2014年06月09日

軽い腕タッチで好感度アップ

外見の良い男性が3週間に渡り、ナイトクラブで120人の女性に一緒に踊ろうとアプローチします。これは研究の為です。この外見の良い男性は、心理学者ニコラス・ゲゲン(Nicolas Guegen)のアシスタントなのです。驚くべき事にこの男性が軽く腕に触れた60名の女性の65%がダンスする事に同意したのに対し、触れなかった60名の女性ではたった43%しか同意しなかったのです。


この実験の第二部では、3人の研究アシスタントが道ばたで240人の女性に電話番号を聞きます。この内半数の120人の女性に対しては、アシスタントは彼女らの腕に軽く触れます。19%の成功率でした。対して触れなかった120人では成功率は10%でした

ゲゲンいわく、男性が女性の腕に軽く触れる時、女性はそれを支配的だと感じ、それが社会的地位に関する魅力だと受けられるんだそうです。

この仮説を調べる為に、この後、道を歩く多くの女性の電話番号を尋ねました。条件は同じで、半数には腕タッチ有り、半数には無し。男性のアシスタントが通りすがりの女性に話しかけた後、女性の研究者がその女性に立ち寄り、男性アシスタントについて質問をします。ゲゲンの仮説を支えるべく、腕に触れた男性はより魅力的で、より支配的だと評価されていたのです。

ゲゲン「これはフランスでの実験だから、他の文化ですると同じような結果が出ないかもしれない。例えばボディタッチが少ない文化だと、タッチする事が女性からするとネガティブに思われる文化もあるだろう。」

タッチに関する社会的な効果については、過去に色々と研究されてきました。例えばある研究では、参加者にある人がある人をタッチしている写真を見せると、触っている人の方が、触られている人よりも支配的だと感じると分かっています。また、他の研究ではウエイトレスやウエイターが客の腕を軽く触ると、より好感度を持ってもらえるという結果も出ています。

何気なくする事も多いボディタッチですが、心理的な側面から見ると見逃せない効果があると言えそうです。




こういった種類の心理学を「社会心理学」と言います。社会心理学に興味があれば、この本がオススメです。


参照
Guegen, N. (2007). Courtship compliance: The effect of touch on women's behaviour. Social Influence, 2, 81-97.
posted by ヤス at 02:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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