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2018年09月10日

ソシオパスとサイコパスの違い

ソシオパスとサイコパスはよく同じような意味で使われますが、この2つには違いがあります。サイコパスは法律との間に問題を起こしますが、ソシオパスは社会の中により上手に溶け込みます。ソシオパスとは精神病の分類では、反社会性パーソナリティ障害に最も近いと考えられています。


ソシオパスとは?

一般的にソシオパスとは反社会性パーソナリティ障害のことだと考えられています。反社会性パーソナリティ障害は、DSM(精神障害/疾患の診断・統計マニュアル)という臨床心理のバイブル的な診断マニュアルの中で、クラスターB、つまり人格(パーソナリティ)障害だと分類されています。

ソシオパスの診断は18歳以上とされていますが、以下のソシオパスと考えられる症状は15歳以上の段階で見られます。
・法律を幾度と破る
・異常な程度の虚言癖
・身体的な攻撃性
・自他共の安全を軽視する
・仕事や家庭において無責任な行動を取り続ける
・自責の念が無い



ソシオパスとサイコパスの対比

サイコパスはソシオパスの発展形と考えら、より多くの症状を持ちます。従って、全てのサイコパスはソシオパスだと考えられますが、ソシオパスは必ずしもサイコパスだとは言えません。

サイコパス研究会によると、サイコパスの特徴はいかが挙がります。
・自責の念や罪悪感が無い
・共感力が無い
・深い感情的愛着が無い
・ナルシシズム
・表面的な魅力(チャーム)
・非正直さ
・人を巧みに騙す
・リスクを軽視する


更に、およそ93%のサイコパスは犯罪更生施設に入っているとされています。


ソシオパスとサイコパスの違い

これらの二つは共通点を多く持ちながらも、ソシオパスは共感や罪悪感の欠如度合いが、サイコパスと比べて少ないと言えます。従って、ソシオパスはまだ強い人間関係を結べる可能性があるが、サイコパスにはそれは不可能だとされています。また、ソシオパスは見知らぬ他人に害を被ることに何の罪悪感も感じないけれど、人間関係を結んだ人に対しては罪悪感や自責の念を感じると言われています。また、ソシオパスの反社会的な行動はときを経るについれて収まるが、サイコパスにはそうした動きは見られないそうです。サイコパスは反社会的な行動がもたらす結果に対して何の心配もしない一方で、ソシオパスはそれを恐れ、反社会的な行動を減らす傾向があるそうです。


サイコパスは冷淡ながら、社会的なチャーム(魅力)やそのカリスマを使って、他人を騙します。また社会の中で「普通」に振る舞ったり感情を装ったりします。驚異的な状況においても、サイコパスは感情を見せずに、犯罪的な思考を明確に持つことができます。彼らは自分がしていることが悪いことだと分かっていますが、気にしません。

それとは反対にソシオパスは、そうした状況では緊張や怒りを隠すことができません。また自分の行動の結果を考えずに、無計画な行動を取ります。サイコパスと比べると、感情的な愛着などのために、冷淡な犯罪を上手にはできません。

サイコパスもソシオパスもどちらも犯罪をすることが可能ですが、ソシオパスは愛着や人間関係を形成した人に対しては、犯罪をしにくい傾向があります。

参照
https://www.healthyplace.com/personality-disorders/psychopath/psychopath-vs-sociopath-what-s-the-difference
posted by ヤス at 02:44| Comment(1) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

健康長寿は主に菜食、定期的な運動、そして、生き甲斐を持っている

モチベーションの研究をする中で、「生き甲斐」が内的モチベーションに関係するものかもしれない、また、日本人が内的モチベーションを表すのに「生き甲斐」という言葉がフィットするのかもしれないと考えるようになりました。


生き甲斐とは、生きる理由があり、自分の人生には意味があり、生き続ける価値があると感じることを言います。例えば、最近のキャリアに関する研究では、この生き甲斐がキャリアに大事な4つの領域全てを満たすと考えます:自分はそれが好きか、世間が必要としているか、お金をもらえるか、そして、自分にできるか・得意としているか

この日本語である「生き甲斐(ikigai)」が世界的に注目されるようになったのは、長寿を研究するダン・ビュットナーらの研究によるところが大きいと言えます。ビュットナーらは幸せてより長く人々が生きている地域をブルーゾーンと呼び、世界に4ヶ所そのような領域を見つけました。例えば、イタリアのサルデーニャ、ギリシャのイカリア、アメリカ・カリフォルニアのロマリンダ、そして、日本の沖縄です。そして、長寿の要因が、これらの地域の人々は、主に菜食であり、適度な運動を定期的に行い、そして、生き甲斐を持っていることを挙げています。ビュットナーは生き甲斐とはその人の価値観と好きなこと、そして、得意なことが交わる場所だと言います。


「生き甲斐」とは他の言語では翻訳が難しい言葉なので、そのまま ‘ikigai’ としてた言語の文献で使われることが多いです。似たような意味の言葉として、’meaning(意味・意義)’ ‘purpose(目的)’ ‘fulfilment(充実)’のような言葉があり、これらは全て健康と幸せに関連するものです。しかし、これらの言葉が「生き甲斐」のような大きさと深さを持つとは言えません。

今後のモチベーションの研究において、生き甲斐は大事なコンセプトとなってきそうです。


参照
https://www.psychologytoday.com/us/blog/finding-light-in-the-darkness/201804/what-does-it-mean-have-passion-and-purpose
posted by ヤス at 17:11| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

お金はモチベーションに影響するのか?その1

人はいくら稼げば幸せになるのか。多ければ良いということでもないようです。また面白いことに、ある研究では、自分で給料を自由に決められるとしても、人々は自分の仕事をより楽しめるようにならないだろうと言われています。

つまり、お金は仕事をより楽しいものにしてくれるのか?または、高い給料がモチベーションを下げることがあるのか?これらについて考えたいと思います。

まずは、お金が仕事へののめり込み度合いを高めるか?120件の研究をまとめた論文によると、給料と仕事への満足との間の相関度数は非常に弱かった。r = .14、つまり、この2つが交じり合うのはたった2%ということ。そして仕事への満足ではなく、給料への満足と、給料との相関関係は約5%の関係性でした。つまり、人の給料とその給料への満足感はあまり関係がないと言うことです。


更に、異文化比較をすると、給料と仕事満足、給料と給料満足の関係性は、どの国や文化でもほぼ同じだと分かっています(例えば、アメリカ、インド、オーストラリア、イギリス、台湾では大きな違いはなかった)。同じような結果は、グループ間での分析でも見られました。トップ50%の給料を得ている人たちは、ボトム50%の給料を得ている人たちと同じような仕事満足度を示していました。ギャロップ社のエンゲージメント調査(34カ国、49産業、192組織、140万人が参加)でも同じような結果が出ました。

つまり、より深く仕事に関わるような社員が欲しければ、お金は答えではないということです。つまり、エンゲージメントはお金では買えないということです。では、お金はモチベーションを下げてしまうのか?一部の研究者はそうだと言います。つまり、給料という外的なモチベーション要因をもらうことで、内的モチベーションが「曇って」しまうと述べています。

心理学でこれを「過度の正当化理論」と言いますが、具体的にどれくらい給料が上がれば、モチベーションが下がるかなどは分かっていません。しかし、興味深い研究報告があります。


エドワード・デシらは、128の制御された実験をメタ分析しました。最も強く現れたのは、外的報酬がもたらすモチベーションへの悪影響です。この悪影響は、与えられた課題が興味深いものであるほど、大きくなりました。具体的には、報酬が標準偏差1つ分上がる旅に、内的モチベーションは25%下がりました。報酬が期待できて、その規模が分かっていれば、内的モチベーションは36%も下がりました。デシらは、外的な報酬に頼ることで、内的モチベーションをなくしてしまうリスクがあると述べています。

※ちなみに、つまらない課題に対しては、報酬がモチベーションを高めるそうです(参照)。

もう1つ注目したいのが、チョーとペリーのアメリカ20万人の公的機関に務める労働者を対象にした実験。従業員の内的モチベーションは、外的モチベーションの3倍もエンゲージメントに関連していて、更に、この2種類のモチベーションは互いに潰し合うということ。つまり、外的な報酬にあまり興味のない社員は、内的モチベーションが高く、また、エンゲージメントも高い。逆に、報酬に興味のある社員は、内的モチベーションが低く、仕事への関わりも低い。つまり、仕事そのものに集中していて、それが楽しいと思える社員は、仕事への関わりも高い。これは給料が低い社員の間でもみられました。

この結果を見て、例えば、今の仕事が嫌いな人は、給料くらいしか楽しみにするものがないから、こうした相関関係せ見つかったのでは、と問う人もいるかもしれません。それを実証するのは難しいですが、無きにしも非ずかもしれません。また、給料に注目する社員は、仕事を楽しむことを避けている可能性もあります。


その2へ続く

参照
https://hbr.org/2013/04/does-money-really-affect-motiv
posted by ヤス at 02:21| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月25日

自己決定理論・いかに内的モチベーションを発揮させるか

内的モチベーションに関して最も引用されている理論として、エドワード・デシとリチャード・ライアンが開発した自己決定理論があります。この理論は、人間には3つの生来的な心理的ニーズがあると説きます。有能さ、所属意識、そして、自主性。これらのニーズを満たすことで内的モチベーションが発展します。


人が有能性を感じ、自主的で、自己決定的であるとき、興味があることへ自由に取り組むことができます。

では、学業に取り組むときは、どういった条件なのでしょうか?

デシとライアンによると、人が学習過程の中で自由に選択することができると感じていて、その課題がチャレンジングで(ちょっと難しく)、でもそのチャレンジのレベルが越えられそうな時、内的にモチベートされた学習が起きると言います。これらの度合いは、個人と環境に影響されると言います。個人と環境において、それぞれ状況が自主性を支援するものであるか、コントロールするものであるか、また、非モチベーション(モチベーションを挫く)ものかに分類されます。


例えば、先生が学生にレポートを書くための本を自由に選ばせます(自習性支援)。しかし、そのレポートには点数がつけられ、高得点を取るように促されます(コントロール)。そして、成績がつけられ、同じ努力をしても、成績に違いが出る可能性を示唆します(非モチベーション)。個人と環境がいかに適合しているか、これに大きな影響をするのは、これら3要素のどれが最も強く出るかにかかってきます。もし個人が、その環境が有効な情報に満ちていて、有能性と自主性を感じていたら、内的モチベーションが発揮されます。

学校の環境が自主性や有能性を重んじていても、個人がそのタスクに興味を持っていなければ、内的なモチベーションは発揮されません。この場合、成績などどいった外的なものにモチベートされるでしょう。興味がなくても、自己決定によって、その行動を自己と結びつけて自己統合する(少し内的なモチベーションの種類)ことができます。

例えば、化学記号に興味のない生徒も、それが自分のキャリアとどう関わるのかを理解できれば、外的モチベーションを内在化できます。この理解によって、プレッシャーではなく、自己意志によって勉強することができます。このようなモチベーションのシフトは、先生が、生徒を脅かしたり、生徒にプレッシャーや罪悪感を与えるのではなく、生徒がそのタスクに対して抱く感情をきちんと理解することによってのみ起きます。また、先生はそのタスクがなぜ重要か、どのように生徒の人生に影響するかを説明し、彼らが成功するために必要なスキルを持つことを確かめる必要があります。


なぜ一部の生徒は学習を、学習そのものが心を満たしてくれるからする一方で、その他の学生は、外的なものでないと学習しようと思わないのか。自己決定理論では、内的モチベーションは個人がどう環境を認識しているかと自己をどう認識するかの相互作用によって決まると考えます。興味、チャレンジ度合い、持っているスキル、有能感、そして、学習環境での選択度合い、こうした事柄が内的・外的モチベーションのバランスを決定します。

参照
https://msu.edu/~dwong/StudentWorkArchive/CEP900F01-RIP/Webber-IntrinsicMotivation.htm
posted by ヤス at 06:58| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

内的モチベーションが健康とパフォーマンスに好影響

サザエさん症候群があるように、日曜の夜や月曜の朝に気分が落ち込む人も少なくないと思います。例えば、アメリカでは多くの労働者の気持ちが金曜日の夕方に急激に高くなり、日曜の夜から月曜の朝にかけて落ち込むとわかっています。なぜ働くこと、また、働くことを考えるだけで、気分にネガティブな影響が出るのか?


これを考えるのに内的、外的モチベーションがヒントを与えてくれます。内的モチベーションはそれをするだけで楽しい、純粋に興味があることです。例えば幼い子供が塗り絵をしたり、あなたがゴルフをすることかもしれません。労働はしばしば外的モチベーションと考えられます。しかし常にそうでしょうか?

人々は様々な理由で働きます。生計を立てるために働くでしょう。これには衣食住にかかる費用や子どもの教育費もあるでしょう。

しかしそれ以外にも働く理由はあると思います。それはお金よりも大事なものだったりします。自己価値観を高めたり、周囲に違いを出したり、また、個人的な興味を満たすこともあります。そしてこの働く理由は、人のパフォーマンスと気分に大きな影響を与えます。

お金のために働くのは外的なモチベーションです。外的モチベーションはお金だけではなく、昇格や資格、他人からの承認や、他人からの批判を避けようとすることも含まれます。研究では、高い外的モチベーションだと、労働者は最低限の仕事しかしなく、時には仕事を端折ったりすると報告されています。この傾向は特にボーナスという金銭的な報酬があると強く出ます。彼らはプレッシャーを感じるので、健康も下がります。

誰でもある程度は、自尊心を高めたり、批判や恥を避けようと働く部分はあります。しかし、それだけでは健康に悪影響をもたらします。


内的モチベーションには、対象行動が自分の価値観とフィットして、意義を感じられることが大事です。自分の仕事が、自分の大事にする顧客や環境、関係者にどんなポジティブな影響をもたらしているかを考えることで、仕事の意義により気づくことができます。このようなモチベーションは健康や気分、パフォーマンスに良い影響を与えます。

仕事は全てが内的モチベーションになるとは言い難いケースも多いですが、知っておくと有効なコンセプトだと言えます。


参照
https://www.psychologytoday.com/blog/getting-monday-morning/201709/what-gets-you-monday-mornings?
posted by ヤス at 16:46| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする