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2019年12月30日

迅速エビデンス査定(REA)とは何か?

現在、学士課程の最後の授業では、 Rapid Evidence Assessment (REA)という文献レビューを学生さんにしてもらい、卒業論文としています。このレビュー方法、適当な邦訳が見当たらないので、勝手に訳すと、「迅速エビデンス査定」とでもなるでしょうか。これはシステマチックレビューと比べるとわかりやすいのですが、がっつりと今ある研究結果ををレビューするのではなくて、素早く限定して研究結果をレビューする方法です。これについてご紹介します。


文献レビューで最も王道なのが、システマチックレビュー(SR)です。SRでは特定のトピックに対して、全ての関連する研究を見ていき、比較的幅広く範囲を設定して、徹底的に文献を見ていきます。そして、複数の研究者がそれぞれ独自に、一つ一つの研究を、決められた範囲に当てはまるかどうか判断し、またそれらの質も分析していきます。SRは透明性があり、証明ができ、再実行が可能なレビューだと言えます。従って、SRはバイアスが他のレビューよりも少ないと言えます。


SRと同様、REAも労働現場に有効な情報を提供できるレビューであり、既存のエビデンスを集約するものです。SRとの間にいくつもの共通点があります。

1. 背景
2. 研究質問
3. 選択基準
4. 検索の戦略
5. 対象研究の選択
6. データ抽出
7. データ分析
8. 分析結果の集約
8.1. キーワードの定義
8.2. メカニズムの解明(原因など)
8.3. 主な発見
8.4. モデレーターとメディエイターの発見
9. 分析結果の統合
10. 研究の弱点
11. 結論
12. 労働現場への示唆


SRとREAの大きな違いは、それぞれにかかる時間やリソースです。従って、発見した事柄の幅の広さや深さはREAでは狭く浅いと言えます。つまり、REAは、SRでがっつりと調べるものの、特定の鍵となる一部だけを見直します

文献検索においては、SRほど包括的にデータベースを見直しません。2、3の主要なデータベースのみを検索します。そして、出版されていない文献は無視します。

対象となる研究も、特定のデザインを用いているもの(例:メタ分析やランダム化比較試験[RCT])だけを分析します。

データの抽出においても、主要な情報だけに焦点を当てます。例えば、出版年、対象人口、研究デザイン、サンプルサイズ、特定のモデレーター・メディエイター、主な発見、効果の大きさなど。

また、分析の際にも、選んだ研究の研究方法の適性と質に焦点を当てて、判断します。

これらの特徴から、REAはSRと比べると、よりバイアスに弱いと言えます。しかし、SRでは複数の研究者が1年ほどかけて行うのに対して、REAは2人の研究者で数ヶ月でできることもあります。従って、SRを行うほどの時間や資金がない組織では、REAを実施する場合があります。臨床、医学、そして、マネジメントの分野で、REAは使われることが多いです。


参照
https://www.cebma.org/faq/what-is-an-rea/
posted by ヤス at 00:22| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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