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2021年02月18日

自閉症の人の脳はどう違うのか

自閉症は神経発達に関わる症状です。自閉症の診断が下るのは、制限された興味、動作の反復、そして、コミュニケーション難、これら3つのうち2つがあれば下ります。そして、これらの診断特徴は脳の違いのために起きると考えられています。

自閉症の人の脳の特徴を示すような研究はまだありません。つまり、特定の決まった変化をするわけではない、ということです。自閉症の人たちの脳を見ると、それぞれ全く異なります。しかし、自閉症の人たちの中でも、特定のグループの人たちには特定の脳の傾向があるかもしれないと報告されてきました。これらの傾向がヒントとなり、自閉症のタイプに準じた治療法が開発されるかもしれません。

以下が現在、自閉症の人とそうでない人の、脳の違いでわかっていることです。MRIを使っての研究。

自閉症の子供は、大きな海馬を持つことが多いです。海馬は記憶の構築・維持に携わります。しかし、この大きさが中学や高校生になる段階でも維持されているかどうかはわかっていません。

扁桃体も異なるかもしれないと言われていますが、研究結果は今のところバラバラです。自閉症の子供の扁桃体は小さいという研究もあれば、大きいという研究もあります。不安の度合いが高いと扁桃体が小さいと報告するものもあります。別の研究では、小さい頃は大きいが、成長するにつれて普通の大きさに戻る、というものもあります。

17の写真を分析したメタ分析の論文では、自閉症の人は小脳の中の脳組織の数が少ないと報告しています。小脳は体の動きを調整するものだと考えられていましたが、最近では認知や社会的なコミュニケーションにおいても大事だと言われています。

脳の大きな部分に目をやると、大脳皮質の厚みに違いがあるという研究もあります。この違いは、自閉症の人は成長過程で、一つのタイプの神経細胞に切り替わるからかもしれないと2020年の研究で報告されました。


これらの構造的な変化は、成長過程でどのように起きるのか?

あとで自閉症と診断される乳児は、特定の脳の部分が通常よりも速く成長します。自閉症の乳児は生後6ヶ月から12ヶ月にかけて大脳皮質の表面が速く大きくなります。生後2年目になると自閉症の子供の脳の大きさは拡大し続けます。

いくつかの研究で、自閉症的な行動が顕著に現れる前に、大脳皮質が大きく成長すると報告されています。その後の成長過程では、自閉症ではないニューロティピカルな脳は、大きさを増し続けます。そして、大人になると小さくなります。対して、自閉症の脳は、20代半ばで、まだニューロティピカルな脳は大きくなり続ける段階で、小さくなっていきます。

自閉症だと診断される子供には、脳を取り囲む液体、脳脊髄液が多い場合があるそうです。これがあるために自閉症の子供の頭は大きいのかもしれないと言われています。この脳脊髄液の量と、自閉症的な行動は比例関係にあります。この脳脊髄液のニューロティピカルとの違いは、生後6ヶ月で現れ、39歳まで続くそうです。


脳のそれぞれの器官とのつながりはどうか?

脳の各部分を結びつける神経繊維、白質が自閉症の脳とそうでない脳では異なります。脳梁と呼ばれる白質管の一部、または全てがない人は、自閉症である可能性が高いとされています。脳梁は脳内の長い距離にある部分をつなぐ役割をし、この機能がないと自閉症になる。これは自閉症の関連理論と一致する結果です。

2020年の研究では、自閉症と診断をされた乳児の脳には、白質管の構造にいくつかの違いが見られました。また他の子供世代でも、同じような白質管の構造の違いがありました。


自閉症の人たちの脳で、性別による違いはあるか?

これはまだわかっていません。この理由としては、男の子と比べて女の子の方が遥かに少ない診断数だからだとノースカロライナ大学チャペルヒル校のマーク・シェン准教授は言います。

しかし最近の研究では、性別による脳の違いを示唆する研究がいくつかあります。扁桃体への影響は、男の子よりも女の子の方が大きく、また、大きい扁桃体は特に女の子において、感情面での問題と関連しているそうです。

幼稚園児において、白質の変化も性別によって異なります。自閉症の女の子は、非自閉症の女の子と比べて、脳梁の構造がより複雑であり、男の子においては、自閉症の子の方が、非自閉症の子よりもシンプルだそうです。

その他の脳構造については(サイズの成長度合い、脳脊髄液の量など)男女で違いは見られないそうです。


脳の構造は自閉症の研究になぜ大事なのか?

