2016年11月14日

イギリスの大学授業料の総計2兆円。3分の1は外国人学生から

ブレグジットの影響はイギリスの大学にも大きな影響を与えます。大学という、教育と研究に携わるこの機関は、文明化を進めると共に、経済的な役割も担ってきました。イギリスにおいて近代の大学は、中世の教会のような役割、経済と文化を刺激する役割を担っています。大学は雇用を生み出し、企業や公共機関との協働、また、若者を惹きつけ街に活力をもたらします


大学において外国人学生と従業員は大きな存在です。もちろん研究における協働やダイバシティの発展などもありますが、資金もその理由の一つです。例えば、2013年度、大学の授業料収入は約140億ポンド(2兆円)でした。外国人学生はイギリス人学生(最大で9000ポンド、120万円)の2〜3倍払うので140億ポンドのうちの3分の1以上を払っています。この上、外国人学生は移動費、アパート代なども払います。彼らは大きな経済的、社会的、文化的な資産だと言えます。


イギリスの大学で学ぶことには大きく2つのメリットがあります。1つは世界的に見ても良い大学が揃っていること。もう1つが、英語で授業がなされていることです。毎年、数万人の中国人学生がイギリスにやってきます。彼らはイギリスに定住しようなどとは考えていなく、イギリスでの教育そして、高い英語力で、卒業後、帰国し、良い職に就こうと考えています。

しかし外国人学生を移民だと捉える見方も強くあります。去年の移民数は約34万人でした。反外国人派はこの34万人がいかに大きな数字かをアピールしていますが、実はこの内、17万人は学生でした。残りの17万人という移民数は本当に少ないもので、反外国人派の主張を打ち消すほどの数字です。


現首相のテレサ・メイらをはじめとする反外国人派は、こうした数字を持ってしても、外国人学生の多くがイギリス内に残って、イギリス人の職を奪っていると主張しますが、どこまでこれが本当かは示されていません。EU学生はイギリスに住んで働く権利を持っていますが、彼らは外国人学生全体の4分の1に過ぎません。

ちなみに現在、イギリスには毎年、中国から9万人の学生が、インドから1万8500人、マレーシアから1万7000人、香港1万6000人、シンガポール、タイ、パキスタンからそれぞれ7000人の学生が勉強しにきています。

参照
https://www.theguardian.com/commentisfree/2016/oct/29/foreign-students-key-to-british-economic-and-intellectual-life
posted by ヤス at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 留学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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