2014年04月03日

持って生まれたものか?生まれて身につけたものか?

心理学において私たちの性格等は、持って生まれた先天的な物なのか、それとも生まれてから身につけた後天的なものなのか(Nature vs Nurture)というのは、典型的な議論の1つです。

プラトーやデカルトといった哲学者は特定の要素は産まれた環境と関係の無い先天的なものだと主張します。こういった人たちを先天論者(nativist)と呼びます。

対して、ジョン・ロック等の思想家は、生まれたとき心は白紙(tabula rasa)だと主張します。この観点では、私たちの人格や知識は、経験によって作られると考えます。こういった思想家を経験主義論者(empiricists)と言います。





先天性と後天性の例

例えばある人が勉強において成功を収めたとして、これはこの人が先天的に賢かったからこうなったのか、それとも努力したからこうなったのか?ある男性が妻や子供に暴力をふるうのは、彼が生まれながらに暴力的だからか、それとも自分の親を見て習った行動なのか?

先天的な特徴の例としては、遺伝的病気、目の色、髪の毛の色、肌の色などが挙がります。その他、寿命や身長といった事も遺伝的な物だと考えられがちですが、環境やライフスタイルも大きな影響要素だと言えます。

後天的に考える経験主義論者の例としては、チョムスキーの言語習得装置(Language Acquisition Device, LDA)が挙がります。この理論によると全ての子供は、言語を学び生産するための直感的な能力を持つと説かれています。


多くの特徴は環境的影響と関連しています。人がどう振る舞うかは、その人の親の接し方や何かを学んだ経験などといったものと関係があるでしょう。例えば、ある子供は「お願いします」とか「ありがとう」と言う事を、観察や強化から学びます。またある子供は周りの年上の子供の暴力的な行動を見て、乱暴に振る舞うようになります。

心理学において経験主義論の例としては、アルバート・バンデュラの社会学習理論(Social Learning Theory)があります。この理論によると、人は他人の行動を観察する事で学ぶと説かれています。



先天性と後天性について近代的な視点

今日、多くの専門家は行動や発達は先天的、そして後天的、両方ともに影響されていると考えています。しかし、ホモセクシャルの起源だとか、知性といったものに対しては未だに議論がされています。そして、多くの研究者は、どちらか一方に極端に偏るのではなく、どれだけ先天的な、どれだけ後天的かを考えるようになっています。





参照

http://psychology.about.com/od/nindex/g/nature-nurture.htm
posted by ヤス at 05:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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