自閉症は、個人で大きく異なる症状だからです。つまり、全ての自閉症と診断をされる生後6ヶ月の赤ちゃんの脳で脳の液体が多いわけではないし、自閉症を持つ全ての成人の脳梁が非自閉症の脳梁と異なるわけではないですが、これらの特徴を研究することで、自閉症を持つそれぞれの人に個別で効果的な治療を考えることができます。

また、非観血的に、自閉症的な行動が現れる前に、自閉症のタイプを見分けることができれば、より効果的な手立てを打てる可能性が高まります。

参照
https://www.spectrumnews.org/news/brain-structure-changes-in-autism-explained/
posted by ヤス at 08:24| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月20日

同志と目標を共有することが進歩を妨げるケース

自分のゴールを他の人に伝たり、他の人のゴールを聞くことは、相互的な励ましを促し、有効だと言われています。しかし、最近のある研究で、特定の状況では、そうした行為が私たちを競争的にしてしまい、逆効果になることがあると報告されました。

似たような目標を持つ、能力的にも似た人たちが集まると、他人を競合とみなすようになり、彼らの努力を妨げたり、究極的には自分の努力も緩めようとする場合があるそうです。


今回の研究では6つの実験を行いました。最初に200人の参加者が「ワードクリエイティビティー」と言って、一連のアルファベットからできるだけたくさんの単語を考えつくゲームをします。そして参加者はパートナーがいると告げられ、彼らは少し参加者よりもうまくやっていると伝えられます。実際はパートナーはなく、架空の存在です。参加者は個人的な目標を与えられ、達成するとギフト券がもらえます。そして、参加者はパートナーの課題を難しくも易しくもできます。

たとえパートナーのパフォーマンスが自分のゴール達成とは無関係であっても、参加者はゴール達成に近づくにつれて、パートナーの課題を難しくしていきました。さらに参加者はその後、少し努力を緩めるようになりました。

その他の実験でも同じような傾向が見られました。自分のゴールに近づくにつれて、パートナーの課題を難しくし、自分の努力を緩める。この行為はパートナーが自分よりも少し先を行っている場合でも、少し後ろを行く場合でも見られました。しかし、最後に自分の努力を緩めた参加者は、パートナーの課題を難しくしたことが実際にパートナーの進歩を遅らせたと知った人たちだけでした。

つまり、パートナーを少し蹴落とすことができたら、参加者は少し気を抜く。気を抜くことは全く自分のゴール達成には役立たないにもかかわらず参加者はそのような行為を取りました。

この研究の大事なポイントは、私たちが同じような目標を持つ人と進歩を共有しながらすると競争的になってしまい、自分の目標達成から目が逸れて、他人との比較に焦点が向いてしまう。そして、他人の進歩が緩んだら、自分の進歩も緩めてしまう、ということです。


この結果はグループで何かをする際に、避けたい心理状況を報告すると同時に、自分の目標に対して自分がどれだけ進むかを常に念頭に置いておくことの大切さを教えてくれる研究だと言えます。

参照
https://digest.bps.org.uk/2019/02/26/how-competitiveness-leads-us-to-sabotage-other-peoples-personal-goals-at-the-expense-of-our-own/
posted by ヤス at 06:30| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月06日

セラピストの共感能力がクライアントの相性の基本となる

どのようなトレーニングや経験を得ても、特定の性質がなければ本当に良いセラピストにはなれないと近年の論文で報告されました。心理療法において、クライアントの抱える悩みに対してセラピストが持つ共感は必須です。


そこでこの研究では、セラピストの性質的な共感を調べました。プロのセラピストを集めて、彼らの持つ共感について調査をしました。そこで次の4つの要素を調べました。

他人の視点を理解する度合い;
想像上の物語のキャラクターに共感する度合い;
苦しんでいる人への思いやりの度合い;
他人が苦しんでいるところを見ると自分がどれだけ影響されるかという度合い。


参加したセラピストの23%が、一般データの平均以下のスコアを出し、これはつまり、「自分に夢中かつ感情コントロールがそれほど上手ではない」ことを示します。この部類のセラピストは他人の立場を理解するのが上手ではなく、他人の悩みに共感する力がそれほどなく、同じ状況に対して自分の感じたネガティブ感情を投影している可能性を示唆します。

26%のセラピスとが平均以上のスコアを出し、つまり、高い共感度を示しました。この部類のセラピストは他人の感情に没頭でき、他人の感情を察する能力に長けています。

最も多いグループのセラピスト(38%)は、クライアントに対して、適当なレベルの感情移入と彼らの視点の理解度を持っていました。

第四のグループに入るセラピスト(13%)は、「合理的な共感」をし、つまり、クライアントの悩みに対して、感情同化することなく、合理的な理解をすると出ました。

今回の研究から、セラピストの共感度や柔軟性が、クライアントのニーズと「合う」かどうかは今後調べていくべき問いだと言えます。また共感性が発揮できないセラピストに対してどう教育していくかも課題となりそうです。

参照
https://medicalxpress.com/news/2019-03-qualities-good-psychotherapist.html
posted by ヤス at 22:46| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月17日

うつ病の予防に社会的なつながりが最強

マサチューセッツ総合病院の研究者が成人のうつ病を防ぐ100以上の要素を調べました。その結果、社会的なつながりがうつ病予防として最も強い要素だとわかりました。従って、孤独を感じるような行動(例:テレビ鑑賞や昼寝)を減らすことが、うつ病のリスクを下げると報告しました。


うつ病は世界的に見ても、障害をもたらす大きな理由であるにも関わらず、これまでの研究ではうつ病から守る要素についてはあまり研究されてきませんでした。そこで今回の研究では2つの段階を経て、うつ病に対する保護要素を調べました。

最初の段階では10万人以上の患者データからうつ病に関わりそうな要素(例:社交的なやりとり、メディアの利用、睡眠パターン、食事、運動、自然との触れ合い)を洗い出しました。第二の段階では、最初の段階で強い関連性があるものを絞り、その中からうつ病と因果性のありそうなものを見つけ出します。

その結果、ずば抜けてうつ病から守ってくれると出た要素が、他人とどれだけ打ち解けた話をするのか、友人や家族をどれだけ頻繁に訪れるのかなどといった「社会的なつながり、一致感」でした。反対に、うつ病に影響しそうな要素としては、「テレビ鑑賞の時間」だと出ましたが、これはメディアの影響なのか、それともテレビ鑑賞に伴う独りでいることが影響しているのか調べる必要があります。


非常にシンプルなことですが、効果は莫大ですね。非常に有意義な研究だと思います。

参照
https://medicalxpress.com/news/2020-08-social-strongest-factor-depression.html
posted by ヤス at 05:12| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月29日

心理的安全度が生産性と強く関係する

グーグルのチーム生産性に貢献しているものは何か?これについてグーグルの人事部(People Operations)が調査をしました。

200以上の社員とのインタビューをし、180以上のチームの250以上の要素を調べ上げました。分析前は、スタープレヤーがいるチームの生産性が高いのだろうと仮説を立てていましたが、実際は、「誰がチームにいるか」は生産性とあまり関係なく、それよりも「チーム間でどのようにコミュニケーションが取られているか」「仕事の構造」「自分の貢献をどのように見ているか」といった要素が、生産性と強く関係していました。

そして、生産性の高いチームとそうでないチームを分けるの5つの要素があることを知りました。


心理的安全度:何かにチャレンジする時に不安になったり、恥ずかしいと感じずにできるか。

依存可能度:時間内に高品質の仕事ができるとチームメートそれぞれを信頼できるか。

構造と明確さ:ゴール、ルール、実行計画は明確か?

仕事の意義:メンバーそれぞれにとって個人的に大事なことに取り組んでいるか。

仕事のインパクト:自分の仕事が大事だと根本的に思っているか。



もしこれら5問への答えがYESであれば、生産性の高いチームだと予測できるそうです。


そしてこれらの5要素をさらに見ていくと、心理的安全度が群を抜いて大事であるとわかりました。心理的安全度が、他の4要素の土台となっている。何かに安心してチャレンジできること。非常にシンプルです。

しかし実際には、何かにチャレンジしようとすると、それによって自分の無能さなどが出てしまわないかと抵抗はあります。そうした感情は職場ではよく見られますが、より生産性の高いチームを作るためには無くしたいものです。チームメンバーがそれぞれに対して安全を感じられるほど、彼らは自分のミスを認め、新たな役割も引き受けやすくなります。その他、安全度が高いほど、グーグルを離職する度合いが低かったり、多様性のあるアイデアを採用したり、より会社に利益をもたらし、役員から2倍頻繁にできる社員だと思われることがわかりました。

その後、グーグルのチームは「gTeams exercise」という10分間脈拍を計測するツールを作りました。このツールを年間で300のチーム、3000人の社員が利用し、新たなことにチャンレンジしたチームは、心理安全度が6%、構造と明確さが10%向上しました。参加したチームのメンバーたちは、生産性について話をさせるツールであり、そのような機会は過去になくて、実際にやってみると、非常に良いことだったと述べています。

心理的安全度を高める策を色々と試す必要がありそうです。


参照
https://rework.withgoogle.com/blog/five-keys-to-a-successful-google-team/
posted by ヤス at 06:58| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする