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2015年01月06日

催眠の定義とその効果

アメリカ心理学会の実行委員会のディビジョン30、心理的催眠委員会は2002〜2003年の間に最新の催眠の定義を発表しました。

「催眠とは、通常、導入部分から始まり、介入部分でクライアントは、創造的な体験につながる暗示が述べられることを伝えられ知覚、感覚、感情、思考、または行動の変化といったクライアントの主観的体験に変化をもたらすもの、とされています。また、クライアントが催眠暗示に反応しているのであれば、催眠が起きていると考える」とされています。


「催眠」と聞くと多くの人が怖いとか誤解を持っていますがこれまでの研究では催眠が人のメンタルヘルスにおいて非常に有効な術だと明かされています。

例えば、認知行動療法の追加的な手段としてキーシュ、モントゴメリー、サパーステイン(Kirsch, Montgomery, Saperstein)が1995年調べたところによると催眠を加えることで、催眠を使わない場合と比べてクライアントの求める症状に対して少なくとも70%のプラス効果をもたらしたと書かれています。

どういった症状に対して催眠が有効か、具体的なものを挙げるとうつ病(Yapko, 1993)、喫煙(Barabasz, Baer, Sheehan, & Barabasz, 1986)、摂食障害(Barabasz, 1990; Nash & Baker, 1993)、幼少時代の性的虐待(Rhue & Lynn, 1993)、心的外傷後ストレス障害(Spiegel, 1993)、痛みマネジメント(Chavez, 1993; Smith, Barabasz, & Barabasz, 1996)、レイプ(Smith, 1993)、脱毛狂(Barabasz, 1987)、そして恐怖症(Crawford & Barabasz, 1993)などがあります。

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リゲット(Liggett)は「催眠の特徴であるリラクゼーション、集中、暗示などを使うことによって選手が最高のパフォーマンスをするのに必要である。技術力、意志、集中力、自信などをサポートすることで催眠はメンタルトレーニングを大きく強化できる」と述べています。

催眠の研究記事を読んでいくと催眠は筋力やその持久性の強弱化(Howard & Reardon, 1986; Ito, 1979)であったり、痛みをやわらげてくれたり(Barabasz, & Barabasz, 1989; Freeman, Barabasz, Barabasz, & Warner, 2000; Smith, Barabasz, & Barabasz, 1996)緊張、興奮、リラックスの最適化(Krenz, 1984; Wojcikiewicz & Orlick, 1987),集中力アップ(Robazza & Bortoli, 1994, 1995; Schreiber, 1991)、自信向上 (Liggett, 2000)、また年齢後退を使って、スキル向上のための記憶再生をしたり過去のエラーを振り返って分析する(Onestak, 1991; Wolberg as cited in Taylor et al., 1993)といったことに役立っていると書かれています。


参照
THE EFFECTS OF HYPNOSIS ON FLOW AND IN THE PERFORMANCE. ENHANCEMENT OF BASKETBALL SKILLS. By. BRIAN L. VASQUEZ
posted by ヤス at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 催眠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月04日

自発的催眠は現在の定義には含まれていない

アメリカ心理学会が定めた催眠の定義では日常的に起きている催眠が含まれていません

この定義では「クライアントが想像的な経験が支持されるという暗示を受ける」ということや「催眠を使っている時、クライアントは主観的な体験や知覚を変化させるための暗示に反応するように催眠療法家によって誘導されている」などといったことが強調されています。従って、催眠という現象は社会的な影響(自分以外の誰かとの関係性)で起きるものだと仮定されています。

日常的に経験される催眠を自発的催眠と言います。これはハーバードメディカルスクールのミュリン(Mullin)によって1958年に提唱された現象です。

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そしてその同僚だったジルとブレンマン(Gill, Brenman)が翌年の1959年に催眠に関する古典的な論文"催眠と関連する状態(Hypnosis and Related States)"という論文を出版します。

ジョセフィン・ヒルガード(Josephine Hilgard)が1979年に書いた本の中では「自発性催眠や、催眠が可能な人がいかに日常生活で催眠を体験しているか」ということに関して書かれていました。その後、デイヴィッド・スピーゲル(David Spiegel)たちによって「催眠のトランス状態とは日常生活の起きている状態の延長線上にある」ということが明かされました。

スピーゲルらいわく「催眠のトランス状態とは一度に一つの感覚に最大限集中するという集中状態だ」と定義されました。

2005年、スピーゲルが「人間の心/脳/体に関わる現象を理解するには複数レベルでの説明が必要である。なぜなら、人間は外部の出来事を心の面での理解と現象面での理解とで解釈する動物だからである」と述べていました。

次世代の催眠研究者は過去の時代の催眠学会における論議は整理され自発的催眠を新たな定義に含んだものを提唱する必要があるでしょう。


参照
"Wither Spontaneous Hypnosis: A Critical Issue for Practitioners and Researchers" by Arreed Barabasz
posted by ヤス at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 催眠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スポーツでの催眠。イメージングとリラクゼーション

催眠は様々な健康の分野で有効だと証明されてきていますが、スポーツ分野でのパフォーマンス発揮においてはまだ未開です。


ペイツ、メイナード、ウェストバリーが2001年にまとめたものによるとこれは催眠のトレーニングを十分に受けた人がいなかったり、複数のメソッド、戦略、オリエンテーションが混同されていることが挙がるそうです。また、スポーツの領域において体系的に公平にリサーチすることが非常に難しいことも挙げています。

しかしながら、スポーツなどのパフォーマンス発揮において長年に渡って催眠や催眠みたいなテクニックが使われてきたのも事実です。中でも特にイメージングやリラクゼーションはスポーツ心理学者がアスリートに対して施してきた最も人気のあるテクニックだと言えます。

多くのスポーツ心理学者や研究者がイメージングとリラクゼーションが合わさって使われると非常にパフォーマンス発揮によい影響をすると同意しています。

イメージングとリラクゼーション、これは催眠だと言えます。

また、ベストなパフォーマンスをした選手が後に自分のプレーについて話すときそこでは催眠に似た症状を述べることが多いです。

こういった共通点に気づいた心理学者や研究者たちがスポーツの分野での催眠活用について研究や実践を始めていきました。


参照
Hypnotherapeutic Techniques: Second Edition
posted by ヤス at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 催眠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月06日

催眠の3レベル・運動、感覚、記憶支配

僕が最も効果的だと思う心理介入法が催眠療法です。催眠療法をする際に、催眠の深さが大事になります。これが深い程、もたらす変化は大きくなります。そして、催眠の深さは大きく三つに分けられます。

浅いものが、運動支配。これは、手が動かなかったり、歩けなかったり、声が出なかったりすること。

中くらいのものが、感覚支配。これは、タバコがすえなくなったり、酒が飲めなくなったり、おいしいと思うものをまずく感じさせることができます。

そして、深いものが、記憶支配。前世に戻ったような感覚がしたり、人格が変わったりします。またトラウマをなくしたりするのもこの段階です。

クライアントの症状によってどの程度の深さが必要か使い分けることが重要です。

催眠に興味がある方は以下がオススメです。
催眠療法の教科書―ヒプノセラピーによる本当の「心の治し方」
スーパー・ベーシック催眠導入 ―カリスマが教える本物の技術
[DVD-ROM] 映像で学ぶ催眠術講座 催眠術のかけ方 (<DVD>)
コミュニケーションのための催眠誘導 「何となく」が行動を左右する (知恵の森文庫)



posted by ヤス at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 催眠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月09日

プロゴルファーに催眠を使いパフォーマンスアップ

イギリスの研究者ジョン・ペイツ(John Pates)教授がプロゴルファーに対して催眠のもたらす効果を計測しました。効果については「フロー状態をどれだけ誘発できたか」また「ゴルフのスコアはどうなったか」という指標を使い、シニア・ヨーロピアン・ツアーの11大会において計測しました。

パフォーマンスとフロー状態はシングル・サブジェクト・デザインを使って、また参加者の内的な経験を知るためにアンケートも用意しました。

ここでフロー状態を測るのは、これまでペイツがした催眠に関する実験の全参加者がフロー状態の増加、そしてパフォーマンス発揮の向上を感じていたからです。

フローに興味がある方は以下の本がオススメです。
フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)
スポーツの至高体験(ピークエクスペリエンス・ゾーン・フロー)
フロー体験入門―楽しみと創造の心理学

催眠は3部構成です。

1つ目がリラクゼーション。参加者は15分間、体の各部分を緊張させてから、緩めます(段階的筋弛緩法)。また同時に、リラックスできる環境をイメージさせ、更にリラクゼーションを促します。

2つ目は催眠を深める。これは催眠の大家、ミルトン・エリクソンのテクニックである階段誘導を使います。

3つ目がアンカリング。選手がベストプレーをした経験と何らかの五感情報を結び付けます。そして、今後自分がほしい時にベストプレーの状態がまた得ることができると暗示して、最後は階段を上がるイメージで、元の状態に戻ってきます。

参加者はこの催眠セッション(およそ40分)を受け、その後、この録音したものを毎日、一週間にかけて聞きます。これを第8大会と第9大会の間に受け、その前後でプレーの違いを観察します。

その結果どうなったか。

催眠を受ける前はスコア平均が72.8だったのに対し、催眠後は68.6と向上。またフロースコアも119.3から151.6と大きな向上を見せました。

またこの選手の実験後の話を聞いても「より今に集中できるようになった」「また悪いショットがあっても、それがベストな状態につながっていると感じれたり、自分を第三者視点で見ているような感じがした」などの感想が聞けたそうです。

参加者は実験に非常に満足し、その3週間後、初めてヨーロピアン・シニアの大会で優勝したそうです。

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催眠に興味がある方は以下がオススメです。
コミュニケーションのための催眠誘導 「何となく」が行動を左右する (知恵の森文庫)
催眠恋愛術
映像で学ぶ催眠術講座 催眠術のかけ方 (<DVD>)
誰でもすぐできる 催眠術の教科書 (光文社新書)





参照
"The Effects of Hypnosis on an Elite Senior European Tour Golfer: A Single-Subject Design"
posted by ヤス at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 催眠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする