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2016年06月13日

自身と他人の苦しみに対する繊細さと、それを和らげようとする深い意気込み

思いやり中心療法について学んでいます。参照の映像についてキーポイントを書いていきます。

トラウマで難しいのは普通の生活に帰ってくる時です。例えば、軍人は戦場で強い絆を感じます。こうした友好的システムは、男性のバディシステムによく見られます。脅威的な環境の中で安全とつながりを感じさせてくれます。しかし、こうしたシステムは安全な環境では不向きです。日常生活に復帰した軍人の多くが、バディが周りにいないので空虚感や自己批判を感じます。


孤独感も大事な感情です。孤独感を感じている時、友好的システムは動いていません。人が宗教を求める最も一般的な理由は孤独感からの解放です。孤独の感情は恐怖や怒りといった感情と強く繋がっています。そして、特に損失に対する嘆きの過程などにおいて、驚異的な感情を処理しにくくします。思いやり中心療法は、切り離された感覚や、疎外感といった内的な孤独感の処理に役立ちます


仏教徒の思いやりとは何か。トゥプテン・ジンパは4つの要素があると言います(Jazaieri, et al., 2012)。1つは、苦しみへの気づき(認知的、共感的な気づき)。2つ目が、苦しみによって感情が動かされる事に関する同情(感情的要素)。3つ目、その苦しみから逃れたいという望み(意図)。そして、その苦しみを和らげる反応(動機的)。

思いやり中心療法では、2つの心理学を説きます。思いやりとは、「自身と他人の苦しみに対する繊細さと、それを和らげようとする深い意気込み」だと定義していますが、2つの心理学とは、1つ目が、苦しみに対してアプローチし、理解し、取り組むこと。2つ目が、苦しみを和らげること。この2つだと言えます。

ケアをする(日本語では「配慮」となるでしょうか)とは、他人に対して気遣うこと、他人が苦しみから自由になると望むこと、他人の幸せに興味があり、他人の成長と繁栄を望むことだと言えます。


ある研究では(Fogel, Melso, & Mistry, 1986)ではケアをするとは、それが必要なことに気づき、ケアしたいという動機があり、ケアをするために何が必要かを理解し、それを表現でき、他人への影響からフィードバックを得て変化することだと言えます。

参照
https://www.youtube.com/watch?v=Gm_PEFYgnus
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2016年06月10日

人間脳は社会的なシグナルに反応するに最も進んだ脳

思いやり中心療法について学んでいます。参照の映像についてキーポイントを書いていきます。

ポジティブな感情の機能を理解するのは、セラピーにおいて非常に大事なことです。なぜなら、ポジティブな感情には心を回復させる能力があるからです。そこで(思いやり中心療法の多くのエクササイズは体感覚を大事にするので)次の状況をイメージして体の感覚を感じてみてください。

もしあなたが1億円の宝くじを当てたらどんな体感覚を感じるでしょうか?

交感神経が活性化され、軽度の軽躁状態を感じるでしょう。思考が走り回り、例えば、論文を書こうにも集中できないでしょう。数日間寝られないでしょう。そして元に戻すのは非常に難しいでしょう。つまり、悪いことだけではなく、良いことも脳に長期的な変化を与えます。


快感は3つの感情システムでは、駆り立てシステムで処理されます。体感覚では、活性化、心臓の鼓動が速まり、行動せよというプレッシャーが高まり、睡眠妨害をします。思考や焦点は、狭くなり、詮索的になります。つまり、この種の良いことが起きて快感を味わっても、私たちの焦点は狭くなります。

赤ちゃんの例を思い出すと、赤ちゃんは親からの愛情で快感を味わいます。それがその人間関係として構築されていきます。つまり、ほとんどのポジティブな感情は人間関係の中で味われるということです。極端な例を言うと、1億円を当たったと同時に、あなたをロボットの世界に送るとします。生活の必要なことはすべてロボットが対応してくれます。しかし誰も人間には会うことはできません。どうでしょう?誰もこの1億円を選ばないと思います。つまり、物質主義が進んでも、快感をもたらす人間関係を人間は選びたいと思うのです。人生の初期段階でそのような肯定的な人間関係を親と構築することがいかに大事かがわかります。


ペリーのルーマニアでの実験では、この快感を受けた子供の脳は、そうでない子供の脳と比べると3歳の時点で、脳の発達に大きな違いがありました(Perry, B. (2002). Childhood Experience and the Expression of Genetic Potential)。

人間の脳は、社会的なシグナルに反応するのに最も進んだ脳なのです。

ここでまた話を満足システムに戻しましょう。満足とは安全を感じることから生まれます。動物は丈夫な愛着を感じることで心の安全を感じます。愛着から安らぎを感じるのです。生物学の調査では、特定のカメは、卵を産んだ後にすぐその場を去らなければなりません。この種のカメは丈夫な愛着がないために、1〜2%しか大人まで成長して繁殖しないと言います。

赤ちゃんが愛着によって、安全を感じることができると、そこには脅威だとか、駆り立てといったものがありません。この状態にある時に放たれる神経物質の一つがオキシトシンです。オキシトシンには面白い機能があり、これによって母親は子供を守りに入るため、感情的には怒りの感情を引き起こすそうです。

赤ちゃんが安全を求めるのは、大人もすることです。何かイライラすることがあれば、誰かに電話をして話をするでしょう。そして、その人がちゃんと話を聞いてくれて、共感してくれることで、気持ちが落ち着きます。私たちの脳にとって社会性がどれだけ重要かがわかります。

哺乳類にとってケアをする心は非常に大事です。ケアとは近さを求めて、保護や食物を得ることもそうですが、安らげること、安全を感じられることが肝です。協力的な関係性も安全を感じさせてくれます。


例えば、戦争の中にいる兵士は恐ろしいことをしないといけません。しかし、彼らはそれをします。なぜか?同じような恐怖をシェアする仲間がいるからです。シェアをするだけで怖いこともできてしまいます。しかし、うつ病やパニック障害をもった兵士は、自分は一人だと感じてしまい、何もできなくなってしまいます。

従って孤独感は、私たちの心にとって非常に大きな障害となります。

子供がこけて痛い思いをした。親は自然にそこに行って、子供に触れ、なだめます。これが最も効果的なのです。生物的にそのようにできています。しかし、子供の頃に一人にされた強烈な経験がある子供はそういった心の回復ができません。恐怖とともに、誰も自分のために来てくれないのだ、といった思いが統合されます。誰かがなだめてくれる、安心を感じさせてくれるというのが私たちにとって非常に大事なのです。

満足システムにいる時、体には落ち着きや遅いペースを感じています。なぜならこの時、私たちは副交感神経を使っているからです。そして、焦点は広がります。行動も平静で、社交的になります。

参照
https://www.youtube.com/watch?v=qnHuECDlSvE
posted by ヤス at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月01日

脅威、駆り立て、満足システム

思いやり中心療法について学んでいます。参照の映像についてキーポイントを書いていきます。

思いやり中心療法で特に大事なのが3つの感情制御システムです。ここで抑えたいのが動機と感情の違いです。動機は、社会的メンタリティーと同じように、動物が生存し、種を保存するために発達したものです。従って、思いやりも動機の一部に入ります。そして、感情はそういった目的に対して私たちが成功するように誘導をしてくれるものです。


そして、3つの感情制御システムとは、脅威と自己防衛に関わるシステム、行動や達成に関わるシステム、そして、満足感や安心感に関わるシステムがあります。私たちの感情はこの3つだけではありませんが、思いやり中心療法では特に大事な3つです。これは動物進化の機能分析から生まれました。

つまり機能なので、私たちには脅威や自己防衛をするように促す感情機能があり、行動や達成をするように促す感情機能があり、そして、満足感や安心感(休息だったり食べたものを消化したり。これらは安心しないとできない)を感じるよう促す感情機能があるということです。

脅威システムは最も強力なシステムです。例えば、サルがバナナを食べていて安心しているところに、ライオンの鳴き声を聞いたら、その途端、脅威システムがサルの脳を占拠します。そして、逃げるようにホルモンを放出します。この脅威システムは自己防衛に関わっていて、安全を求め、活性化や抑制といった動きをします。感情的には怒り、不安、嫌悪を扱います。

駆り立てシステムは報酬や資源に焦点をおきます。何かを求めたり、達成しようとしたり、消費したりします。活性化するかどうかがこのシステムの動きです。駆り立てられた感情や、興奮、気力といった感情を扱います。これら2つのシステムは活性化に関するので、アンフェタミンなどを飲むと強化されます。

そして、満足システムは、特に何を求めるわけでもない、親和的なシステムです。安心感や優しさを求め、物事を柔らげる効果があります。満足、安全、つながりといった感情を扱います。


それぞれのシステムに関して、どういった体のサインがあるのか。例えば、脅威システムが作動している時、不安という感情が強化されるでしょう。この時、体や心の感覚としては、緊張していて、心臓の鼓動が速く、口が乾燥し、胃がキリキリして、何かに怯えている感じがあります。そして、注意の方向は、狭くなり、危険なことに考えが行き、脅威がないかスキャン(詮索)します。行動としては、回避的になり、従属的になり、その場からディソシエート(切り離された)ような行動を取ります。

脅威システムには怒りの感情もあります。この感情だと、同じように体と心の感覚は、緊張、心臓鼓動の速まり、そして、行動せねばというプレッシャーを感じるでしょう。不安と同じようなものもありますが、これらを区別することは非常に大事です。境界線障害にある患者はこれらが区別できません。例えば、不安からくる緊張と怒りからくる緊張を区別できないのです。また不安であれば緊張から排尿するケースがありますが、怒りではそれはないでしょう。注意は狭くなり、違反に目が行きます。

例えば、買い物をしていて10店中、9店で素晴らしいサービスを受けて、1店でひどいサービスを受けたら、多くの場合、私たちはその1店を覚えているでしょう。これは脅威システムが最も強いからです。しかし、このことを理解できたら、脅威システムが現れて怒りの感情を起こした時に、それに気づくことができます。怒りの感情を持っていると、それが体に現れます。結果、怒っている本人が不健康になります。その代わりに、9店を思い出して、良い感情を抱き、健康を得ることもできます。思いやり中心療法ではこういった気づきを得ることもできます。怒りの感情がもたらす行動としては、アウトプットを増やそうとしたり、怒りの表情を作ったり、何かに接近しようとしたり、そこからディソシエート(切り離された)しようとします。


感情の条件付けというのがあります。私たちの中には、感情を感じたり、我慢したり、表現するのが難しいという人がいます。それと同時に、そうした感情や欲望が無意識になっているとも考えられます(Ferster, 1973)。

例えば、子供が怒ったことに対して、親が処罰を与えたとします。すると、その処罰に対して、不安、恐れ、ショックなどが生まれます。ファースター曰く、こういったことが何度も繰り返されると、これらの内的な合図が外に現れます。そして、ケアを求めるという行動にさえ、子供は不安を覚えてしまいます。これを身体的記憶と言います。

こういった場ではケアを求めることが安全ではなく、脅威となります。これらが幼少期に起きると、子供は記憶はないのだけれども、近い関係性において理解できない気持ちを抱きます。こういった身体的記憶が強い理由の一つは、非認知システムだからというのがあります。例えば、ある種のお酒を大量に飲んで、嘔吐をした人が、次の日にそのお酒の匂いを嗅ぐと嘔吐をしたような感覚になります。これは、嗅覚の情報が、悪い気分に条件付けされ、次の日にまた同じ嗅覚情報で気分が再起されたのです。


感情が葛藤することはよくあります。例えば、怒り、不安、悲しみは互いに感情をブロックし合います。境界線障害の人は、怒りと不安を感じることはできますが、悲しみを感じることはできません。うつ病の人は、不安と悲しみを感じられますが、怒りを感じられません。それぞれの感情は防衛的な行動と記憶を持つことがあります。

そして、これらの感情にはそれを社会的に使う戦略があります。怒りは支配的な行動、不安は従属的な行動、そして、悲しみはケアを求めるようは行動を促します。例えば、ナルシスト人格障害の人は支配的な行動を取るでしょうし、依存症の人は従属的な行動を取るでしょう。

参照
https://www.youtube.com/watch?v=qnHuECDlSvE続きを読む
posted by ヤス at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月31日

薬物依存は耐性(慣れ)と退薬(薬がないと不快)状態をもたらす

薬物依存で依存状態に陥らせる薬物は通常、耐性と退薬という状態を作ります。耐性を作るには2つの要素が必要だと言われます。1つはメタボリック(新陳代謝)耐性。多くの薬物は肝臓の酵素によって分解されます。薬物の一部はこれらの酵素によって統合され、より速く排除されます。もう1つは機能耐性。人の神経細胞が薬物の効果を補います。もし薬物が特定の受信体を活性化させるのであれば、その効果を維持するために受信体の数を減らしたり、受信力の向上を高めたりします。この機能耐性があるために退薬がおきます。


薬物は脳の報酬システムに影響します。脳幹にある腹側被蓋野(ventral tegmental areas)から脳の全部にある中隔側坐核(ちゅうかくそくざかく、nucleus accumbens)への通路と関係しています。薬物はこの中隔側坐核のドーパミン分泌を活性化すると考えられます。このドーパミン分泌は様々な方法で行われます。いくつかの薬物はアンフェタミンを分泌することやコカインの再取り込みを防止することで、ドーパミン分泌をします。他の薬物だと、他の神経伝達物質に影響をして間接的にドーパミン分泌をするものもあります。


最近の調査では、前頭葉(ftontal lobe)の働きが注目されています。ドーパミンによってもたらされる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ、orbitofrontal cortex)と前帯状回(anterior cingulate gyrus)の変化が、中毒の作成につながっているとされています。ゴールドスタインとヴォルコウの調査によると、中毒の際には前頭葉が活性化し、退薬の際には非活性化すると報告されています。この動きは抑制機能にも関係し、例えば過剰にアルコールを摂るとこの抑制機能が落ちることもわかっています。


薬物刺激は条件付けされた反応を生み出すとも考えられます。だから再発が起こるのは、退薬が起きてしばらく経ってからなのです。薬物は中隔側坐核に長期的に影響をし、インセンティブ効果と関連すると考えられます。

また中毒には社会的な影響もあります。ギャンブルもその例です。ギャンブル中毒に影響する要因として、職を失ったり、離婚、低い自尊心などがあがります。


では薬物関連障害はどう治療されているのか。この治療法の選択が難しいのには理由があります。どの薬物に対して障害があるのかによって、治療法が異なる。長期間の治療をやり遂げられない。また、何の介入もなしに回復するケースもある。そして、薬物依存に対して異なる基準が使われている、などといったものが理由としてあがります。

こうした治療の成功率はほどほどだと言えます。複数にわたる試みを経て、4割が成功に至ります。ゴソップらの2003年の実験では、メタドン治療と合宿治療をして、1年後のフォローアップにおいて、14%のメタドン治療者と33%の合宿治療者が成功しており、4-5年後のフォローアップではこの数字が上昇し、26%のメタドン治療者と38%合宿治療者が成功したと伝えられています。

薬物障害にはメンテナンス療法というのがよく使われ、メタドンがよく使われます。またニコチンに対する治療では、ニコチンパッチなどを使って、ニコチンへの欲求に対処します。また薬物の効果を遮る方法も主流で、ナトレクソンでアヘンの効果を妨げたり、ジスルフィラムをアルコールと混ぜて不快感を与えたりもします。

その他の方法としてモチベーショナルインタビューがあります。薬物使用者の行動を変えるように促します。1991年にミラーとロールニック(Miller & Rollnick)によって作られ、認知療法とクライアント中心療法を元にしたアプローチです。最終的にはクライアント自分からモチベーションの高いメッセージを引き出すことが目的です。

行動的なアプローチとしては、曝露療法が良いとされますが、アルコールには効くけど、麻薬には効かないとされています。随伴性マネジメント曝露療法よりも多く研究が進められています。また認知療法も高く評価されています。

また再発の防止として、自己モニター、肯定的メッセージ、薬物から気を紛らわす、再発と薬をやめることのプラスとマイナスを考える、リスクの高い場面での理想の行動をイメージする、段階的に辞めていく、などがあります。


その他、社会・文化的なセラピーがあります。例えば、本を読んで自己啓発をするとか、合宿をする国もあります。もっとも知られているのが断酒会でしょう。しかしこれも段階的治療と考え方が違うことで万人に向けているとは言えないとされています。


posted by ヤス at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月30日

実験で裏付け。人間には他人を助けたいという本能がある

脳には特定の内蔵された偏見があります。例えば、蛇や電気を恐れるのは持って生まれたものです。また、自己に強い焦点が当たったり、親族を贔屓したり、民族意識を持つ傾向があります。


脳にはこういった特性や偏見がありますが、幸い、私たちの脳はそういったことに気づくこともできます。つまり、意識を意識することができる。これをマインドフルな脳と言います。つまり、新旧の脳のループに巻き込まれるのではなく、それを観察者としてみることができるのです。

これはNLPでいうディソシエーションと似ています。自分が体から出たとイメージして、自分を俯瞰してみてみる。僕の意見では、マインドフルネスをNLP的に言うと、プログラミングの中から、ディソシエーションをして、俯瞰して自分をみてみること。そうすることで解釈された情報ではなく、一時的情報を把握することができる、となります。

そして、マインドフルな脳が俯瞰的に上から見るのに対して、この新旧の脳のループの土台にあるのが思いやりだと思いやり中心療法(CFT)では考えます。思いやりは、いたわり(特に愛着)に根ざした動機でできています。近年の研究でマインドフルネスは脳の上部と前頭葉を刺激し、思いやりは脳の中枢部を刺激すると報告されています。また思いやりとは反対に、競争モードに入ると全く違った思考や身体症状が現れます。


社会的メンタリティーという概念があります。これは、社会的動機システムは、他人の動機システムに依存しているというものです。社会的メンタリティーは、社会的なシグナルを送り、受けることを必要とします。それによって、相互に影響し合う交流の連続性を作ります。CFTはこうした社会的シグナルにより反応できることを目的とします。

例えば、思いやりは交流の中で生まれます。思いやりを発揮している人には、共感であるとか、注意を向けるであるといった能力があります。そして、思いやりを助長するものと邪魔するものがあります(例えば、好きな人と嫌いな人など)。

また思いやりを受けるのが上手な人、下手な人がいます。周りに対してオープンである人は受けるのが上手でしょう。また思いやりを受けるのを助長するもの、邪魔するものがあります。

思いやり中心療法がよく機能するには思いやりを与えること、そして受けること、両方ともを強化しないといけません。多くの患者は思いやりを受けることに難を示します。

これを示す良い例がエドワード・トロニックの「無表情実験 (Still Face Experiment)」です。


参加した赤ちゃんはお母さんの表情が、自分の動きに反応している間は幸せな気分を見せますが、お母さんの顔が無表情になった時、突然、悲しくなります。

この基本的な心理学の科学に関する実験で、トロニックは、私たちの脳は、特に感情的なレベルにおいて、社会的シグナルに反応をすることを示しています。

そして次の動画が「励まし」という面で非常に大事なことを教えてくれます。ジョセフ・カンポスの「嘘の崖(Visual Cliff)」です。


この実験では視覚効果で実際には存在しない崖が目の前に現れます。お母さんの表情が肯定的な時、赤ちゃんは前に進むことができます。そうでないときは進めませんでした。励ましがあるのとないのでは赤ちゃんの行動が大きく変わったのです。

これらの実験では、いかに社会的なシグナルが私たちに影響を与えるかを教えてくれます。誰かの表情だったり、声のトーンなど。大人でも同じです。何か恐ろしいことがあると、誰かの励ましによってできたりできます。つまり、セラピーにおいても、何か直面するのが嫌な問題に対して、励ますことができれば、その問題に直面し、対処をすることができます。これはこれまでの科学ではあまり検証されてきませんでした。でもこの差が、セラピーの結果の差なのかもしれません。あるセラピストはこういったことを無意識のうちにやっているのだと思います。

次の実験は、ワムケンとトマセロの「子供とチンパンジーにおける利他的な行動に関する実験」です。


大事なことは、実験者を助けるとき、子供は快感を感じているということです。うつ病患者の特徴は、他人に対して自分自身の価値を感じられないことがあります。自分に価値はないと思っていることです。この実験では何かに貢献することで、人間は喜びを感じることができるということです。

こういった心理学のことを学ぶのも、誰かを助けたいと思うからだと思います。誰かを助けたいという気持ち、それを人間は持っています。

posted by ヤス at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする