2014年03月12日

6−4.サブモダリティの応用

あなたの過去の経験で、喜びの経験を思い出してみてほしい。そして、その経験の中に入ってみてほしい。あなたはそこで何を見ただろう?視覚情報のサブモダリティを調べてほしい。何を見たのか、その絵はカラーか白黒か、明るさはどうか?等。聴覚情報のサブモダリティも調べてみよう。何を聞いただろう?どういった声だったか、音質は?等。体感覚はどうか。何を感じただろうか?どういった感覚を感じたのか、肌触りや温度はどうだったか?等。

過去の経験に入り、サブモダリティを調べる。そして今度は自分の体から飛び出し、その状況を外から見てみよう。まるで自分を映画の中に見ているような感じで見てほしい。同じ経験だが受ける感じに違いは出ただろうか?ここで出る違いが主観的視点と客観的視点の違いとなる。

主観、客観、その他サブモダリティを変える事で、経験を変える事ができる全ての私たちの行動は、状態の結果である。そして状態は解釈(内的な表現、つまり内的にどう描くか、自分に何を言うか)によって作られる

映画監督が視覚情報と聴覚情報で観客に対する影響を変えるように、あなたは自分自身の経験の効果を自分自身で 変える事ができる。監督はカメラの角度、音楽のボリューム、イメージの色質などを自由に変える事で観客を楽しませる。つまり、特定の状態を作る。同じように、あなたは自分の最高の目標や要求に向けて、状態を作る事ができる。

では、意図的にどうすれば良いのだろう?ここで紹介するエクササイズは非常に大切で、全ての状態を感じるために1つ1つの状態をそれぞれ研究するといいだろう。このエクササイズを他人とすると非常に面白い発見がある。

まずとても嬉しかった記憶を思い出して欲しい。古くても最近のものでもいい。目を閉じ、リラックスし、それを思い出す。そして、そのイメージをより明るくしていく。イメ ージが明るくなるにつれ、自分の状態の変化に気付いて欲しい。

次にその写真を自分に近づける。そして大きくしていく。このようにイメージを変化させるとどう感覚に変化が出るだろうか?その経験の強さが変わったはずだ。多くの人にとって嬉しい記憶を明るく、大きくし、自分に近づけると、感情強度が上がり、嬉しさが増す。それにより、その経験の喜び度合いが上がる。つまり、あなたをもっと楽しくポジティブな状態にしてくれる。

全ての人が、視覚、聴覚、触覚の3つのモダリティを持っている。しかし、経験を解釈するシステムは人により異なる。ある人たちは視覚的情報を主とする。彼らは自分の頭に描く絵に反応する。その他の人たちは聴覚的情報を重視、または体感覚情報を重視する。こういった人たちは聴く事や感じる事に最も強く反応する。

では再び嬉しかった記憶に取り掛かろう。その記憶の中であなたが聞いた音のボリュームを上げてほしい。そしてリズムや音質を変えてみてほしい。体感覚のサブモダリティも変化させてみよう。温度を上げたり、固さを柔らかくしたり、肌触りを滑らかにしてみる。その記憶についての感じはどう変わっただろうか?

全ての人が同じ反応を示すわけではない。特に体感覚的な刺激は人によって異なる反応を引き出す事が多い。多くの人は内的イメージを明るく、大きくするとその記憶を強める事ができる。この原因は印象が強まるからである。そうする事であなたはよりポジティブで豊かな状態になる事ができる。

私がセッションでこのエクササイズをして嬉しい記憶を強化させると、クライアントの体の動きの変化や心の中での動きをはっきりと把握する事ができる。クライアントの息は深まり、姿勢は正しく、顔はリラックスし、体全体にエネルギーがみなぎったように見える。

ネガティブな感情についても同じ事をしてみよう。何かあなたを怒らせたり、痛みをもたらす記憶を思い出してほしい。そして、そのイメージを取り出しより明るくする。そしてより自分に近づける。大きくする。何が起きるだろうか?

多くの人はネガティブな状態が増したと感じる。では、そのイメージを元の位置に戻す。元に戻したら、それをより小さくして、より暗くして、遠くにやるとどうだろう?ネガティブな感情が力をなくすことに気づくだろう。

同じ事を他のモダリティ、聴覚と体感覚でもしてみよう。大事な事は、これを頭で理解しない事。どのモダリティ、サブモダリティが最もあなたに対して影響力があるのかに注意しながらこのエクササイズを行って欲しい。

先ほど扱ったネガティブな感情を取り出し小さくしていく。イメージが小さくなるにつれ、どのように感じるか注意する。そして、そのイメージの鮮明さを悪くし、見えにくくする。イメージを遠のけて、想像上の太陽の中に投げ入れてしまう。そして、そのイメージがこの世から消えてしまったと想像する。どんな変化を体験するだろう?

聴覚のモダリティにも同じ事をする。あなたが聞いた音を再現する。それをミュートにしたり、リズム感を壊してほしい。体感覚にも同じ事をする。柔らかくしたり、弱くしたりする。

こういった変化を加えて、ネガティブな経験に何が起きるだろうか?大抵の場合、そのネガティブ経験は力を失うだろう。その経験の痛みが小さくなり、消える事もある。過去の痛い経験を思い出し、それが全く重要でないようにし、完全に消してしまう事もできる。

あなたはこのエクササイズから、いかにこの技術が有効かを知る事ができる数分間でポジティブな感情を強めたり、ネガティブな感情を弱めたりできる。これを知るまでは過去に下した解釈に流されるままだったのが、今ではあなたはそうしなくてもよいことに気づくはずだ。

基本的にあなたは2種類の内から1つの生き方を選択する。過去に作られた方法によって脳があなた動かす。脳に主導権を与え、脳が映像を描き、音を聞き、感覚を感じ、パブロフの犬ように自動的に反応する。もう1つの生き方はあなたが脳を意識的に働かせる。意図的に解釈の構造を変える事で、悪い経験の力を弱らせる事ができる。

とてもじゃないが出来ないような大仕事を経験した事があると思う。終わらせるイメージさえ出来ず、取り掛かかる気持ちにもなれないような仕事である。もしあなたがそれを小さなイメージで捉えたら、それが出来るように感じ、圧倒される代わりに、適切な行動を取る事が出来る。これは物事を単純化しすぎたように聞こえるかもしれないが、解釈や内的表現を変える事で、その仕事についての感情を変えて、行動を修正する事ができる。

もちろんプラスの経験を強化する事にも使える。小さな喜びを拡大させ、明るくし、より幸せに感じる事もできる。人生の喜びや情熱を増やす事は誰にとっても大事な事である。




「6−3.モデリングの最小単位、サブモダリティ」に戻る 「6ー5.(作成中)」に進む→


参照

Unlimited Power: The New Science Of Personal Achievement

posted by ヤス at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | NLP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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