2022年01月21日

自己評価維持モデル:親密さ、パフォーマンス、関連性

私たちは友人や配偶者の功績を誇りに思い、それによって彼らとより親しくなることもあれば、時には彼らの功績が脅威となり、人間関係が壊れる原因となることもあります。このような現象を「自己評価維持SEMモデル」と言います。

自己評価維持モデルは、2つの仮定に基づいています。

(1)人は自分に対する肯定的な評価を維持したいと思う。
(2)自分が自分をどう評価するかは、ある程度、親しい人々の成果によって決まる。

そしてこれらの仮定は社会的・個人的な行動を理解する上で有用だと考えられています。親しい人の業績が脅威となり、自己同一性の変化や対人関係に否定的な結果をもたらすのが「比較過程」、彼らの業績が個人的にも関係的にも肯定的な結果をもたらすのが「振り返り過程」と考えられます。


「振り返り過程」では、周りの成功によって自分も自分のことをよく思える状態。ここには「親密さ」と「パフォーマンス」が関連します。親密さは、その人たちとどれだけ近いか。パフォーマンスは、その功績がどれだけ優れたものか。これら2つの掛け算の積が、自己評価を上げる程度を決めます。

逆に「比較過程」にある時は、相手のすごい達成で自分の功績が曇ってしまい、自己評価が下がります。ここで親密でなかったり、相手との間に何らかの違い(年齢、性別、人種など)があれば、そこで正当化ができ、ネガティブな感情を減らすこともできます。また、パフォーマンスもすごければすごいほど、感情は大きくなる。つまり、振り返り過程のように、ここでも2つの掛け算の積が自己評価に影響します。

ここで大事なのが「関連性」です。例えば、サッカーのスキルを誇らしく思っている人は、ピアノですごい成果を上げた人と知り合いだったとしても、自己評価を脅かすことはなく、プラスの影響があることの方が多いでしょう。しかし、同じサッカーだったり、フットサルですごい成果をあげている人と会うと、自己評価が脅かされるかもしれません。

従って、自己評価維持モデルによると、人は、親密さが高く、関連性が低い時に、パフォーマンスをたくさんサポートをしてくれて、逆に、親密だけれど関連性が高い時は、それほどサポートせず、邪魔することもあると考えます。また親密さは物理的な距離感を表すこともあり、例えば、見知らぬ人でも目の前でパフォーマンス難にあれば、助けたくなる場合がそうです。

また、人間関係の構築(親密さ)で考えると、関連性が高く、また、他者のパフォーマンスが高い時、自己評価を脅かすので、人はその人から距離を置く傾向があります(親密さを下げる)。逆に、関連性が低いけれど、他者のパフォーマンスが高い時は、自己評価にプラスなので、より親密になろうとします。

最後に、関連性の観点から言うと、キャリア選択や趣味選択への影響があります。パフォーマンスが自己評価に影響する場合、近い他人が何かで非常に優れていると、関連性の高い分野を選ぶと、そこでネガティブな比較が起きるので、関連性の低い他の道を選択するでしょう。そうすることで、比較過程ではなく、振り返り過程に入り、お互いの功績をよりポジティブに見ることができます(親密さの強化)。


このように自己評価が周りの功績でどう変わるのか。これを説いたのが自己評価維持モデルです。一つのモデルなので弱点や当てはまらないこともありますが、社会心理学などでよく触れられるモデルです。

参照
http://psychology.iresearchnet.com/social-psychology/self/self-evaluation-maintenance-model/
posted by ヤス at 20:57| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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