2018年11月20日

「自己への思いやり」の定義

思いやりを自分に対して持つことは、思いやりを他人に対して持つことと変わりません。他人から思いやりのある行為をしてもらった時どう感じるか考えてみてください。まず、思いやりを持つにはその対象となる人は、何らかの苦しみを経験しているでしょう。その人がどんな辛い体験をしているかを考えずに、思いやりを発揮することは非常に難しいでしょう。第二に、思いやりは他人の苦しみに動かされるものであり、だからこそ、あなたの心が彼らの痛みに反応することができます(英語の思いやり"compassion"は「共に苦しむ」という意味を持ちます)。あなたの心が他人の痛みに反応する時、その人を助けたいという欲求と暖かさを感じることができます。思いやりとは同時に、他人を厳しく批判的に判断するのではなく、理解と優しさを提供します。そして、他人に思いやりを持って接することで、苦しみ、失敗、非完璧さは人間誰しもあるものだと認識することになります。


自己への思いやりもこれと同じです。あなたが苦境にあったり、失敗したり、自分の嫌いなところが目についたりする時にどれだけ理解し、優しさを持てるか。そうした苦しみをただ我慢するのではなく、そこで自分をいかにケアしたらいいかを考えます。

自分の欠点について批判的に自分を咎めるのではなくて、それらに対して優しく、理解を持って接します。つまるところ、誰があなたが完璧でなければならないなどといったのでしょうか。

人はより健康で幸せになるために、いろいろなことをしますが、それは自分自身のことをいたわっているからです。自分に価値がないと思ったり、自分を受け入れられないとそうしたことはできないでしょう。つまり、自分の人間らしさを誇り、受け入れることが、自分への思いやりにとってすごく大事だと言えます。物事はいつも思い通りにいくとは限りません。ほとんどいかないでしょう。そこでフラストレーションや悲しみ、落胆を経験します。これが人間であることの条件であり、人間誰もが共有する体験です。この現実により心をオープンにするほど(抵抗するのではなく)、自己への思いやり、そして、他人への思いやりを感じることができるのです。


参照
https://self-compassion.org/the-three-elements-of-self-compassion-2/
posted by ヤス at 07:32| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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