2014年03月12日

3−2.状態管理の鍵

状態を操作し、望む結果を出す最初の鍵は効果的に脳を働かせる方法を学ぶことだ。これをするために、私たちはこれがいかに作用するかを理解しないといけない。

まず、何が状態を作るのかを理解しなければならない。何世紀にも渡り人間は状態と経験を変える方法に魅了されてきた。そして、断食、ドラッグ、儀式、音楽、セックス、食事、催眠、勤行など多くを試してきた。これらのものは全て使い道と限界があった。しかし、 今あなたはこれらと同様に力強く、より手短で正確、簡単な方法を学ぼうとしている。

状態の結果が行動であり、豊かな状態の時と貧しい状態の時とでは異なるコミュニケーションが行われ、異なる行動が生まれる。

それでは次の問いは「何が状態を作るか?」という事。状態を作る大きく2つの要素がある。第一が私たちの解釈。第二が体の使い方と条件付けである。

その場の状況について、何をどう見るか、また自分自身に何をどう言うかは状態を作り、よって行動を作る。例えばもしあなたの夫(もしくは妻、彼女、彼氏)がいつもより遅く帰宅したらどう反応するだろうか?

あなたの行動は夫が帰宅した時のあなたの状態と大きく関係し、あなたの状態は心の中で「夫が遅れて帰る」理由が意味するものと大いに関わっているだろう。

もしあなたが、夫が事故に遭って死にそうに流血し、病院へ運ばれる事を想像していたら、夫が帰った時、涙を流して安心のため息をつき、彼に抱きつき何が起きたのかを尋ねるかもしれない。

しかし、夫が帰宅しないのは自分の時間と気持ちを全く気にしていないからだとあなたが解釈していたら、あなたの状態から生まれる感覚は異なっているだろう。怒りや切ない気持ちから全く新しい行動が現れる。

では次に考えるのは「同じ現象に対し、ある人が心配という状態を作る一方で、ある人は不審を抱き怒る状態を作るよう現象を解釈する。これはなぜ起きるのだろうか?」ということ。

それには多くの要素が絡み合っている。親の行動をモデリングしたのかもしれないし経験からかもしれない。例えば、あなたが子供の頃、お母さんがお父さんの帰宅が遅い事を大変心配していたら、あなたもそのように反応するかもしれない。

お母さんがどれだけお父さんが信用ならないかを話していたら、あなたはそれをモデリングしたかもしれない。つまり、私たちの信念、態度、価値観そして特定の人との過去の経験これら全てが私たちの行動についての解釈に影響する。

私たちが世界をどのように理解し、解釈するかについてより重要で影響力のある要素がある。それは私たちの体の使い方とそのパターンである。

筋肉の緊張感、何を食べるか、どのように息をするか、どんな姿勢でいるかなどといったことから、生化学的な機能全般のレベルまで全てが状態に影響する。解釈と体の使い方はサイバネティック・ループ(人工頭脳額的な輪)内で共に機能する。つまり、何かに影響すると、影響した方も何らかの影響を受けるという事。

状態を変化させる事は、解釈と体の使い方を変える事を意味する。あなたの恋人や伴侶の帰宅が遅れている時に、あなたが豊かな状態にあれば、あなたはその人が渋滞に巻き込まれているか、家に今向かっている途中だと解釈する。

しかし、もしあなたが緊張していたり、極端に疲れていたり、体に痛みや低血圧などを感じていると、あなたは出来事をネガティブな気持ちが増大するように解釈するかもしれない。

考えてみて欲しい。あなたが肉体的に元気で活発な時、疲れている時とは違うように、世界が見えるだろう。あなたが物事を難しく感じたり、腹立たしく感じるとあなたの体もそれに従って緊張したりするだろう。よって、この2つの要素、解釈と体の動きは状態作りにおいて相互に作用している

そして私たちのいる状態が、私たちの取る行動を決める。従って、行動をコントロールしたければ、状態をコントロールしなければならない。状態をコントロールするには、解釈と体の使い方をコントロールしないといけない。状態をいつでも100%コントロールできている自分を想像してみてほしい。

そして私たちが経験する事柄を考える前に、まず人間がいかに物事を経験していくかを理解していきたい。哺乳類として、人間は周りの環境についての情報を特別な感覚器官から集めている。私たちには5つの感覚器官がある。味覚、嗅覚、視覚、聴覚、そして触覚。主に行動を決定をする際、視覚、聴覚、触覚の3つがメインとなる。

この3つの特別な感覚器官は外的刺激を脳へ送る。そして、一般化、歪曲、削除などのプロセスを経て、脳はこれらの電気サインを受け取り、解釈へとそれをろ過していく。

従ってあなたの解釈やあなたの体験は、正しくは出来事ではなく、むしろ独自に解釈された内的再表現である。意識レベルでは入ってくる全ての情報を処理することはできない。もし全ての情報(血脈から耳の鼓膜の振動まで全ての外的な刺激)を処理しようとすると、気が狂ってしまうだろう。

従って脳は、すぐに必要な情報や後ほど要るだろう情報をろ過し、保存する。残りの情報は、意識的な脳により無視される。

このろ過プロセスが人間が持つ感覚の広さを裏付けている。2人の人が同じ交通事故を見ても、全く異なる理解をする。一人は見るものにもっと注意を払い、もう一人は聞くものに注意を払うかもしれない。彼らは異なる角度から同じ出来事を認知しているのだ。

異なる体の使い方(生理学) で、感知するプロセスを始めている。一人の方が2.0の視力を持ち、他方は総じて乏しい生理学的能力しか持ち合わせていないかもしれない。一人は既に事故に遭ったことがあり事故についての鮮明な解釈を持っているかもしれない。

いずれにせよ、2人は同じ事柄に対して全く違う解釈をするのである。そしてその感覚と解釈を保存し、新しいフィルターとして未来の経験を形作るのである。

NLPで使われている大切なコンセプトがある。「われわれが認識・記憶している世界は地図にすぎない」ということ。アルフレッド・コージブスキーが著書”Selections from Science and Sanity”で記したように、「地図の重要性は書かれてあるということ。地図はそれが示す実際の領域ではない。しかし正確で領域と同じ構造をしていれば、地図は役に立つ」。

ある人が出来事に意味を付けるとき、その人の解釈は出来事を正確に表現したものではない。それは何か具体的で、個人的な信念、態度、価値観、そしてメタプログラムと呼ばれるものを通して解釈されたものに過ぎない。

おそらくこれが、アインシュタインが「真理と知識の裁判官として自らを高みに置くものは、神々の嘲笑により挫折させられる」とかつて語った理由だろう。

つまり私たちは物事が本当に何なのかを理解していないのである。それならばなぜそれらをネガティブに使ってしまい、自分や他人を幸せにしていくように使わないのか?

これをうまくやるにはメモリー・マネジメントをしなければならない。個人を最も力づける状態を常に作る解釈の創造である。

どんな経験の中にもあなたは、たくさんの事に焦点を合わせることができる。最も成功している人でも、事がうまくいかず、落胆やフラストレー ション、怒りの状態になることも可能である。反対に、どん底にある人が人生でうまくいっている全てのものに焦点を当てることも可能だ。どれだけ状況が悪くても、あなたは目の前の出来事を自分にプラスになるように解釈する事ができる



「3ー1.状態の力」に戻る 「3−3.出来事をどう解釈するか」に進む→


参照

Unlimited Power: The New Science Of Personal Achievement



posted by ヤス at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | NLP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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