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2017年05月15日

【学術出版記事】キャリアコンサルタントのNLP資格認定コースでの経験(質的研究)

ここでは僕の学術出版記事 ‘A qualitative investigation into the experience of neuro-linguistic programming certification training among Japanese career consultants’ の概要を日本語でご紹介します。

NLP(Neuro-linguistic programming, 神経言語プログラム)は1970年代にアメリカで生まれ、その後、様々な分野で応用されてきています。イギリスでは2008年の段階で10万人以上がNLPの研修を受けています。日本でもその人気は高く、NLPの元祖の団体の一つであるNLPコネクションだけでも、2003年から2016年3月の間で1700人以上のプラクティショナーを認定しています。

実践が世界的に普及しているNLPですが、その科学的な実証は弱いとされています。大学の研究記事検索で見ても、NLPに関する実験記事は500ほどしかありません。これに対して、例えば、マインドフルネスに関する記事は3万以上あります。NLPの科学的な裏付けが必要です。

また日本ではキャリアコンサルタントがNLPをよく活用しています。キャリアコンサルタントの重要性は高く認められていて、その人数も増加傾向にあります(2006: 43,000; 2008: 53,000; 2012: 81,000)。このため2016年にこの資格は、国家資格化されました。今後ますますキャリア支援が重要になってきます。


そこで、今回の研究ではキャリアコンサルタントがなぜNLP資格認定コースを受けようと思ったのか、NLPの何が有効だったのかを質的研究で調べました。

6人のNLP資格認定コースを受けたキャリアコンサルタントを対象にインタビューをし、そのテープを書き起こし、データを主題分析を使って分析しました。

結果、以下のようになりました。

1.なぜNLPのトレーニングを受けようと思ったのか?
キャリアコンサルタントになる過程で学ぶカウンセリングスキルだけでは、効果的なセッションを持つことが難しいと感じたから。特にカウンセリングほど時間的に余裕がないキャリアガイダンスにおいて、コーチングのような能動的なスキルが求められる。そこでNLPが良いと思った。


2.NLPの中でどのスキルが最もキャリアのサポートにおいて有効か?
リフレーミングとディズニーストラテジー。リフレーミングは短時間で気分を変えることができる。採用されるためにはこうじゃないといけないといった強いフレームがあるクライアントの見方をリフレームで変えることができる。ディズニーストラテジーは長い目で見たキャリアに対して計画を立てることができる。またドリーマーのポジションがあることで夢を見ることができる。これが難しいクライアントが多いのも事実。


3.その他、NLPの何が良かったか?
人間理解を深めることができた。また、それによって、もっと他人や自分をわかってやろうとする心構えが深まった。この心構えはスポンサーシップと通じるもの。

というようなデータ分析となりました。

今、多くの国々でキャリアのサポートにより良い手法がないかと考えられている中で、日本でこのようなユニークなことが行われているというのは、非常に有意義な研究となりました。


この研究は3つの評議会で発表させていただきました。

ここではコンサルタント側の視点からの発見だったので、今度はクライアント側はどう感じているのか、これを調べたのが次の出版 ‘Disney strategy for Japanese university students’ career guidance: a mixed methods pilot study’ です。

今後もっと研究を重ねていこうと思います。
posted by ヤス at 04:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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