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2018年01月24日

ワークライフバランスが強調される背景

ワークライフバランスが強調される背景には、労働者の多様化があります。例えば、アメリカにおいて、女性の労働者数が1970年代に倍増したことが挙がります。そして、結婚して子供が生まれても、働き続けるといった、まさに二刀流の労働者も増えていきました。これに伴い、独身でいる女性も、特にここ20年間、増えました。

当時は母親をしながら働く人に対して、というのが主眼でしたが、近年ではあらゆる種類の労働者に対して配慮されるようになりました。


アメリカの労働者の9割が何らかの家庭における責任があり、5割が家族の誰かをケアする責任を持ちます。これに伴い組織は、良い労働者であり、良い家庭人であれるような労働環境を目指してきました。しかし、組織心理学の研究が明らかにしたのは、単に労働者に親切にするというだけではなく、そういった労働環境の方が高い生産性を生むということでした。多くの労働者がそういった環境で働きたがり、既存の従業員はそうした環境により長くいたいと思い、組織への忠誠心も高まります

代表的なベネフィットとしては、ケア(チャイルドケア、年老いた家族の介護)、柔軟な労働時間(時短、在宅勤務、ジョブシェア)、休暇(産休、家族ケア休暇)などがあります。

多くの企業が、近年、労働者の家族生活が健康であるかを気にしており、その一例として、「ワーキング・マザー」というビジネス誌が1986年に出版され、ここでは、ワークライフバランスに配慮しているトップ100企業を紹介したりしています。

1993年にはビジネスウィーク誌が、家庭・医療休暇を通す法律が認められたときにそれをトップストーリーで紹介し、同誌はその後、2年に一度、「仕事と家族に良い企業」というランキングも公開しています。
そして、フォーブスも1998年1月からそうしたランキングを紹介しています。


参照
http://www.referenceforbusiness.com/management/Tr-Z/Work-Life-Balance.html
posted by ヤス at 18:10| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ライフワークバランスが悪いと心にどう影響するのか

イギリスでは近年、6人に1人が毎週、何らかの心の病に悩んでいると言われています。そして、一年間で、労働に関する心の病は、イギリス全体で1000万労働日もかかっていると言われています。

それに大きく影響することの一つがライフワークバランスです。では、ライフワークバランスが悪いとどういった影響があるのでしょうか。その実態に関する数字を紹介します。

・3分の1の労働者が、現在の労働時間についてよく思っていない。

・4割の労働者が、仕事時間のため、他の大事なことを無視している。これはメンタルヘルスの病気になりやすくする。

・長時間労働が長いと、多くの労働者はうつ(27%)、不安(34%)、ストレス(58%)を感じる。

・全体的に週間の労働時間が増えると、不幸せな感情も増える。

・ワークライフバランスが悪いことについて、女性の方が男性よりも不満を抱える(42%:29%)。仕事外での役割を全うできないことが原因と見られる。

・3分の2の従業員が、悪いライフワークバランスのために、パーソナルライフに悪影響(例:自己投資できない、健康問題、社会生活、家庭生活)を被ったと答えた。



メンタルヘルスの重要性が認められるにつれ、ライフワークバランスの重要性もさらに認められていくと思われます。

参照
https://www.mentalhealth.org.uk/a-to-z/w/work-life-balance
posted by ヤス at 17:40| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月23日

フレキシブルワーキングの個人、組織へのメリット・デメリット

労働に柔軟性をもたらすこと(フレキシブルワーキング)が組織と個人にどのようなメリットとデメリットを与えるのか、考えてみました。

個人へのメリット

家族の用事や、プライベートの用事を片付けることができる。もし労働柔軟性があれば、日中に開かれる保護者会や参観日、気分転換にヨガに行ったり、家具修理の人が家に来る際に、家にいることができます。

通勤にかかる時間とお金を削減できる。1時間以上かけて通勤する人は少なくありません。自宅勤務をすると1日2時間、また通勤にかかる費用を節約できます。また車で通勤する人の場合、それらの人が通勤しなくなれば、その日の交通もスムーズになり、車で通勤する人の時間が短縮されます。

・一般的な通勤時間に出勤しなくて良ければ、ラッシュアワーを避けることができる。

自分で仕事をコントロールする感覚が高まる。この感覚が高まると、自主的に働く気持ちも高まります。

・バーンアウトを防ぐことができる。柔軟性が高まれば、必要なときに休憩を取ることができます。

・集中力が高い時に働くことができる。



組織へのメリット

・就業員のコミットメント、エンゲージメントを高めることができる。

欠勤が減る。

離職率が減る。

採用活動にプラスの影響(多くの労働者が労働時間の柔軟性を求めているので)。



個人へのデメリット

・事務所という環境で働きやすいと思う人には、難しいかもしれません。これが理由で多くの組織では、通常通りに従業員が通勤する日時を決めることもあります。

・自宅で働くと、近所の人や友人があなたは働いていないと勘違いする可能性もあり、それらの人間関係に悪影響することもあります。例えば、あなたが働いてないと思い、子供を見ていてと頼まれたり、何かを修理する人が家に入れてあげルよう頼まれたり。

・仕事と家庭の明確な区切りがないので、自宅で一日中働くということもあります。また、あなたの上司が、あなたの子供の習い事にあなたを付き添わせる代わりに、夜遅くに上司から電話がかかることもあります。


組織へのデメリット

・自宅で働けるということで、テレビで映画を見ながら、メールをチェックするといった従業員も出るかもしれません。

・こうした労働スタイルは信頼が必要なので、従来の皆が会社に特定の時間来るスタイルに慣れている上司は、調整が難しいかもしれません。

・事務所に来ることが好きな社員は、自宅で働く社員を(彼らの仕事ぶりがよく見れないので)怠け者とみるかもしれません。

クライアントに不便を被ることもあります。いくつかの業種ではクライアントは週5日サービスが受けられると思っていても、担当者が金曜日にいないというように。

顧客と接する仕事では、特に労働時間に自由がききません。また、製造業で生産ラインに就く人、看護師のように健康関連で現場にいないといけない人も同様です。これらの労働者を他のタイプの労働者と一緒に扱う組織では、その公平さの維持が難しいでしょう。



まとめとして、フレキシブルワーキングはデメリットよりもメリットが大きく上回ります。そして、良い組織・マネージャーはそのデメリットをうまく回避できます。柔軟に働けることは多くの従業員が望むものです。幸せな従業員は組織のためにより働きます。そして、組織の生産性向上に繋がります。

参照
https://www.thebalance.com/advantages-and-disadvantages-of-flexible-work-schedules-1917964
posted by ヤス at 17:34| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月22日

ワークライフバランスが労働エンゲージメント、生産性に影響

ノースカロライナ大学のフレドリクソンによると、ポジティブ感情は心をオープンにし、好奇心とエネルギーを高めるのに対して、ネガティブ感情は思考を制限し、新たなことを感じ取ることを妨げます。また、仕事に満足している労働者は、より生産性が高いとも報告しています。

別の研究では、ロサーダが数ヶ月間に渡って労働者のミーティング中の行動を分析しました。ポジティブな言葉を使う人は、他人が出す選択肢に対してオープンであり、悲観的で防御的な姿勢を取らない人は、より高いセールスを上げ、同僚とも関係性が深く、より生産的だと述べています。


では労働者にポジティブ感情を持ってもらうにはどうしたらいいか?その一つがライフワークバランスです。フォーチュン500の企業のうち80%が参加するコーポレート・エグゼクティブ・ボードの調査によると、良いライフワークバランスを保つ人は、そうでない人と比べて21%もより一生懸命働きます。そのより一生懸命働いたものとは、彼らのエンゲージメントからきたものでした。

逆にワークライフバランスが悪いと、従業員パフォーマスにネガティブに影響します。自主的な努力が減り、欠勤や離職率が上がり、エネルギーと健康度合いが下がります。また、ストレスやバーンアウトも高まります。

ワークライフバランスとエンゲージメントには強い関係がありそうです。仕事や家庭のことを、比較的柔軟にしていいと、仕事により関わろうとします。高いエンゲージメントは多くの組織が求めることです。

これは「社会交換理論(Social Exchange Theory)」に当てはまります。組織が個人のプラスになるものを提供すると、個人は組織に対して、求められること以上のことをして、お返ししようとします。

ワークライフバランスと生産性を研究したビューレガードとヘンリーは、組織によくしてもらった個人は、その恩恵を感じ、何かを返そうとする。ワークライフバランスはその良い例で、個人はより仕事に関わろうとしたり、仕事への満足感が高まったりする、と述べています。


こうした従業員の行動はエンゲージメントに大きく関係する献身さと情熱に影響します。エンゲージメントは高い生産性に重要な要素で、高いエンゲージメントを持つ従業員はそうでない従業員と比べて3割も生産性が高く、一般的に組織では3割ほどの従業員しか高いエンゲージメントを持っていません。5割は低いエンゲージメント、2割は積極的にエンゲージしない社員です。

ワークライフバランスがエンゲージメント、そして、生産性を高める背景として、個人が大事だ、信用されていると感じることが挙がります。ワークライフバランスが高いことは、仕事への柔軟性を許容することであり、従業員には、選択肢と責任が与えられます。働き方に選択肢があると、生産性は高まります。シェパードらの1996年の研究では、選択肢があると、仕事以外の事柄もでき、オンとオフの切り替えがしやすくなります。


選択肢を与え、自己責任を促進することは、自主性などといった心理欲求を満たします。そして、人は有能さを感じもっと働きたくなります。神経科学者、グレゴリー・バーンズは、少しストレッチしないとできないことが満足を生むと述べています。仕事を上手にしたら報酬脳化学物質、ドーパミンが流れ、満足感が感じられます。

アーサーの調査では、極端な例が報告されています。ワークライフバランスを強化した結果、シェアホルダーが一企業あたり、6000万ドルのリターンをもたらしたそうです。

ピットカツォーフェスとマーチェッタの研究では、ライフワークバランスを強化すると、生産性が1から3割向上しました。理由は、労働者は、時間によりコントロールが持てるようになったことで、事務所で働く時間よりも長い時間自宅で働いたからです。別の調査で、ペリースミスとブラムが527のアメリカ企業を調査し、ワークライフバランスが高い企業では、より高い生産性や売上が見られたそうです。

仕事時間の柔軟性と満足度には関係性があります。仕事と生活の葛藤に対してよりコントロールがあれば、労働者のストレスや罪悪感が減り、組織に対して感謝の気持ちを持てます。それは、組織へのコミットメントであったり、離職率の軽減だったりします。組織や仕事に対してポジティブな感情を持つ人は、よりよく働きます。ワークライフバランスはその一役を担えると言えるでしょう。


参照
http://www.worktolive.info/blog/the-scientific-link-between-work-life-balance-employee-engagement-and-productivity
posted by ヤス at 17:53| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月10日

医者が有能で親切だと、プラセボ効果が上がる

治療が有効だと思うだけで、効果が現れるプラセボ効果。これについては、数多くの研究がなされています。今回、スタンフォード大学のローレン・ホウィ氏は、いかにプラセボ効果を高め、その逆のノセボ効果(ネガティブな期待がネガティブ効果を招く)を軽減するかを研究しました。そこで、医者が親切で有能だという印象が大きく影響することがわかりました。

医者は近年、患者とラポールを形成することを求められています。今回の実験は、なぜそうした心理的、社会的な面が治療に大事なのかを裏付けてくれます。

今回の実験では164名の健康な患者が、食事の好みに関する実験に参加していると告げられます。そのためにまずはアレルギーテストをすると言われます。女性の医師が、アレルギー予防のヒスタミン(皮膚の腫れや炎症を防ぐ)を注射で投与します。そして、そこに効果のないプラセボクリームを塗ります。一部の参加者には、それで腫れが治ると言い、他の参加者には腫れが増加すると言います。

さらに参加者は、医者の態度で、4つのグループに分けられます。暖かく有能、冷たく有能、暖かく無能、冷たく無能。

例えば、暖かく振る舞うケースでは、患者の名前を訪ね、その名前で呼び続けたりしますが、冷たく振る舞うグループではそういったことはしません。有能に振る舞うケースでは、患者とアイコンタクトを取り、自信のある態度で話します。無能なケースではこの逆をします。また、有能なケースでは、綺麗な診療室なのに対し、無能なケースでは汚い診療室で診断します。

ヒスタミン注射の後、リサーチアシスタント(どの参加者がどのグループかを知らない)が参加者の皮膚反応を記録します。

結果は、有能で親切な医者に会い、クリームによって、皮膚反応が軽減すると言われた参加者の皮膚反応は、最も小さく出ました。また、クリームによって、皮膚反応が増大すると言われた参加者ですが、それに伴う結果は見られなかったそうです。

今回の実験では、健康な参加者を使った、短時間での皮膚反応を見た、また男性の医師ならばどうだったかはわからない、等の点は限定されていますが、プラセボ効果に関して重要な発見だと思います。


参照
https://digest.bps.org.uk/2017/10/27/the-placebo-effect-is-amplified-when-doctors-appear-likeable-and-competent/
posted by ヤス at 19:59| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする