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2017年05月03日

職場でのメンタルヘルス。積極的なケアがコストダウンになる

メンタルヘルスに関する問題は多くの労働者に影響しています。しかしそれらは外に現れにくいので、見逃されがちです。アメリカの大規模なメンタルヘルスの調査(15〜54歳を対象)では、労働者の約2割が前の月に何らかのメンタルヘルス障害の症状を経験したと答えています。


しかしメンタルヘルスの治療などのケアを受けようとすると恥や格好悪いと思う傾向があり、それらが問題を悪化させています。マネージャーも部下のメンタルヘルスをケアしようと思うものの、手段がわからないというのが多くの場合、現状です。そして、臨床に携わるプロも、この分野は比較的新しく、どのように接するかに困っています。

こうしたことが、労働者、個人のメンタルヘルスとキャリアに悪影響をし、また、会社レベルでは、会社の生産性を下げています。しかし反対に、正しい対処をすれば労働者の症状は改善し、会社の生産性も高められます。その実現にはメンタルヘルスに対する態度を変えること、また、正しい知識が必要です。


メンタルヘルスは外から判断しにくいですが、その経済的損失は目を見張るものです。こういった研究はいくつかなされていますが、例えばWHOの「健康と労働パフォーマンス・アンケート(Health and Work Performance Questionnaire)」はよく使われるツールです。このアンケートは、メンタルヘするが原因で欠勤した日数をたずねるだけではなく、出勤した日にどれだけ生産的かもたずねます。そして、全体的にどれだけ生産性が失われているかを考えさせてくれます。

ある研究では肉体的に、または、精神的に症状を持つ34,622人の労働者を10社から集め、会社が医療や治療薬に使う費用と、労働者が上記のアンケートをして、どれだけ欠勤しているか、また、生産性が失われているかを抽出しました。

研究者が最も費用のかかる症状を計算していくと、それは肉体的な症状ではなく、うつ病でした。不安症は5位にランクしました(2位が肥満、3位関節炎、4位が腰痛、首痛)。


これらの研究が訴えるのは、メンタルヘルス問題に関わる間接的なコスト(例えば、生産性のダウンによる損失)は、直接的なコスト(健康保険料や薬代)を上回るということです。メンタルヘルスのサポートを受ける人が少ないことを考えると、企業はもっとメンタルヘルスの予防やそれに関するスタッフを強めることが勧められます。

メンタルヘルスのケアを利用しやすくするためにハーバード大学の研究者が、電話による心理セラピーを施す実験をしました。対象は業種の異なる16の大企業でした。

心理的なケアの必要な参加者を300人ずつ、電話セラピーグループと対面セラピーグループに分けました。結果を見ると、電話グループの気分は上昇していて、対面グループと比べると、現在の仕事に留まりたいという度合いが、大きく向上しました。電話グループの生産性は週2.6時間分、上昇していて、これは約1800ドルに相当します(電話セラピーのコストは100〜400ドル)

メンタルヘルスへの取り組みは積極的にケアをしていくことで、結果的にコストダウンに繋がると言えそうです。


参照
https://www.hcp.med.harvard.edu/hpq/info.php
posted by ヤス at 06:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

職場におけるメンタルヘルスの問題。米2割が過去1ヶ月に経験

メンタルヘルスの問題は多くの労働者に影響を与えているが、目に見えにくい症状のため見過ごされています。アメリカの調査(the U.S. National Comorbidity Survey)によると、15〜54歳のアメリカ人労働者のうち18%が、過去1ヶ月の間にメンタルヘルスの問題を経験したと報告しています。


しかし、そうしたメンタルヘルスの問題を持つという事が恥だと思う傾向が強いため、治療を受ける人は多くありません。特に近年のアメリカではそうした事が知られると職を失うかもしれないと思う労働者は多いようです。同時に、管理職はそうした状況に助けをしたいと思いつつも、具体的な方法はわからないようです。さらにメンタルヘルスの治療者にとっても、患者のケアをしながら、職場で症状をどう対処するかアドバイスをするのは、難しい事だそうです。

こうしたこともあって、メンタルヘルスの問題は認識されず、治療されずに進行しているようです。そしてこれは、個人の健康・キャリアと企業の生産性に大きなダメージとなります。しかし、正しい治療をすれば、労働者の症状は改善し、仕事でのパフォーマンスは向上します。それをするには職場でメンタルヘルスに取り組む姿勢を変えなければいけません。

職場でのメンタルヘルスを考える際に以下がキーポイントとなります。

・職場でのメンタルヘルス問題は、他の状況とは違うことがある。
・これらの症状は病欠につながることもあるが、最も大きなインパクトは生産性の低下である。
・研究では治療をすることが仕事のパフォーマンスを高めが、すぐに治るものでもないと報告している。


参照
http://www.health.harvard.edu/newsletter_article/mental-health-problems-in-the-workplace
posted by ヤス at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月12日

メンタルヘルスを職場の力に

近年のイギリスの調査でメンタルヘルスの問題を抱える従業員のケアをしっかりとすることが、職場において大きなプラスになると報告されています。主な発見には以下のようなものがあります。


イギリスでメンタルヘルスの問題を抱える人はイギリスのGDPに対して、2260億ポンド(約33兆円)の貢献(GDPの12.1%)ができるだろうと考えられている。この数字はメンタルヘルスがもたらすコストの9倍の数字。

仕事がメンタルヘルスにプラスの影響をしている。労働者に対して職場でのメンタルヘルスを問うアンケートをしたところ、86%の人が自分の仕事や職場に来ることがメンタルヘルスを良い状態に保つのに重要だと回答した。

メンタルヘルスの問題を過去に経験した有無に関わらず、悩み苦しみというのが職場に大きな影響をもたらす。悩み苦しんだ心の状態は生産性を下げると調査対象者は答えた。

メンタルヘルスの問題を打ち明けることはプラスの経験だが、同時に差別や悪い印象を伴うこともあり得る。アンケートに答えた人たちの中で、雇用者にメンタルヘルスの問題を打ち明けた人は、それはポジティブな経験で有り、打ち明けない人と比べて、周りにある利用できる心のサポートのことをよく知っていると分かった。しかし、打ち明けない人の理由は悪い印象があり、それを恐れるため。

多くの雇用者が職場でのメンタルヘルスを認識するシステムを欠いている。特にメンタルヘルスによって起きた欠勤をどう調整するかが課題。

今回の報告では、
経営の中心にメンタルヘルスを置くこと。
思いやりのあり、かつ、効率的なマネジメント関係をサポートする。
メンタルヘルスに対する差別を処理し、打ち明けられるような文化作り。
そして、メンタルヘルスの経験がもたらすスキルや多様性を大事にすること。

が大事なことだと推奨されています。


参照
https://www.mentalhealth.org.uk/publications/added-value-mental-health-workplace-asset
posted by ヤス at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月10日

アルコール使用障害、11の症状

アルコール使用障害(alcohol use disorder, AUD)はアメリカでは特に治療されていない症状です。世界的に見ても、AUDは最も広まっている症状の一つで、病気や死の大きな原因となっています。


アメリカではたった20%のAUD患者しか治療を受けていないといいます。2015年4月のアメリカの調査では、アルコールを飲みすぎる人は増加傾向にあると報告されています。2005〜2012年の間で過剰摂取は17%増加しました。

この背景には特に女性のアルコール摂取が目立つようです。過去と比べて女性の過剰飲酒は7倍も増えたそうです。

2015年6月に、国立保健研究機構のブリジット・グラント博士がアルコールの疫学について記事を書きました。研究によると生涯の内でAUDになるのは成人のうち29%であり(約7千万人)、1年間であれば14%の確率(3300万人)でAUDになるとされています。この実験は成人36000人に対しておこなわれたもので、更なる調査が必要だとされています。

DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)4から5に移る中で、アルコール乱用とアルコール依存を分けていたのを統合しました。また、法的な問題が除かれ、アルコールを強く求めることが追加されました。


AUD、11の症状

1. アルコールが意図したよりも多く、または、長時間に渡って摂取される。

2. アルコールに対する欲求が絶え間なくある、または、摂取量をコントロールしようとするが失敗に終わる。

3. 多くの時間がアルコールを摂取するため、または、その効果から影響するための活動に費やされる。

4. アルコールを摂取したいという強い欲求がある。

5. 仕事、学校、家庭での大きな役割や義務を遂行するのの妨げになるほどアルコールを頻繁に摂取する。

6. 社会的、対人関係的な問題がアルコールによって起きているにもかかわらず、アルコールを継続的に摂取する。

7. アルコールのために大事な社会的、職業的、娯楽的な活動が減らされる。

8. 肉体的に危険な状況にあってもアルコールを頻繁に摂取する。

9. アルコールによってもたらされたと考えられる、肉体的、精神的な問題があることを知っているにもかかわらず、摂取を続けている。

10.アルコール耐性がある。つまり、酔っ払ったり、求める状態になるために必要なアルコール量が増えた、または、同じ量を飲んでも効果が小さくなった。

11. 退薬がある。つまり、アルコールがないと不快に感じる。


これらのうち2つ以上当てはまるとAUDだと診断されます。
2〜3=軽度
4〜5=中度
6以上=強度


もし2つ以上、自分に当てはまると思ったら、医者に相談するのがよいでしょう。同調査で、グラント博士は、AUDに関する教育が重要だとのべています。


参照
https://www.psychologytoday.com/blog/the-athletes-way/201506/what-are-the-eleven-symptoms-alcohol-use-disorder
posted by ヤス at 04:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月19日

マインドフルネスを看護師に

マインドフルネスの効果を受ける職の一つに看護師があります。彼らの職は、繊細な気づきと集中力を要します(例えば、患者の雰囲気の違いに気づくなど)。複雑なコミュニケーションや機材の利用など、一歩間違えば大事に至る環境において、こうした能力が必要なのは納得です。


マインドフルネスは患者や他の医療メンバーとのコミュニケーションを向上させると報告されています。これは、コミュニケーションがどのようになされているかに気づくことができるからだそうです。より高い集中力をもって話し、聞くことができると、特に深刻な状況において、より良いコミュニケーションが取れ、より良い治療を施せます。

更にマインドフルネスのトレーニングは看護師のストレス軽減、バーンアウトの確率の低減にも有効です。あるランダム化比較試験では、8週間のマインドフルネストレーニングを受けたグループは、制御グループ(その他のトレーニングを受ける)に比べ、バーンアウトに該当する症状がより少なく、リラックスやマインドフルネス度、注意度や家族関係が改善されたそうです。


参照
https://americannursetoday.com/mindful-nurse/
posted by ヤス at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする