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2016年09月04日

ショーフェリ教授のワーク・エンゲイジメントに関する講義4

エンゲイジメントに関するその他の関係性を見ていくと、学力、顧客が感じたサービスの質(スペイン)、マネージャーからの仕事評価、革新性と正の関係、そして、医療ミス(オランダ)、職業上のケガと負の関係性がありました。エンゲイジメントはパフォーマンスに影響すると言えます。


エンゲイジメントを理解するのに大切ないくつかのモデルをご紹介します。

仕事が要するものと仕事をするための資源のモデル(Job demands resources model)スライド

仕事が要するものが高すぎたり、仕事をするための資源が少なすぎるとバーンアウトになります。しかし、資源がきちんとあれば従業員はエンゲイジすることができます。各社において何がバーンアウトに最も大きく影響していて、何がエンゲイジメントに影響しているのかを分析するのに有効です。


またエンゲイジメントを動的に見てみると、次のような流れを描くことができます。
仕事をするための資源 → 自己効力感 → ワークエンゲイジメント → パフォーマンス

そして、パフォーマンスが高いと、後ろの3つの要素を更に増強させるというプラスのスパイラルが生まれます。自己効力感との関係性は非常に大事です。

そして、グループとエンゲイジメントで考えると、感情の伝染があります。例えば、学校での実験で教師がエンゲイジしていると生徒もそうなります。また、カップルでもエンゲイジメントは伝染します。仕事でももちろんそうです。自分のエンゲイジメントから他人のエンゲイジメントに影響するような人は、社会的比較、共感、他人との距離が近い、他人と触れ合う頻度が高いことが要素としてあるそうです。


つまりまとめると、ワーク・エンゲイジメントは仕事をするための資源、個人の資源、そして、組織が得る結果に関係している。そして、プラスのスパイラルを作れる可能性がある。伝染する可能性があると言えそうです。

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ショーフェリ教授のワーク・エンゲイジメントに関する講義3

オランダでの研究ですが、ワーク・エンゲイジメントと人口統計学を見てみると、弱いですが年齢と正の相関関係がありました。つまり年齢が高いほどエンゲイジメントも高い。しかし、性別とは関係がありませんでした。そして、職との関係性もありました。


エンゲイジメントが高い人の多かった職は、起業家、教師、マネジャー、アーティスト、営業パーソン、看護師。低い職の多かった職は、ブルーカラー(食品、印刷)、警察官、ホームケアのスタッフ、小売業者。

国別に見てみると、数々の国の中で日本は顕著にエンゲイジメントが低いと出ています。和を大事にする日本社会では、ポジティブな感情を発揮しすぎると和を乱すことになるので、それが抑えられているのではないかと考えられています。

ではエンゲイジメントは何に影響されるのか。調べてみると、職場での自立度、社会的なサポートやコーチング、パフォーマンスへのフィードバック、能力開発の機会、与えられる仕事の多様性、責任、変革的なリーダーシップ、価値観の合致、組織の正義度に影響されていると分かりました。

性格もエンゲイジメントに影響します。感情の安定度、外向性、良心的さ、楽観度、(組織内での)自尊心、感情知性が高いほど、エンゲイジメントも高い。彼らの行動パターンを見てみると、彼らは野心的で、率先的に動き、自己効力感を感じ、対応力があり柔軟で、自分を有能だと思っている。

健康を見てみると、エンゲイジメントが高い人は、不安やうつのレベルが低く、肉体的健康もよく、バーンアウトのレベルが低く、よりポジティブな感情を持ち、脳(HPA、視床下部‐下垂体‐副腎系
)の反応もよく、疲れからの回復も速いそうです。


パフォーマンスに関わる数値を見ると、エンゲイジメントが高い人は、自分の役割以外のこともしたり、外的ではなく内的なモチベーションを保ち、イニシアティブや率先した行動を取る傾向が強いそうです。また、欠勤や離職の可能性も低い。そして、仕事でのパフォーマンスも高いというデータが出ました。
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ショーフェリ教授のワーク・エンゲイジメントに関する講義2

ワーク・エンゲイジメントとは、従業員の心の健康度を示す概念のひとつで、仕事に対して「熱意」(仕事に誇りややりがいを感じている)、「没頭」(仕事に夢中になり集中して取り組んでいる)、「活力」(仕事に積極的に取り組んでいる)の三つが揃って充実している心理状態を指します(コトバンクより)。


エンゲイジメントは単に仕事への満足を増やすだけではありません。仕事パフォーマンスとの相関関係を見てみると、エンゲイジメントは満足度よりも強く関連している事が分かりました。どれだけ「しなくてもいいけど、した方が良い仕事(contextual performance)」をするかという数値においてもエンゲイジメントの方が強い関係性を見せました。

エンゲイジメントと仕事中毒は異なります。エンゲイジメントは、仕事にとりつかれていなく、内的なモチベーションから働こうと思います。仕事は楽しいと感じています。しかし、仕事中毒は仕事にとりつかれていて強迫観念があります。仕事をしないとストレスを感じるので働きます。つまり、仕事をしないネガティブな感情を打ち消すために働きます。働かないと罪悪感、不安、うつといったものを感じるので、働く。

従って、愛着理論で言うのであれば、安定した愛着がある人は、エンゲイジをしやすく、不安定な愛着の人は仕事中毒の方に当てはまるケースが多いと言えます。また、エンゲイジメントでは、モチベーションは内的なもので、自主的に統制をします。しかし、仕事中毒では外的に強制された統制をします。

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ショーフェリ教授のワーク・エンゲイジメントに関する講義1

伝統的に心理学はネガティブな症状を見てきました。これらは4Dと言われます。これは職業心理学や組織心理学の世界でも同じことが言えます。

Disease(病気)
Disorder(疾患)
Damage(損傷)
Disability(障害)


(Disease とDisorder の違い)


つまり健康心理学といった分野がありますが、これは基本的には病気心理学だと言えます。

マイヤーズ(Myers)が2000年に数えたところによるとネガティブなものを扱う学術記事とポジティブなものを扱う学術記事との比は17:1だったそうです。


ネガティブ
怒り…8072
不安…57800
うつ…70856

ポジティブ
喜び…851
幸せ…2958
満足…5701


また2011年にPsychLitで調べた別の調査では、バーンアウトとエンゲイジメントに関する記事の比率が32:1だったそうです(3554 : 111)。したがって、ポジティブ心理学はまだまだ開発が必要だと言えます。


伝統的に職業健康心理学の分野では以下のようなものが扱われてきました。

自己、攻撃性、アルコール中毒、反社会的行動、バーンアウト、心臓病、葛藤、差別、薬物乱用、感情の不一致、ハラスメント、無礼な行為、怪我、職確保、モラルハラスメント、筋骨格障害、肥満、PTSD、心体的不満、睡眠障害、仕事中毒、離職率など。

しかしポジティブ職業健康心理学では違ったものを見ていきます。ここでは従業員の健康、十全、そして、機能をいかにベストにするかを科学的に学びます。そして、従業員と組織が繁栄するための要素を発見し、促進することを狙いとします。

これは時代の流れに非常に合っていると言えます。現在、多くの企業は以下のような変化に直面しています。そして、このような変化の中でより大事になってくるのは従業員の心の資本(mental capital)です。

安定から継続的な変化へ
単一文化から多様性へ
早期リタイヤから遅いリタイヤへ
従業員満足から従業員モチベーションへ
縦の階層から水平なネットワークへ
外的な監視から自己コントロールへ
組織への依存から自己責任へ
決まった労働パターンから境界の無い世界へ


このように心の資本がより重要になってきています。だから組織は単に健康な労働力が欲しいのではなく、与えられたこと以上のことをするようなやる気のある労働力を求めています。つまり、エンゲイジメントが高い従業員が求められているのです。

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2016年08月28日

仕事パフォーマンスとポジティブ心理学

ビジネスを長期的に成長させるには、人材開発と人材が健康であることが欠かせません。近年の研究では、ポジティブな感情がより強いモチベーション、仕事での充実感、ストレス対処に有効だと出ています。そこでどうしたら仕事での感情をポジティブにしたり、パフォーマンス発揮できるのか研究をベースにご紹介します。

1.強み、美徳、自己決断
仕事に集中して取り組み、内的なモチベーションがある人は、パフォーマンスも高いと報告されています。自己決断をさせるようなアプローチを取ることで、労働者は自由と自主性を持ち、仕事により集中できます。これによって自分の強みを発見したり、それを使えたりします。フロー状態をより得やすいとも言えます。


2.感情知性
感情知性とは自己や他人の中の感情を特定したり、自分の感情をコントロールする能力のことです。感情知性が高いと、自分や他人の性格を察することができ、よりよく交流することができます。また、ストレスや怒りといった非生産的な感情によく対処でき、楽観性、希望、クリエイティビティーなどといったポジティブな感情を使えるようになります。したがって、モチベーションの維持や潜在能力の発揮につながります。


3.心理的資源とポジティブな組織行動
ポジティブな組織行動に関する研究が、仕事への満足とパフォーマンスに関する4要素として挙げたのが、自己効力感、希望、楽観性、そして、レジリエンスです。これらのレベルが高いとより自信があり、ストレスや逆境をより上手に対処でき、モチベーションも高く、成長する可能性も高くなります。これらはポジティブな心理的資源だと言われています。


4.革新と変化のレベル
健康な組織文化とは、組織の価値観と、従業員の価値観が合っていることです。例えば、変化と安定の二つの極に対して、組織はどれくらい変化/安定を求めているのかを知ることは重要です。そして、労働者がどれほど変化/安定を求めているのか。ここがマッチすると労働者はよりポジティブに働き、そして、自分の役割に安定を感じます。


5.美徳のある組織
経済が苦しい状況にある時、組織は誠実、信頼、尊敬の文化を養うことが大事だと言われます。ネガティブな感情や不信のある環境では、ポジティブな感情、地震、楽観、希望、レジリエンスのある環境と比べると、生産性は下がります。


従って、組織は、チャレンジで、計測でき、個人に取って価値のある目標、そして、現実的な達成方法を設定し、障害に打ち勝つことが必要です。強みを生かし、成長をすることで、ポジティブな心理的資源が集まり、仕事への満足感やパフォーマンスを高めることができます。


参照
http://blogs.psychcentral.com/positive-psychology/2011/11/5-ways-positive-psychology-can-improve-the-workplace/
posted by ヤス at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする