2017年11月13日

なぜ幸せになるのが難しいのか?ネガティブ感情の対処

ネガティブな感情は時に私たちの生活に大きな影響を与えますが、なぜネガティブな感情はあれほどにもパワーを持つのでしょうか?

発展的心理学

人類の発展を見ると、子孫を残すことを目的に、種は発展していきます。つまり、子供を産むことで、その人の特徴は受け継がれ、この世に存在し続けます。そして、それができないとその特徴はそこで途絶えてしまいます。

つまり、人類の歴史の中で、生殖できるかどうかが、発展の大きなテーマとなりました。これができなかったり、興味がない種は受け継がれず、そこで途絶えることとなります。

脳にとって私たちが幸せであるかどうかは、主眼ではないということです。種の保存が主眼であるので、常に危機を恐れたり、心配であろうとします。したがって、古代、恐怖を恐れずに未開の地に足を踏み入れる人と、自分の村にずっと止まる人がいたとして、どちらの人がより生殖できるでしょうか?前者はライオンに食べられるかもしれません。

私たちの脳は200万年前に作られたハードウェアだと言われています。したがって、当時はライオンやトラが近くにいて、食料もろくにないという環境でした。そうしたことを恐れるようにできています。しかし、現代生活ではそのような恐怖はありません。上司に怒られたり、ある人から嫌われたりすることかもしれませんが、それがライオンやトラと同じように恐れられています。

また、ネガティブな感情はダメだとは言い切れません。ネガティブな感情に関してはいくつか理解すべきことがあります。

1.ネガティブ感情は避けられない。人はネガティブ感情を押さえつけたり、無視したりして、避けようとしますが、それは時に逆効果となります。

タル・ベン・シャハーはハーバード大学で最も人気のあるクラスで幸せについて教えています。そこで、ネガティブ感情を味わわない人には二通りあるとして、一つがサイコパス、もう一つが死んだ人だと言っています。シャハーはネガティブ感情を受け入れることで、幸せを増加させるという一見、逆説的な手法を提案しています。


感情の完璧主義とは、いつもポジティブな感情を抱いていなければならないという観念です。これはネガティブ感情が現れた時に、深刻な結果を招きます。思いやりの気持ちを養い、ネガティブ感情は避けられないという現実的な理解をすることで、状況を改善することができます。

感情は何らかのメッセージを送っています。すぐに受け入れるほど、そのメッセージを理解でき、より良い自分になることができます。

2.ネガティブ感情はデータであり、行動指針ではない。ネガティブ感情は、人生で起きていることに対して、何を優先し、決定するかを教えてくれる情報です。そのメッセージを聴くと同時に、ネガティブ感情は常に正確ではないことも知っておきましょう。ネガティブ感情が命じるままの行動を取る必要はなく、聴くべき情報であり、あなたの取るべき行動の参照になるものです。

実際、高いパフォーマンスを出す人は、感情を無視せずに、むしろ受け入れて、メッセージを聴いて、プラスに生かすようにしています。

ネガティブな感情を利用するのに、たくさんのツールや手法が今では紹介されています。最近注目されているのが瞑想やマインドフルネスです。瞑想は近年の研究でその有効性が多々、紹介されていて、不安、ストレス、ネガティブ感情を対処するのに、最も有効な術だとみなされています。

瞑想と近いコンセプトが、自己への思いやりです。自己への思いやりは、感情的な完璧主義を和らげ、ネガティブ感情を感じる自分を許容できるようにしてくれます。

ネガティブ感情とどう付き合うか。非常に大事な問いかけです。

参照
https://www.inc.com/quora/the-real-reason-why-its-so-hard-to-be-happy-according-to-science.html
posted by ヤス at 03:17| Comment(0) | 感情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月07日

ドーパミンは快感をうながす神経伝達物質

脳内のコミュニケーションを行っている物質を『神経伝達物質(Neurotransmitter)』と呼びます。この中でも大事な4つの神経伝達物質をご紹介します。




1.オキシトシン(Oxytocin)・・・「愛情の神経伝達物質」と呼ばれ、赤ん坊と親の間に生まれる愛着感情を作ります。


2.ギャバ(GABA)・・・いわゆる「抑え役」をしてくれます。不安を鎮めたり、睡眠を促進する効果がある脳内物質だといわれています。


3.グルタメート(Glutamate)・・・興奮性の神経伝達物質です。


4.ドーパミン(Dopamine)・・・快感をうながす「報酬と強化」において大事な役割を果たす神経伝達物質です。




参照・関連情報




http://www.kyyemr.net/brainchemical.html



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「同情」とは「感情の中」の意味

セラピーでは「Empathy(同情)」が非常に大事だといわれます。この英語の「Empathy」という言葉の語源はギリシャ語の「empatheia」から来ており、「empatheia」は、愛情を意味するそうです。

『家なき子』第12話(最終話)

また「Empathy」はドイツ語では「Einfuhlung」と書き、これは「感情の中(in-feeling)」から来ているそうです。

「同情」の語源が、「感情の中」であったり、「愛情」だったりする、というのは納得です。




参照
http://dictionary.reference.com/browse/empathy


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2015年03月10日

「情」は「心のはたらきの清く純粋な要素」

心理学を勉強していくと、「感情」や「情動」など「情」について考えることが多いのですが、そこで疑問に思って「情」の語源を調べました。

「りっしんべん」は心を表し、「青」は清らかという意味を含みます。従って、「情」は、「心のはたらきの清く純粋な要素」を意味します。また、「青」は「請」と同じく、「求める」という意味を含むから、「情」は「心の欲求」だとも意味します。

「性」が「人間生まれつきの心」であるのに対し、「情」は外の刺激に応ずる「心の動き」を意味します。





参照


http://okwave.jp/qa/q5249402.html
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2015年01月29日

高齢者は人生経験で相手の感情を理解する

高齢者は相手の表情から相手の感情を読み取るのは得意じゃないかもしれないが、彼らは人生経験を使って、感情を読むことができるそうです。新たな実験では、高齢者は表情から相手の感情を読むことは上手ではない代わりに、蓄積された知識から、読むことができる、と報告されています。


研究の中心者、ドイツ、マックスプランク人間開発研究所のアンチェ・ロウアーズ(Max Planck Institute for Human Development, Antje Raucers)いわく「人が相手の感情を読もうとするとき、表情だけに頼るのではなく、置かれた状況や、その対象相手についての情報など、それ以前の経験をも参考に、読む」とのこと。

この実験では100組のカップルが集められ、若いカップルで20代、高齢では80歳までのカップルが参加しました。参加者は、実験室で見せられる顔の表情の感情を推測します。ここでの結果は、若いカップルはより正確な読みをする、と出ました。

その後、ロウアーズはカップルに1日6回、自分の感情の記録と、相手の感情を読む、これを2週間する、という宿題を課します。相手が近くにいなければ、電話によって会話をして、感情を読みます。近ければ、相手の顔を見て、感情を読みます。

結果はどうなったか?

相手の顔を見た場合、若い人はより正確な読みをしました。しかし、電話による感情読みをしたとき、年齢差はなくなったのです。若い人も、高齢者もお互いに良い感情読み率を示したのです。

これが意味するとことは歳を重ねても、相手を理解したり、相手に共感するといった認知プロセスは衰えないということです。ロウアーズは、これらのデータが示すには自分の愛する相手のことをよく理解することは、ずっと衰えない大事なリソースであると、締めくくっています。


参照
http://psychcentral.com/news/2013/09/11/life-experiences-help-older-adults-interpret-emotion/59406.html
posted by ヤス at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 感情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする