2023年09月09日

現実主義評価(Realist Evaluation)とは?

現実主義評価(Realist Evaluation 以下、RE)の主要な概念とプロセスを簡単に紹介します。REという言葉はポーソンとティレイの著者で初めて使われました。

REは、「ある介入が、どこでも、誰にでも作用するわけではない」という仮定に基づいています。したがって、

「誰にとって、どのような状況で、何が、どのように有効か」を考えます。

特に大事な焦点として、

因果関係 (何かを引き起こす行為)と帰属(何かを帰属させる行為)があります。


基礎となる考え方
REは、現実主義(社会世界を現実とみなす哲学的視点)に基づいています。したがって、文化、階級、経済システムなど、観察不可能な実体やプロセスが、治療の成功に現実的な影響を及ぼす可能性を考えます。家族、学校、経済システムなどの社会システムには、人、資源、情報の流れというダイナミックな動きがあります。これらの社会システムは相互に影響し合うため、現実には必ずしも境界が存在しなくても、評価のためにシステムの境界を定義する必要があります。これらは他の社会システムと相互作用する可能性があるため、因果関係は単純な直線的プロセスでは描けないことが多いです。

どのような場合にREを用いるのが適切か?
REは、地域社会に根ざした公衆衛生プログラムなど、幅広い学習の可能性があるものなど「複雑な介入」を評価するのに適している。しかし、混合的な結果をもたらす治療を評価する際に「どのように、なぜ、どこで、どのように」治療が機能するのかがすでに理解されている場合、治療が単純で、万能なものである場合、介入による正味の効果だけが注目される場合などには適さない。


参照
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1004663/Brief_introduction_to_realist_evaluation.pdf
posted by ヤス at 07:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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