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2015年12月06日

ストレスが脳に及ぼす影響

慢性的なストレスは心と体の健康に害を及ぼします。生物学的なストレス反応は長期的に作用するようにはできていません。現代の生活で、人は様々なストレスを経験し、ストレスは最も大きな健康障害の一つと成っています。



慢性的ストレス

慢性的ストレスは肥満、糖尿病、心臓病、ガン、免疫力低下の可能性を増加させます。また、心の面では不安障害やうつ病と関連しています。アメリカの最近の調査では、66%の人が慢性的にストレスによる身体的症状を、63%の人が精神的症状を経験しているそうです。




メンタルヘルス

PTSDなど、ストレス障害を患う人の脳内を調べると、白色物質と灰色物質の割合が、そうでない人の脳と比べて大きく異なるそうです。ストレス障害を患う人の脳には、白色物質の割合が高いという事が発見されました。研究をしたカリフォルニア大学バークレー校は、将来的にはこのメカニズムの原因を探ろうとしているそうです。



灰色物質

脳内の灰色物質は、情報を処理し保存する「神経細胞(neuron)」と神経細胞をサポートする細胞「グリア(glia)」からできています。白色物質は、大部分が、軸索突起(axon)でできていて、これが神経細胞につながる繊維のネットワークを作ります。白色物質はミエリンで覆われていて、これによって神経を孤立させ、細胞間の信号交通を加速させます。


海馬(Hippocampus)

記憶と感情に関わる「海馬」に関する研究を、大人のネズミに対して行いました。そして、神経幹細胞が予想とは異なる動きをすることを見つけました。当初の予想では、神経幹細胞は神経細胞や「星状細胞(astrocyte)」という種のグリアになると考えられていましたが、ストレス下では、神経幹細胞は「希突起神経膠細胞(oligodendrocyte)」というまた別の種の、ミエリンを作るグリアになりました。希突起神経膠細胞は、神経細胞が情報交換できるようにするコミュニケーション道具である、シナプスの作成にも協力してくれます。

つまり、慢性的なストレスはより多くのミエリン作成細胞と、より少ない神経細胞を作成します。これが脳内のバランスを壊し、脳細胞の通常のコミュニケーションに関するタイミングを壊すと考えられています。


ストレス障害と脳のつながり

ストレス障害を患う人は脳のつながりに変化が現れます。例えば、海馬(hippocampus)と扁桃体(amygdala)に強いつながりを作ります。扁桃体は「闘争・逃走反応」に関わります。またストレス障害は、海馬と前頭前野皮質(prefrontal cortex)のつながりを弱めます。前頭前野皮質(prefrontal cortex)は闘争・逃走反応を弱める働きをします。

もし扁桃体と海馬が強いつながりを持つと、恐怖に対する反応がより急速になります。前頭前野皮質と会話のつながりが弱いと、落ち着く力やストレス反応を抑える力が、弱くなります。従って、ストレス障害を患う人は、ストレス下において、より強力な反応をし、それを抑えるためにより弱い力しかないことになります。


希突起神経膠細胞(oligodendrocyte)

慢性的ストレスがメンタルヘルスの問題となることの原因として、希突起神経膠細胞(oligodendrocyte)が鍵を握るのではと考察されています。また、脳幹細胞が長期的なストレスによって、神経細胞ではなく、ミエリン作成細胞となり、認知機能を低下させているのではとも考えられています(神経細胞が学習や記憶のための電子情報を処理するので)。

これらの発見はネズミを使った実験ですが、ストレスに対しての人間の脳を知る、大きなヒントになります。今後、人間の脳での調査が必要とされています。




参照
http://psychcentral.com/blog/archives/2014/02/25/how-stress-affects-mental-health/
posted by ヤス at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

マインドフルネス瞑想が認知症を遅らせる

中程度の認知障害は20%の人口に影響を与えていて、そのうちの半分が認知症になると言われています。新たな研究でたった15分の瞑想が認知障害の進展を大きく遅らせることができると報告しています。


今回の実験では55〜90歳の参加者を集め、8週間にわたり、毎週マインドフルネスに関する近況報告と、15〜30分の瞑想をしてもらいました。8週間後、MRIを見ると脳内の機能的接続が改善され、海馬(hippocampus)の縮小が遅くなっていました。海馬は認知症が発生すると縮小する記憶に携わる脳器官です。また、参加者は認知力と健康度に関しても向上を示していました

実験の中心者、レベッカ・アーウィン・ウェルズ博士は、マインドフルネス瞑想のことを、「判断を加えない、一瞬一瞬の気づき」だと言います。そして、マインドフルネスの実践は簡単にできると言います。例えば、ボディスキャンと言って、体の各部に順番に焦点を当てることもできるし、ヨガの姿勢を通して、体への気づきを高めることもできます。

マインドフルネス瞑想は非常に効果的ですが、じっとしていられない人には、ウォーキング瞑想やヨガ、太極拳といった手法もあります。



今後の研究では、何分間瞑想をすれば認知症の進行を遅らせることができるのかを知る必要があります。


参照
http://www.prevention.com/health/brain-health/mindfulness-meditation-slows-progression-alzheimers-and-dementia
posted by ヤス at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月03日

イギリスの国会に招待されました

本日(12月3日)、イギリスの国会議事堂であるウエストミンスターに行ってきました。理由は、僕らが作成した「認知症」に関する無料オンライン講座が3000人を超える人々に受講していただき、大好評だったということ、また、認知症は今イギリス国内だけではなく、世界的な問題であるということで、この講座がどういったものなのか、イギリスの健康に関する関係者に発表しようというものです。


政治家はもちろん、イギリスの病院ネットワークの所長さんや、ケアホームの所長さんらが来てくれました。

ダービー大学からは10名ほどが参加しました。幸いにも僕も、認知症のメンタルヘルスについての説明に貢献したということで、そのうちの1人に入れてもらいました(笑)

ダービー大学の学長やオンライン部のディレクター、そして、僕の同僚の健康分野のアカデミック・リード(写真、下)がダービー大学の健康、そして、認知症に関するプログラムを紹介しました。

My buddy David is talking about the Dementia MOOC at Westminster! Smashing :) #dementiaMOOC #udol



作ったプログラムが良かったので、国会に招待してもらえる。非常に良い体験となりました。今後のプログラム作成においてももっと社会性のあるものを作成していきたいと思いました。

We were at Westminster for presentation about MOOC dementia! Good job David!! #dementiaMOOC #udol


この認知症に関する無料オンライン講座、次は2016年3月7日からスタートします。事前登録はこちらから

posted by ヤス at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マインドフルネスの神経科学ーその2

慢性的な痛みは脳の構造に影響を与え、その結果、うつ、不安、そして、認知機能の低下をもたらします。脳内スキャンを見ると、慢性的な痛みは脳内の灰色物質の量、そして、白色物質のつながりに影響を与えます。灰色物質は脳内の神経物質の家となり、白色物質は脳内コミュニケーションを促進します。


2015年のキャサリン・ブシュネルの研究では、薬を使わない心と体のつながりを意識する瞑想によって、慢性的な痛みは予防でき、抑えることができると報告されています。慢性的な痛みにとって最も重要である、大脳皮質の内的構造にある灰色物質に変化をもたらすんだそうです。

そして、ヨガが灰色物質を大きくし、白色物質とのつながりを強化し、これが痛みの感覚を減らすことを見つけました。ヨガをしている人は、そうじゃない人と比べて灰色物質が大きかった。その他の研究でも、例えば、定期的な運動をしている人も大きな灰色物質を持つそうです。

他の実験で慢性的なストレスやコルチゾールの増加が灰色物質を縮めたり、白色物質とのつながりを弱めたりすることがわかっています。

また興味深いことに、マインドフルネス、痛みの軽減、そして、 前帯状皮質の活動は相関関係にあります。感謝をすることが、 前帯状皮質の活動の活性化に影響します。


2014年のイタリアでの実験では、「社会的な痛み」が肉体的な痛みと同じ脳の部分を活性化させると報告されています。また、他人が社会的な痛みを感じるのを目撃すると、脳の共感部分が刺激されるそうです。

アメリカでは車の事故以上に、痛み止めの薬を飲み間違えて死ぬ人の数の方が多く、その数は1日44人に上るそうです。薬物による死者数は2013年から3倍に増え、今では8260人を数えます。

マインドフルネス瞑想のような薬を使わない療法の発達が今後もますます望まれます。



参照
https://www.psychologytoday.com/blog/the-athletes-way/201511/the-neuroscience-mindfulness-meditation-and-pain-relief
posted by ヤス at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月30日

マインドフルネスの神経科学ーその1

1億人以上のアメリカ人が慢性的な痛みに悩まされています。その経済的な費用は、医療費と欠勤を合わせると、年間で5600億から6300億ドル(56から63兆円)だと言われています。

2014年にアメリカの健康機構( National Institute of Health)がレポートを発表し、その中でオピオイドを提唱しましたが、研究者たちは薬物を使わない痛みへの対処法を探しています。


1991年に、アメリカ全体で、痛みに対抗するオピオイドは7600万回、処方されました。これが2011年には3倍の2億1900万回となりました。しかし、同レポートで慢性的な痛みを患う4〜7割の人が適切な処置を受けていないと記されています。薬物処方の場合、その量が適量であるかといった疑問が常に伴います。

驚くべきことに世界中のオピオイド処方のうち、8割がアメリカで出されています。では他国では痛みにどう対処しているのか?マインドフルネスや瞑想がその役割を果たしているようです。


近年の研究でマインドフルネス瞑想を実践することで、脳内に変化を起こし、痛みを感じる能力を下げるといったことが報告されています。ある研究では、痛みに対してマインドフルネス瞑想はプラシーボよりも有効であり、マインドフルネス瞑想によって自己コントロールに関する脳の部分と視床の活動を抑えることがわかりました。

研究者たちは、マインドフルネス瞑想が眼窩前頭皮質(orbitofrontal cortex)と前帯状皮質(anterior cingulate cortex)を活性化させることで痛みを減らすことを知りました。これら2つの部分は、自己コントロールを司ります(眼窩前頭皮質が大きい人は、不安を感じにくく、より楽観的であるそうです)。またマインドフルネス瞑想は視床の活動を抑えます。視床はどの五感情報が脳の中心に進んでいけるかの判断を下す入り口の役目をします。マインドフルネスはプラシーボとは全く異なった方法で痛みを減らすようです。





参照
https://www.psychologytoday.com/blog/the-athletes-way/201511/the-neuroscience-mindfulness-meditation-and-pain-relief


posted by ヤス at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする