2015年02月24日

バイリンガルキッズは先天より習得を信じる

コンコーディア大学の新たな実験によると幼稚園の段階で二つの言語に触れると、その子供の世界観に大きな影響を与えるという結果が出ました。一つの言語だけに触れた子供と比べた場合、彼らは人の性格が生まれ持ったものではなく、生まれてからの経験によってできたものだと解釈する傾向が強いそうです。

この実験では48人の5、6歳児が集められ、彼らは単一言語グループ、同時二言語グループ(2つの言語を同時に習った)、そして、異時二言語グループ(1つの言語を学び、もう1つをその後で学んだ)に分けられました。

子供達は、イギリス人の両親の元に生まれたが赤ん坊の内にイタリア人の養子となった子供の物語と、犬に育てられたアヒルの物語を聞きます。その後、参加した子供達は、「養子となった子供は英語かイタリア語、どちらを話すか?」「犬に育てられたアヒルはアヒルのように鳴くのか、犬のように泣くのか?」という質問を受けます。

結果はどうなったか。異時二言語グループの子供達だけが、養子の子供はイタリア語を話す事を理解していたのです。また面白い事に、彼らは犬に育てられたアヒルは、犬のように鳴き、早く走ると答えたのです。

また、単一言語グループはどちらの質問にも、生まれながらに持った性質が継続されるという回答(英語を話す、アヒルのように振る舞う)をしたそうです。

実験者の考察では「子供の発達というのは非常に興味深いもので、何か一つの習得(この場合、言語)が、他の分野にも適応されるという世界観を構築する」と述べています。

「生まれながらの性質が全てだ」と考える人は、周りの人をステレオタイプや偏見で見る傾向が強いだけに、今回の実験は子供の発展以外にも貢献できる結果となりそうです。




参照
http://www.concordia.ca/cunews/main/stories/2015/01/13/how-bilingualism-affects-childrens-beliefs.html
posted by ヤス at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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