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2016年05月16日

cure ではなく heal するのがマインドフルネス

マインドフルネスが素晴らしいのは、科学によって生物学的な証拠も集められている点だと思います。それらの点を踏まえながら、マインドフルネスを見ていこうと思います。


脳は変化することができるのはよく知られています。これを脳の可塑性(neuroplasticity)と呼びます。例えば、損傷で脳の部分を失っても、他の脳神経細胞がその機能を補う。しかし最近の研究で染色体も変化することがわかりました。以前は遺伝子は固定されたものだと思われてきたが、そうでもない。このことを後成学(epigenetics)と言います。つまり、運動をしたり、食事に気をつけたり、ストレスへの対処法を学んだりすることで、遺伝子を変えることができます。


2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したカリフォルニア大学サンフランシスコ校のエリザベス・ブラックバーンは、ストレスが染色体の先にあるテロメラ(telomere)を悪化させることを見つけました。これは靴紐の先の部分だと思ってもらうと分かりやすい。何回も使うと弱くなってきます。これを回復してくれる酵素があるのですが、ストレスにさらされているとこの回復力が弱くなります。逆に、ストレスにうまく対処できると、この回復力を強めることができます。彼女の実験では、ストレスにうまく対処できない事は平均して、7年間、寿命が縮めると言っています。ストレスにうまく対処する方法を学ぶと、長生きできるという事です。


マインドフルネスを使うと肉体的な痛みにも上手に対応できます。マインドフルネスにおいて大事な事は、関係性です。痛みに対してどういった関係性を持つのか。私たちは五感で情報を処理しますが、それ以外にも最近では固有受容感覚(Proprioception)と言って、目を閉じていても自分の手足の位置や動きがわかる感覚が発見されたり、内受容感覚(interoception)といって、自分の体の内部を感じる感覚が発見されています。また仏教では「気付き」そのものが五感とは別の感覚だと言います。


近代の教育では思考や分析に焦点が当てられてきました。これに対して感覚に気づくのがマインドフルネスです。現在という瞬間に判断をせずに注意を向ける結果、浮き上がってくる気づきのことです。

そして、様々な感情に対して、自動反応するのではなく、関係性を持つのです。肉体的な痛みからストレスを持つ人がいます。ストレスは本来、思考の病気です。最も良いストレスとの付き合い方は良い関係性を持つことです。認知行動療法のように思考を変えるのではありません。なぜなら、変えるべき良い思考が常にわかっているとは限らないからです。どんな思考に変えたらいいかわからない場面もあります。

マインドフルネス・ベース認知療法があります。これは思考を入れ替えるのではなく、各々の瞬間に思考が湧き上がってくるのを認識し、空を雲が駆け抜けるように思考を観察します。ストレスとなる思考やうつ病の原因となる反芻がある時、それらを抑えたり、押しのけたりするのではなく、それらと関係性を持つようにします。


ではマインドフルネスを実践するとして、何が大事か。マインドフルネスの基本は仏教の瞑想です。仏教瞑想に仏教さをなくし、医学的な見解を加えたのがマインドフルネスです。瞑想もマインドフルネスもテクニックではありません。一つの存在の仕方です。

私たちは判断、評価をよくしてしまいます。それが無意識的に行われています。そうではなく、マインドフルネスではそれに気づこうとします。そうするとことでそうした判断や評価を信じなくて済みます。マインドフルネスをしたからといって、判断や評価を全くしなくなるわけではありません。それに気づくことで自由度が増えます。判断すること(judging)は白黒をつけたり、好き嫌いをつけることで、識別する(discerning)とは、形を認識したり、自分がしているプロパガンダに気づくことです。

マインドフルネスは自分が自分を牢獄に入れていることに気づかせてくれます。そうした気づきを得るためにはまずは呼吸に注意を向けることから始めます。マインドフルヘスの土台は体だと言います。そして、呼吸に注意を向けることで体に気づけるようになります。

リンダ・ストーンが現代人は常に部分的な注意を何かに向けていると言っています。つまり、完全な注意を払うことがない。だからマインドフルネスが貴重なんです。

治療には2つの単語がありますが、その違いは、’curing’とは、あるものを以前の状態にすること。これは不可能な場合がほとんどです。もう1つが’healing’。これは今の状態で心の平静を持てるようになることです。healingに役立つのがマインドフルネスです。






参照
posted by ヤス at 05:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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