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2017年10月27日

「日本人労働者のメンタルヘルスの問題に対する態度」調査

「日本人労働者のメンタルヘルスの問題に対する態度」調査

調査者

ダービー大学 小寺康博、ポール・ギルバート
千葉大学 浅野憲一
東京成徳大学 石村郁夫
ダービー大学 デーヴィッド・シェフィールド

「日本人労働者のメンタルヘルスの問題に対する態度」調査へのご協力、誠にありがとうございます。この調査では、日本の労働者が、メンタルヘルスの問題に対して、どのようなことを思っているのかを調べようと思っています。そのために、「メンタルヘルスの問題に対する態度尺度(全35問)」「うつ、不安、ストレス尺度(全21問)」「自己批判/攻撃と自己安心の形に関する尺度(全22問)」、3つのアンケートに答えていただきたいと思っております(所要時間10分)。

日本の総人口は近年、横ばいであるにも関わらず、うつ病患者数は毎年増えています。

1999年 約44万人
2002年 約71万人
2005年 約92万人
2008年 約104万人



また、自殺者数も先進国の中では最も多い国の一つで、1998年から2011年にかけて自殺者の数は3万人を超えていました。そしてこの中の3〜4割は労働者だと報告されています。仕事が原因で自殺をした人の9割はうつ病を患っているにも関わらず実際にメンタルヘルスのサポートを得ていたのはその内の2割だそうです。

肉体的な症状であればより多くの人が専門家のサポートを受けたでしょう。しかし、心の症状となれば、まだ日本では、多くの人が躊躇いを感じているようです。そういったメンタルヘルスの意識を調査しようというのが今回の研究です。

調査参加のための同意書、基本情報入力はこちら


参加条件

・18歳以上である
・雇用されている、または、自営業
・日本人であり、日本にずっと住んでいる(海外に1年間以上住んだ事がない)
・メンタルヘルスの問題を患っていない

もしメンタルヘルスの問題を患っていて、現在、専門家のサポートを受けていない人は、以下のようなサービスを利用してください。

心の耳(http://kokoro.mhlw.go.jp
全国保健所長会(http://www.phcd.jp
全国精神保健福祉センター(http://www.zmhwc.jp

もし、地域のメンタルヘルスのサポートを見つける手助けが必要な場合は、調査者にご連絡ください。


調査でしていただきたい事

この調査では「メンタルヘルスの問題に対する態度尺度」「うつ、不安、ストレス尺度」「自己批判/攻撃と自己安心の形に関する尺度」、3つのアンケートに答えていただきます。これら3つのアンケートを全て回答するのに、およそ10分かかります。


もし途中でやめたくなったら

この調査への参加は任意であり、参加しなければならないという義務はありません。また、アンケートの途中で、ブラウザを閉じて、参加を取りやめることもできます。また、調査者に連絡をして、参加を取りやめることも可能です。回答後にキャンセルとしたい場合は、回答後2週間の内に調査者にメールにてその旨をお伝えください。その際には、記入者名をメールに記載してください。


回答した情報はどう使われるか

この調査の間、いただいた回答は、安全なオンラインデータ管理サービス、Qualtricsに保存されます。全ての回答を収集したら、そのデータはQualtricsからダウンロードされ、Qualtricsから削除されます。この調査の結果は学会や学会誌で発表、出版されます。全ての情報は匿名化され、個人が特定されることはありません。

参加していただける方は、こちらから同意書と基本情報入力にお進みください

この調査に関して質問があれば、調査者(小寺)までご連絡ください。

小寺康博
電話:+44(0)1332 592670
Eメール:y.kotera@derby.ac.uk
University of Derby, Online Learning
Enterprise Centre, 37 Bridge St, Derby DE1 3LA, UK


メンタルヘルスのサポート情報
心の耳(http://kokoro.mhlw.go.jp
全国保健所長会(http://www.phcd.jp
全国精神保健福祉センター(http://www.zmhwc.jp
posted by ヤス at 16:48| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月29日

思いやりが攻撃性につながる

思いやりを促すのは良い事ばかりだと言われていますが、そうでもないようです。新たな研究で、思いやりは優しい感情や利他的な行動を促すとともに、攻撃性にも繋がると報告されました。

特定の状況において、温かさ、優しさ、同情といった「思いやり」とされる気持ちの性質が、攻撃的な行動につながる。研究者たちは、神経ホルモンに目を向けました。神経ホルモンとは、血流に紛れて移動することもできるし、また、脳内物質として脳内でも移動できる化学物質のことです。


今回、バッファロー大学の研究者が目を向けたのは、2種の神経ホルモンでした。オキシトシンとバソプレシン。これらは「接近行動」を促します。他人に近づこうとする行動です。しかし、人が他人に近づくには様々な理由があります。攻撃もその理由の一つです。

したがって、共感や思いやりがオキシトシンやバソプレシンと関連しているのであれば、共感・思いやりと攻撃に関係ができる。これが実験の仮説です。

実験の結果が示すところ、共感や思いやりは、そこで労っている他人のために感じる攻撃性と繋がっていると出ました。例えば、意地悪な上司にいじめられているAさんの話を聞いて、Aさんに共感し、思いやりを感じると、Aさんの上司に対して怒りを抱くというように。

実験の第一部はアンケートによるもので、自分の大事な人が、誰かから脅威を感じさせられているとどういう気持ちがするかを尋ねました。すると、思いやりが攻撃性と繋がっていることが見受けられました。

実験の第二部では、唾液サンプルを見て、神経ホルモンを調べました。参加者は思いやりを促すストーリーを聞きます。これは参加者が会ったことのない人(「思いやりダミー」と呼びましょう)に関するもので、この人(思いやりダミー)別室にいると告げられます。この別室にはもう一人(「単ダミー」と呼びましょう)いると告げられます。

彼ら(思いやりダミーと単ダミー)は数学のテストを受け、肉体的苦痛(辛いものを食べる等)がパフォーマンスにどう影響するかの実験に参加すると告げられます。彼らは数学のスコアを競争します。

そこで参加者に、単ダミーに対してどのレベルの苦痛を与えるかが問われます。

結果は面白いことに、思いやりダミーの敵である単ダミーに対して、参加者はかなり高い苦痛を設定すると答えました。単ダミーが別に何か悪いことをしたわけでもないのに、高い苦痛を設定すると答えました。


思いやりが攻撃性を促す面白い実験だと思います。

参照
https://psychcentral.com/news/2014/11/07/compassion-can-drive-aggression/77067.html
posted by ヤス at 02:52| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

どんな幸福感を味わうかで遺伝子影響が異なる

近年の研究で、幸福感は遺伝子に影響することが分かっています。更に、どういった幸福感なのかで遺伝子への影響は異なると言います。

人生にとって深い意味のあることをすることによる幸福感(ユーディモニック[eudaimonic])は、免疫細胞に良い影響が出ます。炎症に関する遺伝子が少なく、免疫の遺伝子が多くなります。

しかし、消費的で自己満足的な幸福感(ヒドニック[hedonic])は、逆の効果をもたらします。炎症遺伝子が多く、免疫遺伝子が少なくなる。

今回の研究ではUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のスティーブン・コール教授とノースキャロライナ大学のバーバラ・フレドリクソンらが、この2つの幸福感(ユーディモニックとヘドニック)の人間ゲノム(2万以上の人間の生存維持に関する遺伝子の総合体)に対する影響を調べました。

過去の研究では長期間、ストレス、脅威、不安定性にさらされると、遺伝子の免疫細胞に悪影響が出ると分かっています。これはCTRA(conserved transcriptional response to adversity)と言い、炎症に関する遺伝子を増やし、免疫反応に関する遺伝子を減らします。

今回の実験では、80人の健康な成人の血液を調べました。そして彼らがどれだけユーディモニックまたはヘドニックな幸福感を感じているか調べました。

調べた結果、ユーディモニックな幸福感を感じている人と、ヘドニックな幸福感を感じている人では、どちらのグループの人も、同じレベルのポジティブ感情を感じていたものの、遺伝子の免疫細胞に変化があった(ユーディモニックの方が免疫細胞が多くなった)そうです。

つまり、同じポジティブを感じていても、人間ゲノムにおいては、異なる反応をしていたということです。

どのような質の幸福感なのか。これが大事だと言う実験でした。

参照
http://newsroom.ucla.edu/releases/don-t-worry-be-happy-247644
posted by ヤス at 01:51| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

思いやりがもたらす10の科学的メリット

スタンフォード大学のエマ・サパラは思いやりについて数々の画期的な研究を発表していますが、彼女が思いやりがもたらす10の科学的なメリットについてご紹介します。


1.思いやりは私たちを幸せにする(お金をもらうのと同じくらい)
脳内スキャンを見ると、脳の快感部は、お金がチャリティーに払われる時、お金が私たちに与えられる時と同じくらい活性化される。

2.思いやりは、自分に対してものを買うよりも、私たちを幸せにする
マイケル・ノートンの実験では、人は何かを他人のために買う時、自分のために買うよりも幸せになるとわかった。エリザベス・ダンの実験では2歳児の子供にも同じような現象が見られた。

3.思いやりは私たちを魅力的にする
デートに関する研究では、男女ともに「優しさ」が最も重要だと報告している。

4.思いやりは周りの人を元気にする
バージニア大学のジョナサン・ハイドの研究によると、他人が人助けをしているのを見ると、私たちは高揚感を覚えるそうだ。

5.思いやりは伝染する
カリフォルニア大学サンディエゴ校のジェームズ・フォウラーとハーバード大学のニコラス・クリスタキスによると、寛大さと優しさは伝染する。


6.思いやりは健康度を上げ、寿命を延ばす
他人を助け、ポジティブな人間関係を持つ人は、より健康で、病気に対してより強い抵抗力がある。

7.思いやりは落ち込みから抜け出させてくれる
不安やうつは私たちを自意識にさせるが、気分が落ち込んでいる時に他人を助けることは、意識を他人に向け、別の視点を得させてくれるために、落ち込みから抜け出させてくれる。

8.思いやりは最も自然なことである
マイケル・トマセロらの研究では乳児は自動的に思いやりのある行動を取ることがわかった。スタンフォード・ビジネススクールのデール・ミラーは同じことは大人にも見られると報告した。

9.思いやりは私たちに時間をくれる
ゾエ・チャンスの研究では、ボランティア活動に時間を使うと、自分にはより時間とお金があるんだと感じることがわかった。

10.思いやりは環境に良い
親切にすることは私たちに良いだけではなく、社会、コミュニティー、そして、世界に良い。


他人のために何かをすることで、自分にも良い気分を感じる。社会的な動物である人間の非常に優れた特性だと思われます。


参照
http://www.emmaseppala.com/top-10-scientific-benefits-of-compassion-infographic/
posted by ヤス at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

【学術出版記事】ディズニーストラテジーのキャリアガイダンスにおける効果測定。クライアントの視点から。(混合・パイロット研究)

ここでは僕の学術出版記事 ‘Disney strategy for Japanese university students’ career guidance: a mixed methods pilot study’ の概要を日本語でご紹介します。

この実験の前の実験で、キャリアコンサルタントが最も有効なNLPスキルの1つとして、ディズニーストラテジーを挙げていました。そこでこの実験ではクライアントの視点から見て、それは本当なのかどうかを調べました。参加者は就職活動をしている大学生6人です。


過去の研究が報告するには、就職活動の成功に影響するものとして大きく4つの要素があると報告しています。それらは職探しの明確さ、職探しの強度、自己効力感、自尊心です。これらをディズニーストラテジーの介入前後でどういった変化があるかを調べました。


また学生さんの体験を詳しく知るためにインタビューも実施しました。

結果は、介入前後で自尊心と自己効力感に、統計的に見て大きな増加が見られました。明確さと強度についてはそうした変化は見られませんでした。

インタビュー分析では、体を動かすこと、ビジョンの明確化、そして、就職に対してポジティブな気持ちになれる、といったことがディズニーストラテジーの強みだと出ました。


明確さと強度に大きな変化が見られなかったのは、今回募集をした学生さんは就職支援のNPOに登録しているような学生さんなので、意識が高く、明確さや強度(就職活動の盛んさ)はもともと高かったのが原因ではないかと思われます。

またディズニーストラテジーは心理的な変化(内的変化)を手伝うものなので、自尊心や自己効力感といった心理的影響は見られるが、就職の明確さや強度といった外的なものとは、関係がなかったのでは、とも考えられます。

そして、インタビュー分析を見ると、近年、特に心理学の世界でいわれる体の動きと心の動きを、学生さんたちが感じたことが伺えます。そして、前の実験でコンサルタントが言っていた「多くのクライアントは3つのうちの1つしか考えられなかったり、複数がごっちゃになって混乱している。でもディズニーストラテジーは3つの視点をバランスよく持たせてくれる」といったことも裏付けるような結果だと言えます。


非常に期待のできる結果です。今後もっと大きなスケール、そして、長いインターバルで実験をしたり、また異文化での効果を見る必要があると思われます。

Kotera, Y., & Sheffield, D. (2017). Disney strategy for Japanese university students’ career guidance: a mixed methods pilot study, Journal of the National Institute for Career Education and Counselling, 38, 52-61. doi: https://doi.org/10.20856/jnicec.3808
記事全文はこちら
posted by ヤス at 05:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする