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2014年08月28日

バンデュラの社会学習理論

「もし教育者が学習者に対して何をすべきか伝えるだけになってしまうと、学習はより手がかかり、危険になるだろう。幸いにも、人間行動の多くはモデリングを通して観察的に行われる。他人の行動を見て学び、それがコード化された情報となり、後のアクションガイドとなる。」
-アルバート・バンデュラ、社会学習理論、1977




社会学習理論とは何か?

社会学習理論はアルバート・バンデュラによって提唱された理論で、学習や発達において最も影響力のある理論だと言われています。この理論は多くの学習理論の基本概念に基づいている一方で、バンデュラはそういった直接的強化だと多岐に渡る学びに対応できないと述べています。

彼の理論は社会的要素を加えました。「人は他人を観察する事によって学ぶ事ができる」という観察的学習は様々な行動を説明するのに用いる事ができます。


社会学習理論の基本概念

社会学習理論には中心となる3つの概念があります。1つ目は、人は観察から学ぶ事ができるという事。2つ目は、内的な心の状態がこの過程では非常に重要だという事。3つ目は、何かが学習されたからといって、行動変化が生まれる訳ではないという事。

それぞれの概念をもう少し見ていきましょう。

1.人は観察から学ぶ事ができるー観察的学習

バンデュラはボボ人形実験で、子供は他人の行動を見て、行動を学び、マネをする事ができる事を証明しました。この実験で、子供達はボボという人形に暴力を振るう大人を観察します。その後で、ボボ人形と自由に遊んでいいとされた子供達は、大人がしたような暴力的な振る舞いを人形にしたのです。


バンデュラは観察的学習の3つのモデルを発見しました。

ライブモデルー実際に人が何らかの行動をしているのをライブで見る。
言語指導モデルーある行動の説明や記述から学ぶ。
シンボルモデルー本や映画で特定のキャラクターが何らかの行動をするのを見て学ぶ。



2.内的な心の状態が非常に大事であるー内的強化

バンデュラは外的、環境的な強化だけが、行動や学習に影響する唯一の要因ではないと述べました。彼は、誇り、満足感、達成感といった内的報酬などの強化の重要性を説きました。内的思考や認知を強調する事で、学習理論と認知発達論を繋げる事ができるようになりました。多くの教科書が社会学習理論を行動理論としますが、バンデュラは社会学習理論は「社会認知理論」だと言っています。


3.学習は必ずしも行動変化に繋がらないーモデリングのプロセス

行動主義者は学習は半永久的に行動の変化に繋がると考えますが、観察的学習では、行動変化が起こらなくても学習は起きている事があると考えます。

観察された行動全てが学習される訳ではありません。社会的学習がうまくいくには、その学習モデルや学習者がどうであるかといった要因を考慮する必要があります。その為に、特定の条件やステップが揃う必要があります。

注意:何かを学ぶには、注意をする事が必要です。あなたの注意の邪魔をするものは、観察的学習にとってネガティブに作用します。もし学習モデルが興味深かったり、新たな要素が加わったりすると、あなたはより注意を払うでしょう。

記憶保持力:情報を保持する能力もまた学習プロセスの重要な過程です。記憶保持力は数々の要因に影響されますが、後々に情報を引き出し、それに基づいて行動する事は観察的学習にとても大事な事です。

再生力:学習モデルに注意を払い、情報を保持したら、実際に観察した行動を行う段階です。習得した行動をより練習する事で、スキルの向上に繋がります。

動機:観察的学習が成功する為の最後の要因として、モデルした行動をマネしようという動機が必要です。強化と懲罰が、動機に大きく関わります。こういった動機要素が非常に効果的なので、他の人が強化や懲罰を体験している所を見る事も影響力を持ちます。例えば、クラスメートが授業にいつも遅れずにやってくる事を高く評価されたのであれば、あなたも同じ事をしようと思うでしょう。


バンデュラの社会学習理論は、心理学だけではなく、教育学においても重要な発見となりました。今日においては家庭内でもモデリングの重要性が説かれています。学校においても、子供を励ます事や、自尊心を育てる事が推奨されていますが、これらも社会学習理論が基となっていると考えられています。




バンデュラに興味がある方は以下がオススメです。
激動社会の中の自己効力
社会的学習理論 オンデマンド版―人間理解と教育の基礎


参照
http://psychology.about.com/od/developmentalpsychology/a/sociallearning.htm
posted by ヤス at 06:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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