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2016年10月03日

迅速エビデンス評価法(Rapid Evidence Assessment, REA)

近年、エビデンスに基づいた実践をすることが勧められています。これは例えば、国の政治なども同じで、政策を立案する時に、入手可能なリサーチエビデンスを使うことが極めて重要です。このプロセスの最初の1歩は、既知(既にわかっていること)を確認することです。既存のエビデンスは、問題となっている事柄についての既知を確定する上で非常に大事です。

しかし、「知識経済」と言われる現代社会には、非常に多くの情報があり、その情報の質もバラバラです。情報化社会で非常に多くの情報が行き交う現代において、常に新たな文献に触れることは不可能だと言えます。

こうした多くの研究をまとめ、解釈する方法として、知識マネジメント方法、「レビューイング」があります。レビューイングは新しいものではなく、100年近くに渡って実践されてきました。しかし、大きく発展をとげたのはここ30年だと言えます。


レビューイングには時間がかかりますが、いくつかのテクニックを使う事ができます。中でもここで紹介するのが「Rapid Evidence Assessment(迅速エビデンス評価法、REA)」です。

REAは既存のリサーチを素早く見通し、それらのエビデンスが何を意味するのかをまとめ、それらのエビデンスをクリティカルに分析します。2〜6ヶ月のタイムスパンで使われます。

REAは既知について、システムレビュー方法を使って、既存の研究を分析することで、バランスの良い評価をします。もちろん徹底した評価を目指しますが、レビューの過程で譲歩することもあります。


どのように迅速なのか?

システマチックなレビューとは異なり、REAのプロセスでは迅速さを高めるために幾つかの制限があります。まず、研究質問は広いものは適しません。広い質問だと検証も浅くなります。また、記事を探すときも比較的、浅めの探索が良いでしょう。仮に多くの記事を見つけた時は、それらの記事をまとめたものを使うと良いでしょう。

記事を見つけ後のスクリーニングですが、REAでは学術的ではない記事を使うことも可能ですが、システマチック・レビューほど重点的にはしません。ネット上で入手可能なものだけを使う手もありますが、バイアスを増やす可能性があるのであまりお勧めはできません。

集められたエビデンスも最初の段階ではそれほど広範囲にわたるものはないのが通常です。


REAは以下のような状況で使われます。

ある政策やサービスの効果性が不確かであり、それに関する過去のリサーチがある時。

政策に関する決断が数ヶ月で必要であり、関係者がその期間内に得られるエビデンスで決断を下したい時。

政策開発の段階で、特定の介入がもたらす結果のエビデンスが必要な時。

その分野において多くの研究がなされているが、問題が解決されていない時。

将来のリサーチのニーズを定めたい時。

特定の時間に迫られた政策に関する懸念項目に応える必要がある時。



REAの弱点はバイアスが生まれることです。もちろんシステム的レビューでもバイアスは出るのですが、そのプロセスと時間に限界があるREAではより強いバイアスが生まれる可能性があります。例えば、REAでは出版された学術記事のみを集めるので、それ以外の情報を集められなくなります。従って、そういったバイアスよりも、より早くエビデンスを固める必要がある時に、REAが良いと言えます。


またREAでは時間に制限があるので、発見が結論付かなかった場合、元に戻って、質問や実験参加条件を改めるのに時間がない、という事もあがります。

参照
http://webarchive.nationalarchives.gov.uk/20140305122816/http:/www.civilservice.gov.uk/networks/gsr/resources-and-guidance/rapid-evidence-assessment/what-is
posted by ヤス at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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