2014年03月12日

3−3.出来事をどう解釈するか

成功者は、常に豊かな状態にアクセスすることができる。これこそが成功者とそうでない者の違いではないだろうか?

W.ミッチェルを思い出して欲しい。大事なことは彼に起きたことではなかった。大事なことは彼が起きた出来事を解釈した方法だった

全身に火傷を負い麻痺させられる代わりに、彼は自分を豊かな状態に置く方法を見つけた。ポイントはどんな出来事も元から「良い」「悪い」があるのではない価値とは私たちが事をどのように解釈するかである。自分をポジティブな状態に置くように解釈することもできるし、反対も可能である。今少し時間を取ってあなたが最も力強い状態だった時を思い出して欲しい。

そして、それこそが私たちが火渡りでしていることだ。もし私が今あなたにこの本を置いて、赤く燃える高温の炭の上を歩くよう頼んで、あなたが立ち上がってするかというと疑問だ。

それはあなたができると信じているものでもないし、あなたはその課題に対して、自分の豊かな状態や気持ちを連想付けていないかもしれない。よって、私が火渡りをしようとあなたに言った時、あなたは行動を取る状態にはならないと思う。

火渡りが私たちに教えてくれるのは、いかにして私たちは良い結果を生むような状態に入り、それによって新たな行動を作り出せるかという事だ。

火渡りをしている人は、そんなことは無理だと思ってセミナーに来た時の彼らと何ら変わりはない。しかし彼らは体の使い方を変える方法を学び、そして何が可能で不可能かについての解釈を変える方法を学んだので、 火渡りが「恐ろしいもの」から「できるもの」へと変えられたのだ。

そして今や、彼らは最も豊かな状態へ自分を置くことができ、その状態から以前は「不可能」とラベル付けていたたくさんの行動や結果を出すことができるようになった。

火渡りは新しい解釈の可能性を拓くのに役立つ。もし、この絶対不可能と思える事が実は彼らの心の中のみで作られた限界だと知れば、その他の不可能だと思っていることも可能かもしれないと思える。

これは状態の力を示す事例である。信念と可能性について新たなモデルを提供し、「人間」(またはその可能性)というものについて新たな内的感情と状態の連想を作る。その連想はあなたの人生を豊かにするもので、以前に可能であると思っていたこと以上のものを可能にしてくれる。

このことは、行動とはその瞬間の状態の結果であり、解釈を少し変えるだけで、自信満々になり、効果的な行動を取ることができるということを明らかに示している。火渡りはそれを証明するドラマチックで楽しい方法の一つで、かつ人々の心にずっと残る行動である。

つまり、望む結果を出すための鍵は、豊かな状態に自分を導くように物事を解釈すること。それによりあなたは力づけられ、望む結果を起こすための質の高い行動を取るようになる。

解釈のコントロールに失敗することは、ゴールへ挑戦することにさえ失敗することを意味し、そんな弱々しい挑戦はそれ相応の結果を生む。

私があなたに「火渡りをしよう」と言うとき、言葉とジェスチャーなど、私があなたに与える刺激はあなたの脳へ渡り、そこであなたの解釈が生まれる。そこでもしあなたが、「鼻輪をした人たちが恐ろしい儀式を行っている」とか「人間が火にさらされている」などと想像すると、あなたは火渡りをするにふさわしい状態にはいられないだろう。更にもしそこで自分が燃えている状態を想像すると、状態は更に悪化するだろう。

しかしながら、もし周りの人々が拍手をし、踊っていてあなたを応援しているところを想像したり、非常に楽しくワクワクした場面を想像すると、あなたは大変違った状態になるだろう。

もしあなたが健康で陽気に歩いている場面を想像し「もちろん、これは可能だ」と言いながら、自信満々であるかのように体を動かすと、あなたの神経サインがあなたを最も行動的、つまり歩かせるような状態に置いてくれる。

これは人生の全てに当てはまることだ。もしあなたが物事はうまくいかないだろうと解釈すると、それらはうまくいかないだろう。逆にうまくいくと思っていると、ポジティブな結果へ導く状態に向かっていく。

テッド・ターナーやリー・アイアコッカ、そして、W.ミッチェルらとその他の人の違いは、前者は世界とは自分が最も望む結果を出すことができる場所だと解釈していることである。もちろん、最高の状態にいるからといって望む結果が必ず出るとは限らない。しかし、最適な状態でいれば、あなたの全資質を有効に使え、最大限可能なチャンスを生み出すことができる


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3−2.状態管理の鍵

状態を操作し、望む結果を出す最初の鍵は効果的に脳を働かせる方法を学ぶことだ。これをするために、私たちはこれがいかに作用するかを理解しないといけない。

まず、何が状態を作るのかを理解しなければならない。何世紀にも渡り人間は状態と経験を変える方法に魅了されてきた。そして、断食、ドラッグ、儀式、音楽、セックス、食事、催眠、勤行など多くを試してきた。これらのものは全て使い道と限界があった。しかし、 今あなたはこれらと同様に力強く、より手短で正確、簡単な方法を学ぼうとしている。

状態の結果が行動であり、豊かな状態の時と貧しい状態の時とでは異なるコミュニケーションが行われ、異なる行動が生まれる。

それでは次の問いは「何が状態を作るか?」という事。状態を作る大きく2つの要素がある。第一が私たちの解釈。第二が体の使い方と条件付けである。

その場の状況について、何をどう見るか、また自分自身に何をどう言うかは状態を作り、よって行動を作る。例えばもしあなたの夫(もしくは妻、彼女、彼氏)がいつもより遅く帰宅したらどう反応するだろうか?

あなたの行動は夫が帰宅した時のあなたの状態と大きく関係し、あなたの状態は心の中で「夫が遅れて帰る」理由が意味するものと大いに関わっているだろう。

もしあなたが、夫が事故に遭って死にそうに流血し、病院へ運ばれる事を想像していたら、夫が帰った時、涙を流して安心のため息をつき、彼に抱きつき何が起きたのかを尋ねるかもしれない。

しかし、夫が帰宅しないのは自分の時間と気持ちを全く気にしていないからだとあなたが解釈していたら、あなたの状態から生まれる感覚は異なっているだろう。怒りや切ない気持ちから全く新しい行動が現れる。

では次に考えるのは「同じ現象に対し、ある人が心配という状態を作る一方で、ある人は不審を抱き怒る状態を作るよう現象を解釈する。これはなぜ起きるのだろうか?」ということ。

それには多くの要素が絡み合っている。親の行動をモデリングしたのかもしれないし経験からかもしれない。例えば、あなたが子供の頃、お母さんがお父さんの帰宅が遅い事を大変心配していたら、あなたもそのように反応するかもしれない。

お母さんがどれだけお父さんが信用ならないかを話していたら、あなたはそれをモデリングしたかもしれない。つまり、私たちの信念、態度、価値観そして特定の人との過去の経験これら全てが私たちの行動についての解釈に影響する。

私たちが世界をどのように理解し、解釈するかについてより重要で影響力のある要素がある。それは私たちの体の使い方とそのパターンである。

筋肉の緊張感、何を食べるか、どのように息をするか、どんな姿勢でいるかなどといったことから、生化学的な機能全般のレベルまで全てが状態に影響する。解釈と体の使い方はサイバネティック・ループ(人工頭脳額的な輪)内で共に機能する。つまり、何かに影響すると、影響した方も何らかの影響を受けるという事。

状態を変化させる事は、解釈と体の使い方を変える事を意味する。あなたの恋人や伴侶の帰宅が遅れている時に、あなたが豊かな状態にあれば、あなたはその人が渋滞に巻き込まれているか、家に今向かっている途中だと解釈する。

しかし、もしあなたが緊張していたり、極端に疲れていたり、体に痛みや低血圧などを感じていると、あなたは出来事をネガティブな気持ちが増大するように解釈するかもしれない。

考えてみて欲しい。あなたが肉体的に元気で活発な時、疲れている時とは違うように、世界が見えるだろう。あなたが物事を難しく感じたり、腹立たしく感じるとあなたの体もそれに従って緊張したりするだろう。よって、この2つの要素、解釈と体の動きは状態作りにおいて相互に作用している

そして私たちのいる状態が、私たちの取る行動を決める。従って、行動をコントロールしたければ、状態をコントロールしなければならない。状態をコントロールするには、解釈と体の使い方をコントロールしないといけない。状態をいつでも100%コントロールできている自分を想像してみてほしい。

そして私たちが経験する事柄を考える前に、まず人間がいかに物事を経験していくかを理解していきたい。哺乳類として、人間は周りの環境についての情報を特別な感覚器官から集めている。私たちには5つの感覚器官がある。味覚、嗅覚、視覚、聴覚、そして触覚。主に行動を決定をする際、視覚、聴覚、触覚の3つがメインとなる。

この3つの特別な感覚器官は外的刺激を脳へ送る。そして、一般化、歪曲、削除などのプロセスを経て、脳はこれらの電気サインを受け取り、解釈へとそれをろ過していく。

従ってあなたの解釈やあなたの体験は、正しくは出来事ではなく、むしろ独自に解釈された内的再表現である。意識レベルでは入ってくる全ての情報を処理することはできない。もし全ての情報(血脈から耳の鼓膜の振動まで全ての外的な刺激)を処理しようとすると、気が狂ってしまうだろう。

従って脳は、すぐに必要な情報や後ほど要るだろう情報をろ過し、保存する。残りの情報は、意識的な脳により無視される。

このろ過プロセスが人間が持つ感覚の広さを裏付けている。2人の人が同じ交通事故を見ても、全く異なる理解をする。一人は見るものにもっと注意を払い、もう一人は聞くものに注意を払うかもしれない。彼らは異なる角度から同じ出来事を認知しているのだ。

異なる体の使い方(生理学) で、感知するプロセスを始めている。一人の方が2.0の視力を持ち、他方は総じて乏しい生理学的能力しか持ち合わせていないかもしれない。一人は既に事故に遭ったことがあり事故についての鮮明な解釈を持っているかもしれない。

いずれにせよ、2人は同じ事柄に対して全く違う解釈をするのである。そしてその感覚と解釈を保存し、新しいフィルターとして未来の経験を形作るのである。

NLPで使われている大切なコンセプトがある。「われわれが認識・記憶している世界は地図にすぎない」ということ。アルフレッド・コージブスキーが著書”Selections from Science and Sanity”で記したように、「地図の重要性は書かれてあるということ。地図はそれが示す実際の領域ではない。しかし正確で領域と同じ構造をしていれば、地図は役に立つ」。

ある人が出来事に意味を付けるとき、その人の解釈は出来事を正確に表現したものではない。それは何か具体的で、個人的な信念、態度、価値観、そしてメタプログラムと呼ばれるものを通して解釈されたものに過ぎない。

おそらくこれが、アインシュタインが「真理と知識の裁判官として自らを高みに置くものは、神々の嘲笑により挫折させられる」とかつて語った理由だろう。

つまり私たちは物事が本当に何なのかを理解していないのである。それならばなぜそれらをネガティブに使ってしまい、自分や他人を幸せにしていくように使わないのか?

これをうまくやるにはメモリー・マネジメントをしなければならない。個人を最も力づける状態を常に作る解釈の創造である。

どんな経験の中にもあなたは、たくさんの事に焦点を合わせることができる。最も成功している人でも、事がうまくいかず、落胆やフラストレー ション、怒りの状態になることも可能である。反対に、どん底にある人が人生でうまくいっている全てのものに焦点を当てることも可能だ。どれだけ状況が悪くても、あなたは目の前の出来事を自分にプラスになるように解釈する事ができる



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3−1.状態の力

「“良い”“悪い”を作るのは心である。そしてそれが“惨め”“幸せ”、“豊か”“貧しい”をも作る。」

ーエドマンド・スペンサー


ノッている状態、絶対に失敗し得ない状態になったことはあるだろうか?全てがうまくいくように見える時。例えば、テニスでショットが全てライン上を突いたり、ビジネス上の会議で全ての質問に正確に答えた時。また、あなたが思っても見ないような英雄的、ドラマチックなことを成した時。

また反対の経験もあるはずだ。何事もうまくいかない日。普段は簡単に出来る事が出来ない時。全てのステップが間違っていて、全てのドアが塞がれていて、全ての試みが実らない時。

何が違うのか?あなたはあなた、同じ人間だ。あなたは内に同じ資質を持っている。ではなぜ、ある時はつまらない結果を出し、次にはすばらしい結果を出すのか?

最高のアスリートでさえ、なぜ全てがうまくいく時もあり、一方でシングルヒット1 本が打てない時があるのか?

