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2019年05月12日

自然がもたらすヒーリング効果

千葉大学の宮崎教授は森林浴のもたらす健康への好影響について長年研究をしてきました。例えば、スギ林を40分歩いた参加者は、実験室を40分歩いた参加者と比べて、血圧や免疫に携わるストレスホルモン、コルチゾールの値が低かったそうです。森林で時間を過ごすことが身体のストレス低下をもたらしていたのです。


日本医科大学の李卿教授は、木々はフィトンチッド(phytoncides)という化学物質を放出していることを発見しました。フィトンチッドを取り込むと、体はアロマセラピーのような、体にプラスの効果が現れます。森の中で時間を過ごすと、血中の抗ガン力や免疫力の増加、そして、血圧の低下が見られました。

この他、近年の研究では自然に触れると、心臓病、うつ、ガン、不安、注意散漫などを抑えることができると報告されています。李教授は、森林の持つ雰囲気、美しい景色、良い匂い、そして、フレッシュな空気が健康に良い影響を与えると述べています。

1.血圧を下げる

高血圧は、例えばアメリカでは3人に1人が当てはまるとされ、国の経済に5000億ドルものコストをかけていますが、自然の中で時間を過ごすことで血圧を下げるという結果が出ています。2016年に行われた高血圧者を集めた実験では、1週間に30分以上時間を過ごした人は、より自分の高血圧をコントロールできると報告されています。研究を牽引したオーストラリア、クイーンズランド大学のダニエル・シャナハン氏は、多くの人がこれを実践したら国の医療コストは大きく下がると述べています。

森林にいると空気が綺麗なこともありますが、それに加えてストレスの低下も血圧低下に影響していると考えられます。自然の中にいると、意識をしなくても、勝手に人間の注意は周りのものに向きます。これがストレス低下につながっているのではと考えられます。また木々の香り、そして、フィトンチッドが、闘争・逃走反応を抑え、ストレスを下げていると思われます。


2.畏敬の念を強める

自然の中にいると、畏敬の念を強めてくれます。畏敬の念を抱くと私たちはより健康になります。2015年、カリフォルニア大学アーバイン校のポール・ピフ氏は60秒間、高くそびえる木を見た人は、同じ高さの高層ビルを60秒間見た人と比べて、道で困っている人を見たらより助ける確率が高いと報告しています。

畏敬の念を抱くと自分よりも大きなものがあることに気づけ、自己中心性や自分勝手さを抑え、より人を助けようと思うようになります。また畏敬の念を抱くことがよくあると、身体的にも炎症系の異常が発生しにくくなります。

また別の研究では(2016年)、44都市を比べると、公園が多い都市に住む人の方が、コミュニティーの健康度が高いと報告されています。これは、公園があるおかげで、近所に住む人と話をしたり、触れ合うことで、心の健康が向上する体と考えられます。そして、公園が多い都市に住む人は、そうでない都市に住む人とt比べて、よりエネルギッシュで、健康で、目的意識が高いと述べています。

3.抗ガン細胞の増加

植物の多い場所に住んでいた女性は、そうでない場所に住んでいた女性と比べて、12%も死(事故死以外の)の確率が低いそうです。新鮮な空気も理由の一つですが、フィトンチッドがナチュラルキラー細胞(NK細胞)を増加させ、免疫力を高め、発ガンのリスクを下げます。またNK細胞は炎症を抑え、心臓病や糖尿病の症状も抑えるそうです(実験記事)。

森の中を1日2回、数日間に渡って散歩した人は、NK細胞が50%増加、そして、NK細胞の活動が56%も増加したそうです。そして、散歩を辞めてから1ヶ月の段階でも、23%も通常より高いNK細胞の活動が見られました。また李教授らの実験では、ホテルの部屋にフィトンチッドをまいておくと、そこに宿泊した人は、散歩をしたのと同じような抗ガン機能が見られたそうです。

4.うつと不安に効く

都市部に住む人は、自然が多い場所に住む人と比べて、よりうつだったり不安を抱く可能性が高いです。アメリカでは8割の人が都市部に住んでいます。2015年の研究で分かったのは、90分間自然の中を歩いた人は、同じ時間都市部を歩いた人と比べて、うつや不安の特徴である反芻をする傾向が減り、うつや不安に関する脳の活動も低下していたそうです。手軽にアクセスできるような自然が私たちには必要だと研究者は述べています。

自然がどのようにメンタルヘルスに好影響をもたらすかはまだ分かっていませんが、自然の中で時間を過ごすことがメンタルヘルスに良いことは確実に結果で出ています。これには、空気、水、森、そして、山が持つマイナスイオンがうつ症状を下げているのかもしれません(研究記事)。


5.ADHD(注意欠陥多動障害)の症状を抑えるかも

まだ数は多くないですが、いくつかの研究で、森の中を歩くことがADHDの症状を抑えるのに有効だと述べています。ある研究では子供が20分間、異なる場所を歩きます:自然、家の近所、そして、都市部。歩いた後に、自然を歩いた子供達は、他の場所を歩いた子供達と比べて、かなり高い集中力を見せました。

ADHDでない人も、自然に触れることで集中力を増すことができます。ミシガン大学の実験では、20分間自然の中を歩くと集中力が高まり、逆に同じ時間都市部を歩いたグループにはそうした変化は見られなかったそうです。

6.直接の自然でなくても効果がある

自然の効果は、ただ部屋に植物を置くだけでも見られるそうです。自然に関する写真、音、そして匂いだけでも健康にプラスの効果があります。例えば、ヘッドフォンから自然の音を聞くと、ストレスからの回復がより早くできたそうです。多くのスパでこうした音が流されていることを思うと納得です。

また手術後の患者に対して、自然が見えるような窓がある部屋で休養してもらうと、患者の参加者は集中力が高まり、ストレスが下がったそうです。


参照
http://time.com/4405827/the-healing-power-of-nature/
posted by ヤス at 07:20| Comment(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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