせるものとなりました。

実験グループは「更なる理解を得るために脳内をMRI、そして経頭蓋電気刺激(transcranial electrical stimulation)によって観察したい」と述べています。




参照
http://www.theguardian.com/science/2013/sep/04/brain-training-video-game-old-age
http://psychcentral.com/news/2013/09/06/video-games-can-improve-cognition-in-older-adults/59252.html
posted by ヤス at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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