その違いはあなたがいる神経生理学の状態によるものである。

物事が可能になる状態がある。自信、愛、内なる強さ、喜び、有頂天、信念。これらは人間力というすばらしい泉への切符となる。

逆の状態もある。混乱、落胆、恐怖、心配、悲しみ、フラスト レーション。これらは私たちを無力にする。私たちは皆、よい状態、悪い状態を出入りする。レストランのウェイトレスに無愛想に話しかけられたことがあると思う。あなたは彼女がいつもそういう風に話していると思うだろうか?非常に辛い人生を送り、常にそうである可能性も無くはない。しかし、もっと可能性があるのは彼女はその日たくさんのテーブルを担当して疲れていたのかもしれないし、客に文句を付けられたのかもしれない。彼女は悪い人ではない。ただ、ひどく好ましくない状態にいただけだ。彼女の状態を変えれば、彼女の行動や振る舞いを変えられる。

状態を理解することは変化と卓越した結果を出すのに大変重要である。私たちの行動は私たちの状態の結果である。私たちは常に、持っている資質で最善を尽くしているが、時々好ましくない状態にいることがある。

私はこれまで、ある状態にいて後から後悔したり、恥ずかしく思ったりすることがあった。あなたもあると思う。誰かがあなたに無礼に接した時は、それを覚えておくことが大切だ。すると、あなたは「怒り」の変わりに「思いやり」の感覚を作ることができる

すると、互いに思いやる状況になる。重要なのは、ウェイトレス、またその他の人々は、彼らの行動ではないということだ。もしあなたが指を鳴らすと自動的に、豊かな状態(例えば、ワクワクだったり、やる気があったり、 体にエネルギーがみなぎっていたり、心が躍っている状態)になれると知ったらどうだろう?

そう、それが可能なのである。

この文章を読み終わる時、あなたは自分の意思で、自らを無力な状態からでも、最も豊かで元気がある状態へ持っていく事ができる。重要なのは、行動こそが力を生み出す鍵だということ。

私の目標は、断固とした一貫性のある行動へ導く状態の使い方をあなたとシェアする事だ。この部では「状態とは何か」、そして「状態がどのように作用するか」「なぜ、状態が私たちに有効になるようコントロールできるのか」を学ぶ。

状態とは私たちの内で起きている何百万の神経学プロセスの合計だと定義される。つまりその瞬間瞬間の経験の合計である。

状態の多くは意図しないところで作られている。私たち何か物事を見て、特定の状態に入る事によってその物事に反応する。それは豊かな状態であったり、貧しい状態であったりするが、私たちの多くはそれをコントロールしていない。

成功者とそうでない者の違いは、望みを達成させるために好ましい状態に常に自分を置けるか置けないかである。

人が求めるほとんど全てのものが何らかの状態である

あなたが人生で欲しいもののリストを書いてみよう。あなたは愛がほしいだろうか?愛とは状態である。気持ち、感情であり、私たちは究極は、自分自身でそういった状態を作る。環境から受けるある刺激に基づき内面的にそれを感じる。

自信がほしいだろうか?尊敬がほしいだろうか?それらは全て私たちが内面的に作るものである。ある人はお金が欲しいかもしれない。しかし、そういう人は歴史上の人物が載った紙切れに興味があるのではないと思う。お金が意味するものを求めているのだ。

愛、自信、自由、その他お金が提供してくれると思っているもの。つまり、愛への鍵、喜びへの鍵、人間が何年もかけて求めていたもの(人生をコントロールする能力)への鍵は、状態を管理する方法を知る能力なのである。




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2−4.世界一のモデラーは日本人

世界で最も優れたモデラーは日本人である。日本の奇跡的な高度成長の裏には何があったか?輝かしい革命か?そういう部分もあっただろう。

しかしながら、過去30〜40年間の産業史を見ると、世界で創出された数少ない新製品、新技術のうち、多くが日本から来ていることがわかるだろう。日本人はアメリカのアイデアや製品を見て、それらを繊細にモデリングし、優れた部分を維持し、そして残りの部分を改良したのだ。

多くの人が世界で最も金持ちなのはアドナン・カショギだと思っている。彼はどのようにしてそうなったのか?単純である。彼は経済的に名声のある人たち、ロックフェラーやモルガン家などをモデリングしたのだ。

彼はそういった人たちについて全ての本を読み、信念を研究し、彼らの戦略をモデリングした。

なぜW.ミッチェルは人間の限界まで打ち砕かれたにもかかわらず、生き残るだけではなく、繁栄することができたのか?

彼が入院中、彼の友人が大きな障害を乗り越える人の話を彼に読んで聞かせていたのだ。彼は可能性への強い信念を築き、そのポジティブな信念は彼のネガティブな経験に勝るものだった。

成功する人とそうでない人を分けるのは、彼らが何を持っているかという問題ではない。それよりも彼らが持っている資質と人生経験で何を見ようとするか、どう行動しようとするかである。

同じようなモデリングの過程によって、私は自分自身と他人においても即効の結果を生むことができ始めた。その後も私は短時間でずば抜けた結果を出すための考えと行動のパターンを探し続けた。

これらの総称を「最高の結果を出す技術」とした。この戦略がここでのメインメッセージとなる。

しかし言っておきたい。私のあなたに対するゴールは、紹介するパターンをあなたがマスターするというだけではない。あなたがしなければいけない事はあなた独自のパターンを開発し、独自の戦略を開発する事である。

グリンダーは私に教えてくれた。「何もかも信じすぎるな。どんなことでも必ずそれがうまくいかない場所がある。NLPは単なるツールである」と。

あなたはそれによってアプローチや戦略を改善したり、また評価システムを改善したりする事ができる。全ての状況で有効な戦略などは無い。

モデリングは何も新しいものではない。全ての偉大な発明家は新しい案を生み出すのに他人の発見を利用する。全ての子供は自分の周りの世界をモデリングしている。

しかし問題は、多くの人が無計画に何も気づかずにモデリングをしているということ。ランダムな人から、ランダムな部分を抜き出し、最も重要な部分を逃してしまっている事も多々ある。

一方で良いものをモデリングし、他方で悪いものをモデリングする。私たちは尊敬する人をモデルしようとするが、私たちはその人が具体的にどのように物事をしているのかについてはあまりわかっていない。


「チャンスのために準備をすることは、“運”と呼ばれる子孫を産むことだ」

ーアンソニー・ ロビンズ



これを読んで、より正確性のある意識的なモデリングをしようと思ってほしい。あなたが人生で常にしている事に気づき、改良するチャンスだ思ってほしい。

あなたの周りには驚くべき資質と戦略がある。私があなたにしてほしいのは、モデラーのように考え、常にずば抜けた結果を出す行動のパターンと種類に気づくことである。

もし誰かがずば抜けた結果を出したら、あなたの心に瞬時に現れるべき質問は「この人はいかにしてこの結果を出したのか?」である。あなたが卓越した結果、奇跡を求め続け、そしてそれがいかにして生み出されたのかを見つけて欲しい。そうすればあなたは同じ結果を出すことができる。

次に私たちが学ぶ事は「変わりゆく人生の中で、何が私たちの反応を決めるのか」である。


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2−3.卓越した結果をモデリング

世界を揺るがす人はしばしばモデリングのプロである。つまり他人の経験から学んだり、学べる全ての事柄を学ぶ技術を身につけた人である。

彼らは、誰もが充分に持っていないものの節約法を知っている。充分に持っていないもの、つまり、時間のことである。

実際、ニューヨークタイムズのトップ10のリストを見ると、必ず何かをより効果的に行う方法についての本がある。ドラッカーの”Innovation and Entrepreneurship”(訳本『イノベーションと企業家精神』)では、どのように優れた起業家や革命家になるかが書かれてある。革命は特別で、そして慎重なプロセスによってなされると明記してある。

起業家になるために、奇跡的で不思議なことを起こす必要はない。遺伝的なものでもない。そこには一定の法則がった。こういったもの、どこかで聞いた言葉ではないだろうか?

ドラッカーは自らのモデリングのスキルを生かし、現代のビジネス実業家を見続けた。

ケネス・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンの書いた”The One Minute Manager”(訳本『1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!』)はコミュニケーションのモデリングで、効果的かつシンプルなマネジメント法について書かれてある。

トーム・ピーターズとロバート・ウォーターマン Jr.が 書いた”In Search of Excellence”(訳本『エクセレント・カンパニー』)は明らかにアメリカの成功企業のモデリングの本である。

リチャード・バックの”The Bridge Across Forever”(訳本『翼にのったソウルメイト』)は人間関係を新しい観点で捉えさせてくれる。

他にもたくさんある。この今読んでいる文章もそうである。読者全員がずば抜けた結果を出せるように、いかに心を、体を、そして他人とのコミュニケーションをコントロールしていくのか、 一連のモデルについて書かれている。

しかし、私(アンソニー)のゴールはあなたたちがこのようなことを学ぶというだけではない。その上を行ってもらいたい。あなた独自のモデルを作っていただくということである。

犬の振る舞いや行動を改善するようを教えられるように、人間にも同じことができる。しかし、私があなたに学んで欲しいのは、その過程、構造、そして法則である。そうすれば、あなたはどこでも卓越した結果を複製することができる

私はあなたに最も効果のあるNLPを紹介したい。しかしながら、あなたにはNLP学習者以上になっていただきたい。モデラーになってほしい。

卓越した結果を理解し、それを自らも起こす。常に行き詰らず、最高の結果を出す技術を追い求め、どれか一つのパターンやシステムに没頭し、自分が求める結果を出す新しく効果的な方法を探し続けて欲しい。

卓越した結果を生み出すために、あなたは探偵や調査員になるべきだ。「何が卓越した結 果を生み出すか」について多くの問いを投げかけ、全ての答えを突き詰める。

以前私はアメリカ軍の最高の射撃家に、より良く撃つ方法を教えたことがある。空手家が何を思い、何をするかを観察し、空手家のスキルを学んだこともある。また、オリンピック選手やプロのアスリートのパフォーマンスを改善したこともある。

私はそういった事をいかに成し遂げたか。それは、彼らが最も偉大な結果を出した時、彼らが何をしたのかを正確に思い出させ、それをモデリングさせ、その後、いつでも望む時にその状態になれる方法を教えたのだ。

他人の成功から学んでいくのは、多くの学習において基本的な一面だと言える。技術の世界で言えば、工学やコンピュータデザインでの全ての進歩は、昔の発見やひらめきからもたらされた。ビジネス界では、過去から学ばず、最新の情報を扱わない会社は滅びる

しかし人間の行動の世界というのは、昔からの理論と情報で操作され続けている数少ない分野である。私たちの多くはまだ、脳をどう動かすか、そしてどう行動するかにおいて19世紀モデルを使っている。

「落胆」というラベルを頭の中である出来事に貼ると、何が起きるか?私たちは落胆する。これは事実なのだが、それら「落胆」などの言葉は自己予言となるのだ。

私はここで、あなたが望む質の高い人生を創造するための、簡単に習得できる技術を教えたいと思っている。

バンドラーとグリンダーは卓越した結果を複製するには3つの基礎的な原料が要ると言う。それらはあなたが生む結果と最も直接的に影響する、脳と体の動きに関する3つの要素である。それらは最高の宴会場へと通ずる3つのドアだ思ってほしい。

最初のドアはその人の信念システム(信念の構造)である。その人が何が可能で、何が不可能であると信じている事は、たいていの場合、その人が本当にできること、できないことを決定する。

古くこういう言葉があった。「あなたが可能であると信じれば、できる。そして、あなたが不可能だと信じても、あなたはそれに沿う答えを得るだろう」。

あなたが不可能だと信じると、神経システムに実現力を下げるメッセージを送ることになる。反対に、神経システムに可能だというメッセージを送り続けると、望みを実現するよう脳に信号が行き届き、それを可能にするドアが開く。つまり、ある人の信念システムをモデルすると、その人のように行動するようになり、同じような結果に辿り着ける。信念について後に詳しく書いていく。

第二のドアは、考える順番(メンタルシンタックス)である。電話番号が7桁だとすると、それらを順番通りに押さないと思った相手に電話をかけられない。同じことは脳と神経システムについても言える。

決まった順番通りに信号を送るから、望んでいる結果を最も効率よく得る事ができる。コミュニケーションにおいても同じである。多くの人がうまくコミュニケーションを取れない理由は彼らが違うコードを持っていて、違う順番を持っているからだ。

コードを解読し、最高の質をモデリングするにはこの第二のドアを通らなければならない。考える順番についても後に詳しく書いていく。

第三のドアは体の使い方。心と体は大きく関係している。体の使い方、つまり呼吸、姿勢、表情、その他の動きは実のところあなたの状態を左右する。そして、状態があなたが取りうる行動の選択肢を決める。体の使い方について、詳しくは後述する。

実際のところ、私たちは常にモデリングをしている。子供が話す事を覚えるのもそうだし、スポーツでも若手選手が先輩の選手から技術を学ぶのもそうだし、ビジネスでもそういった事は多々ある。

ビジネス界でのシンプルなモデリングの例を挙げると、多くのお金を生み出す一つの方法は、「ラグ」と私が呼ぶもの。もしデトロイトでチョコレートチップが売れたのなら、同じことはダラスでも起きる。

多くのビジネスマンが成功するためにすることは、ある場所でうまくいき、ラグが切れてしまうまでに、それがどの場所でもうまくいくものを見つけることである。結果を出したシステムを他で複製したり、改善して複製することである。これをする人は成功を収めている。



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