2022年05月04日

リカバリーナラティブ:心の問題から回復した人の話に触れることで自らの心の問題の解決に役立てる

リカバリーナラティブとは、心の問題など、健康上の問題から回復した人の話に触れることで自らの心の問題の解決に役立てることを言い、近年、メンタルヘルスの改善のための手段として注目を浴びています。他人のリカバリーナラティブに触れることは、自分自身の心の問題に対処するのに役立つのです。従って、治療の一部に組み込まれることもあります。リカバリーナラティブの特徴としては、個人が逆境を克服し、成長する様子を語るものです。


現在、私が属する研究チームでは、リカバリーナラティブの臨床試験を行っています。リカバリーナラティブをウェブ上に集め、参加者はウェブのアルゴリズムを使い、自分に合ったナラティブにアクセスします。同じようなことに苦しむ人が回復していった様子を学ことによって、自分の心の健康に役立てます。また、自分の周りに話す人がいなかったり、他人に話すことを恥だと感じる人たちにとっては、このようなツールは孤独感から守ってくれます。

しかしながら、全ての話が万人に良いわけではありません。治療者は気をつけて使う必要があります。例えば、自傷行為に関する話(特に摂食障害に関連するもの)は、同様の問題に対処する人々のさらなるトラウマを誘発する可能性があります。また、話の内容や話し手に多様性が必要であることも挙げられています。例えば、話し手の人種が、自分とは異なる人種ばかりだと、疎外感を感じることもあります。より多様な話、話し手が必要です。

参照
https://www.medicalnewstoday.com/articles/325117
posted by ヤス at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月21日

自己評価維持モデル:親密さ、パフォーマンス、関連性

私たちは友人や配偶者の功績を誇りに思い、それによって彼らとより親しくなることもあれば、時には彼らの功績が脅威となり、人間関係が壊れる原因となることもあります。このような現象を「自己評価維持SEMモデル」と言います。

自己評価維持モデルは、2つの仮定に基づいています。

(1)人は自分に対する肯定的な評価を維持したいと思う。
(2)自分が自分をどう評価するかは、ある程度、親しい人々の成果によって決まる。

そしてこれらの仮定は社会的・個人的な行動を理解する上で有用だと考えられています。親しい人の業績が脅威となり、自己同一性の変化や対人関係に否定的な結果をもたらすのが「比較過程」、彼らの業績が個人的にも関係的にも肯定的な結果をもたらすのが「振り返り過程」と考えられます。


「振り返り過程」では、周りの成功によって自分も自分のことをよく思える状態。ここには「親密さ」と「パフォーマンス」が関連します。親密さは、その人たちとどれだけ近いか。パフォーマンスは、その功績がどれだけ優れたものか。これら2つの掛け算の積が、自己評価を上げる程度を決めます。

逆に「比較過程」にある時は、相手のすごい達成で自分の功績が曇ってしまい、自己評価が下がります。ここで親密でなかったり、相手との間に何らかの違い(年齢、性別、人種など)があれば、そこで正当化ができ、ネガティブな感情を減らすこともできます。また、パフォーマンスもすごければすごいほど、感情は大きくなる。つまり、振り返り過程のように、ここでも2つの掛け算の積が自己評価に影響します。

ここで大事なのが「関連性」です。例えば、サッカーのスキルを誇らしく思っている人は、ピアノですごい成果を上げた人と知り合いだったとしても、自己評価を脅かすことはなく、プラスの影響があることの方が多いでしょう。しかし、同じサッカーだったり、フットサルですごい成果をあげている人と会うと、自己評価が脅かされるかもしれません。

従って、自己評価維持モデルによると、人は、親密さが高く、関連性が低い時に、パフォーマンスをたくさんサポートをしてくれて、逆に、親密だけれど関連性が高い時は、それほどサポートせず、邪魔することもあると考えます。また親密さは物理的な距離感を表すこともあり、例えば、見知らぬ人でも目の前でパフォーマンス難にあれば、助けたくなる場合がそうです。

また、人間関係の構築(親密さ)で考えると、関連性が高く、また、他者のパフォーマンスが高い時、自己評価を脅かすので、人はその人から距離を置く傾向があります(親密さを下げる)。逆に、関連性が低いけれど、他者のパフォーマンスが高い時は、自己評価にプラスなので、より親密になろうとします。

最後に、関連性の観点から言うと、キャリア選択や趣味選択への影響があります。パフォーマンスが自己評価に影響する場合、近い他人が何かで非常に優れていると、関連性の高い分野を選ぶと、そこでネガティブな比較が起きるので、関連性の低い他の道を選択するでしょう。そうすることで、比較過程ではなく、振り返り過程に入り、お互いの功績をよりポジティブに見ることができます(親密さの強化)。


このように自己評価が周りの功績でどう変わるのか。これを説いたのが自己評価維持モデルです。一つのモデルなので弱点や当てはまらないこともありますが、社会心理学などでよく触れられるモデルです。

参照
http://psychology.iresearchnet.com/social-psychology/self/self-evaluation-maintenance-model/
posted by ヤス at 20:57| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月22日

不安の原因と治療法

不安発作とは?

不安発作とは、圧倒されてしまうほど大きな不安、心配、苦悩、または恐怖を感じることです。多くの人にとって、不安発作は急ではなく、徐々に進行します。ストレスのかかる出来事が近づくと、不安発作が悪化することもあります。

不安発作の症状は様々で、個人差もあります。これは、不安の多くの症状が誰にでも起こるわけではなく、時間の経過とともに変化することがあるためです。

不安発作の一般的な症状は以下の通りです。

気が遠くなる、めまいがする
息切れがする
口の渇き
発汗
寒気やほてり
不安や心配
落ち着きのなさ
苦悩
恐怖
しびれやうずき


パニック発作と不安発作には共通の症状がありますが、同じものではありません。


不安の原因は何か?

不安の正確な原因は研究者にもわかっていません。しかし、いくつかの要因が絡み合っていると考えられています。それは、遺伝的要因、環境的要因、脳内化学物質などです。

さらに、研究者たちは、恐怖をコントロールする脳の領域が影響を受けているのではないかと考えています。現在の不安症の研究では、不安症に関係する脳の部分をより詳しく調べています。


不安症を診断するテスト

1つのテストで不安症を診断することはできません。むしろ、不安症の診断には、身体的検査、精神的評価、心理学的アンケートなどの診断が必要です。

医師の中には、あなたが経験している症状の原因となりうる基礎疾患を除外するために、血液検査や尿検査を含む身体検査を行う人もいます。

また、あなたが経験している不安のレベルを医師が評価するために、いくつかの不安テストや尺度が使用されます。


不安症の治療法

不安症と診断されたら、医師と一緒に治療方法を検討します。人によっては、医学的な治療が必要ない場合もあります。症状に対処するためには、生活習慣の改善で十分な場合もあります。しかし、中等度や重度の場合は、医学的な治療によって不安を克服します。

不安症の治療には2種類あり、心理療法と薬物療法です。多くの場合、まずは心理学者や精神科医に相談することが第一のステップとなります。

参照
https://www.healthline.com/health/anxiety
posted by ヤス at 08:03| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月18日

不安障害の種類と症状

不安障害の種類

不安が関係する障害にはいくつかのものがあります。

パニック障害:予期せぬ時にパニック発作が繰り返し起こる。パニック障害の人は、次のパニック発作を恐れて生活することがあります。

恐怖症:特定の物体、状況、活動に対する過度の恐怖。

社交不安障害:社会的な場面で他人から批判されることを極度に恐れる。

強迫性障害:不合理な考えが繰り返され、特定の行動を繰り返してしまうこと

分離不安障害:家や愛する人から離れることへの恐怖

疾病不安障害:自分の健康に対する不安(以前は心気症と呼ばれていた)

心的外傷後ストレス障害(PTSD):心的外傷を受けた後の不安



不安の症状

不安の感じ方は、人によって異なります。胃の不快感から、心臓がドキドキするような感覚まで様々です。心と体の間に隔たりがあり、コントロールできない感じがするかもしれません。

また、悪夢を見たり、パニック発作を起こしたり、自分ではコントロールできないつらい考えや記憶があったりします。全般的に恐怖や心配を感じることもあれば、特定の場所や出来事を恐れることもあります。

全般性不安の症状には、以下のようなものがあります。

心拍数の増加

速い呼吸

落ち着きのなさ

集中力の低下

不眠


あなたの不安の症状は、他の人とは全く違うかもしれません。だからこそ、不安の現れ方を色々と知っておくことが大切になります。


参照
https://www.healthline.com/health/anxiety
posted by ヤス at 18:39| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月14日

不安障害の概要

不安は、ストレスに対する体の自然な反応です。これから起こるであろうことに対して、恐怖や緊張を感じることです。初めて学校や会社に行く時、就職面接、スピーチなど、多くの人が恐怖や緊張を感じます。

しかし、不安な気持ちが極端で、6ヶ月以上続き、生活に支障をきたす場合は、不安障害の可能性があります。

不安障害とは?
新しい場所に引っ越したり、新しい仕事を始めたり、テストを受けたりするときに不安を感じるのは普通のことです。この種の不安は不快なものですが、それによって、より頑張ろう、より良い仕事をしようという意欲が湧くこともあります。通常の不安は、表れたり消えたりするものの、日常生活に支障をきたさない程度です。

不安障害の場合は、恐怖感が常につきまとうことがあります。恐怖感が強く、時に心が衰弱してしまいます。

このタイプの不安は、楽しみにしていたことをやめてしまったり、極端な場合、エレベーターに乗れなかったり、道を渡れなかったり、家から出られなかったりすることもあります。治療せずに放置しておくと、不安はどんどん悪化していきます。

不安障害は感情障害の中でも最も一般的なもので、年齢に関係なく誰もが診断される可能性があります。米国精神医学会によると、不安障害と診断される可能性は男性よりも女性の方が高いとされています。

参照
https://www.healthline.com/health/anxiety
posted by ヤス at 07:33| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする