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2017年02月20日

超長時間労働者のエンゲイジメントは低い

今日の組織心理の中でよく言われるのがエンゲイジメント。ギャロップ社の調査によると3分の1のアメリカの従業員は仕事にエンゲイジ、つまり、集中していると報告されています。世界を見るとその数字は13%と落ちます。多くの企業が従業員のモチベーションを高め、その結果、幸せ感や生産性を高めるために、エンゲイジメントをいかに高めるか考えています。


しかし研究者のフラーとシカロフはそこに注意を促します。というのもエンゲイジメントという言葉は非常に曖昧であり、一部では仕事への満足感だったり、仕事への感情投資量、必要以上のことをしようという気持ち、自分の会社が良いと認識する度合いと解釈されたりと、解釈はバラバラです。多くの研究が高いエンゲイジメントがビジネスにプラスだと言いますが、必ずしもそうではなさそうです。

例えば営業パーソンであれば、明確な数値として生産性を測れますが、多くの知識労働者の生産性を測ることは難しいです。そこでフラーとシカロフはマイクロソフト・ワークプレイス・アナリティクスを使って、知識労働者のインプット(労働時間、マネジャーと過ごした時間、ネットワークの規模など)とエンゲイジメントとの関係性を調べました。


様々な企業の社員にアンケートに答えてもらいました。入手したデータで色々な分析をした中で、一週間の平均労働時間を中心として考えてみました。週平均労働時間は、仕事の質や生産性を測るものではありませんが、エンゲイジメントと週平均労働時間の関係性を見てみました。これは2社で大きな違いが出ました。

企業1では、週平均労働時間と生産性の間に強い相関関係が見られました。長時間労働者ほどより高いエンゲイジメントを見せました。質的調査と合わせて考えると、高くエンゲイジした社員は、単純に長時間働くことを選んでいました。エンゲイジメントが高く、長時間働き、より幸せ。企業の投資利益率から見ても、こうした社員は大歓迎でしょう。

ここでは社員のエンゲイジメント度は、彼らがどれだけの時間とエネルギーを仕事に費やそうとするかと関係していると考えられます。しかし極めて長時間働いている社員を見たとき(90パーセンタイル)、エンゲイジメント度は急降下しました(これはしばしば過労を意味します)。


続きは別の投稿で。

参照
https://hbr.org/2017/02/being-engaged-at-work-is-not-the-same-as-being-productive
posted by ヤス at 07:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月12日

イギリス人は1957年が最も幸せだった

イギリス人は1957年が最も幸せだったという研究報告がありました。これは当時の首相、ハロルド・マクミランの主張と重なるものです。


研究者たちは、1776年から2009年の間に出版された800万冊の本に書かれてある言葉で、満足感に関わるものを調査しました。「楽しみ」「平和」「幸せ」といったポジティブな言葉がどれだけ使われているかと、「不幸」「ストレス」といったネガティブな言葉がどれだけ使われているかを比べました。


調べる中で、第二次世界大戦が終わった1945年以降、歓喜や幸せに関する言葉の使用が増加し始め、1957年にそれは最高点に達しました。1957年以降はポジティブな言葉の使用は減りつづけ、特に1970年代のストライキ、中でも1978年の不満の冬の時期に大きく減少しました。

ポジティブな言葉はその後、人々の収入が増えるにつれ増加しますが、1957年のレベルに達することはありませんでした。興味深いことに、1957年というと、家にはセントラルヒーティングもなく、トイレは屋外にあり、休日も少ないといった時期でした。


ワーウィック大学の研究者たちのまとめでは、2つの世界大戦の後、イギリス人たちは生活にある小さな幸せを数える事を覚え、自分が持っているものを見て幸せを感じるようになっていたのではと考えています。

第二次世界大戦が終わり、貧困の生活を強いられていた時代。そこから少し経った1957年、人々は持っているものを感謝することができていたのではと述べています。

この年は平均寿命が男性66歳、女性71歳といった時代。マクミラン首相が「率直に言わせてもらおう。ほとんどのイギリス国民はかつてこれほどにも幸せじゃなかった」と言ったのは正しかったのです。

研究者は、期待が低いほど、また、他の満足をした人々との社会的コミュニティーがある人ほど、人は幸せを感じやすいと述べています。イギリスの現代風潮は個人主義ですが、1950年代の人々は共通のゴールを持ち、コミュニティーの信頼度も高く、外出しても鍵を閉めないというのが常だったそうです。


現代生活で、人々は世界の動きをこの当時の人よりもより多く知ることができるが、それが私たちを不幸にしている可能性もある。そして現代人は仕事でのストレスなどの、増加傾向にあるプレッシャーに立ち向かわないといけない、と記しています。

あるものを見る。非常に大事なことだと思います。幸せになることは誰の人生でも最も大事な事だと思います。非常に良い実験だと感じます。

参照
https://uk.news.yahoo.com/britain-has-never-been-happier-than-it-was-in-1957-according-to-experts-125838414.html
posted by ヤス at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月06日

イギリス労働者、モチベーションとエネルギー不足

2015年、500人のイギリスのホワイトカラー、18〜65歳に対して、一週間で自分のモチベーションとエネルギーが1〜10でどれくらいかをアンケートしました。結果、ほぼ半数の人たちが半分(5)以下だと回答しました。

男女差で見ると男性モチベーション平均が5.7で女性モチベーション平均が4.8。イギリスで最もモチベーション高い地域は北アイルランドで平均6.2、最も低いのはイングランドの北西部で4.3でした。


若い労働者(18〜24歳)は最もモチベーションの低いグループで、35〜44歳の労働者が最もモチベーションの高い労働者(平均5.9)でした。

モチベーションが生産性にもたらす影響を考えると、これは不安な数字と言えます。例えば、2013年のイギリス経済で、病欠によって1億1300万日が失われたと報告されています。モチベーションもかなり大規模な数字になると予想されます。

2013年、別の調査が、5000人のイギリスの労働者に対して行われ、従業員の「任意努力」を使わないコストは大きく、低モチベーション、低健康のために2012年のイギリス経済は60億ポンド(GDPの0.4%)を失ったと報告しています。


この調査ではこの他、ほぼ半数の労働者が、余分な努力をしても認められないから努力をしない(46%)、また、余分な努力をしても報酬をもらえないから努力をしない(47%)と答えています。7%の人が自分の潜在能力を発揮しようと働いていて、27%が自らの生産性を5以下だと回答しました。25%が、ビジネスで良い成果を収めると仕事量が増えるから、成果を収めたくないと答え、3分の1以上のチームが、同僚の病欠のために余分なストレスとプレッシャーを経験しています。

モチベーションが低く、エンゲイジメントが低いスタッフはビジネスのパフォーマンスや従業員の生産性レベルに大きな影響をもたらします。ビジネスを成功にもたらすには従業員が任意努力をするようにしないといけません。

モチベーションの重要性性を示す研究事例でした。

参照
http://www.talk-business.co.uk/2015/11/05/over-half-of-uk-workers-lack-motivation/
posted by ヤス at 07:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月04日

習慣を作るには自分の内的報酬を知ること

定期的に運動をするのは難しいことがあります。定期的な運動を習慣にするには、運動する時間をアラームするといった外的なものと、内的な報酬の両方があると非常に有効だと報告されました。


もし運動が内的に報酬をもたらす(楽しさやストレス軽減など)のであれば、人は外的なアラームに無理なく反応できたり、自分自身を運動するよう説得しないで済みます。

内的な動機が何かは人それぞれ異なります。そして、内的動機を養うには時間がかかります。誰でも最初は少しの努力が必要です。しかし最終的には内的報酬が大きくなり、運動することの方が、運動しないことよりも好ましくなります。運動が内的な報酬をもたらさないのであれば、強制的な決断をすることになります。


運動は複雑な習慣なので、歯磨きなどといった行動よりも多くの時間、習慣を作成するのに必要です。そのため、内的報酬は活動そのものから直接的に来る必要があります。

今回の実験では、運動を始めようとしている人と、運動を3ヶ月以上継続している人に参加してもらいました。

最初の実験では、参加者は毎週の運動時間と強度を報告します。第二の実験では運動を記録するために、加速度計が使われました。

実験者は内的動機が各グループで異なることに気づきました。運動初心者が運動を楽しんだら、彼らは継続する傾向が高くなりますが、それでもまだ意図的なプロセスです。しかし、運動継続者はそうした習慣がすでにあるので、内的報酬が運動をするようにしてくれています。

今回の発見は運動を長期的な習慣としたい人に有効なものとなりました。


つまり、運動を外的な理由(ダイエットなど)ですると、始めるのには良いかもしれませんが、そのゴールを達成した後に、運動が自然な習慣となるには不十分だということです。そして、もしそのゴールがある時点で達成できなかったら、あなたは運動をやめてしまうでしょう。だからまずは習慣を作ることが大事なのです。

多くの人が運動がもらたらすメリットを知っていますが、知識だけでは不十分です。運動をする習慣を作る必要があります。それには自分の内的な報酬、動機を知り、体験する必要があります。今回の実験者の考察では、この、内的な報酬を見つけることが現在の運動プログラムに欠いているのでは、と述べています。

非常に面白い実験だと言えます。


参照
http://psychcentral.com/news/2016/09/15/internal-reward-cue-exercise-habit/109904.html
posted by ヤス at 06:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月29日

チンパンジー、母親に教わった方法をずっと続ける

ハーバードの知人が新たな研究を発表したので、紹介したいと思います。


母親から物事を学ぶのは、どうも人間だけではないようです。ハーバード大学の生物人類学者は、チンパンジーは身繕いのスタイルを母親から学ぶことを発見しました。一度、学ぶと母親が死んだ後もずっとそのスタイルで身繕いをするそうです。

「高腕式身繕い」といって片腕を上げて、もう片方の腕や手を組みながら、身繕いをするスタイルを覚えたチンパンジーは、身繕いをする時はそのスタイルでずっと身繕いをしていたそうです。1回の身繕いは大体45秒間、これを1日に大体10回ほどします。

身繕いはどのチンパンジーもしますが、高腕式はそうではありません。アフリカでこのスタイルをするチンパンジーのグループは8つ見つかりました。しかし他の3つのグループでは見られませんでした。なぜ8つのグループは高腕式をするのか、そのメリットは何かは明らかにされていません。

そこで研究者は高腕式の時に、空いた手で腕を組む方法に目を向けました。メスが新たなグループに入ったら、彼女はそのグループのチンパンジーがしている方法を見て、その通りにして、その方法をずっと続けるのだろうか?

この過去に稀に見ない詳細な調査をすると、過去の仮説が間違っていたことがわかりました。かつて身繕いの際の空いた手の組み方は周りに何かのサインを送っているのではと考えられていました。その他には、組んでいる相手に対して何かメッセージを送っているのではとも考えられていました。

しかし、今回わかったのは、空いている手の動きは、友情を表すものでもなく、年や性別と関係する訳でもなく、そのグループにどれだけの時間属しているのかとも関係がなかったそうです。そして、研究者たちが唯一見つけられた関係性は、母親の教えた方法でした。

つまり人間のように、チンパンジーも母親から多くの行動を学んでいたのです。どの食物を食べるのか、どの道具を使うのか。そして、どのように高腕式身繕いをするのか。チンパンジーは12歳くらいになるまでは、母親とだけ身繕いをします。また母親の死後もチンパンジーはその方法で身繕いをし続けます。

母親の影響以外に関連性はないかと調べられていますが、今の所、これ以外には強い関係性は見当たらないそうです。

研究者たちは、次は、腕を組むタイプのチンパンジーと手を組むタイプのチンパンジーが、相手になったら、どのようにどちらにするかを決めるのか、見ようとしているそうです。


参照
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161121174920.htm
posted by ヤス at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする