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2019年02月09日

バーチャルリアリティーが悪い夢に悩む人を救う

新たな実験で、バーチャルリアリティーを使った治療が、悪い夢に悩む人を救えるかもしれないと報告しています。これまでの悪夢への治療法は時間をかけてセラピーをするか、薬物治療が主でした。薬物治療では、意識を朦朧とさせるため悪い副作用が出ます。

そこで研究者はオキュラス・リフトというバーチャルリアリティーの装置を用意し、そこでは患者に、自分が見る悪い夢の対象を特定してもらい、それを怖くないように映し出すようにします。更に、患者はその対象が更に怖くなるようなストーリーを作ります。


この実験では4週間に渡り、8回のセッションを提供し、19人の患者が参加しました。セッションの結果を見ると、不安、悪夢によるストレス、悪夢の頻度が下がりました。

今回の実験ではコントロールグループがないため、まだ定かではありませんが、より精度の高い実験をする価値はありそうです。

今回の治療法の良い点は、患者が自分のオーダーメイドの映像やストーリーが作れるというところです。研究者は次は、よく悪い夢を見て悩んでいる子供のためのバーチャルリアリティーを作ろうと考えています。


参照
https://www.psypost.org/2018/12/virtual-reality-therapy-shows-promise-in-the-treatment-of-nightmares-52833/amp
posted by ヤス at 07:20| Comment(1) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月29日

AIで従業員のモチベーションを分析・アチューンド

東京のアチューンド(Attuned)は、「予測的HR分析」という特殊な分析をして、それぞれの従業員が何にモチベーションを持っているのかを明確にするツールを開発しました。日本の多くの企業がこのツールに投資をし、従業員の心を読もうとしているそうです。


アチューンドでは、従業員は55問のアンケートにオンラインで回答します。質問は2つのペアとなる項目から成り、例えば、「1日の行動を前もって決めておくと、安心感がする」と「集中すべき仕事は、その日の流れで決めたい」という項目から、どちらが自分に合うかを選びます。

結果は「モチベーション・プロフィール」として11個の人間的価値観(例:競争、フィードバック、自主性、安心感、経済的必要性)に分類されます。

モチベーションが高い分類は「必要である」とされ、低いものは「あったらいい」などと分類されます。これらの情報は、マネージャーにとって、その従業員がどのような環境で力を発揮するのか、何がモチベーション維持に有効なのかを知るのに役立ちます

社交性が大事な従業員にとって、例えば、金曜日に飲みに行こうと言うとモチベーションになるかしれませんが、経済的なことを優先したい従業員にとってはそうではありません。またこのツールでは、マネージャーと従業員の共通の価値観も導き出してくれます。

アチューンドは基本的なパッケージだと年間で約20万円かかります。そして企業規模に応じて価格は変化します。また、この基本パッケージには「追加アンケート」があり、30秒程度で答えられるアンケートが2週間おきに送られ、モチベーションを測定します。このような仕組みで従業員のモチベーションをこれまでにないほど速く知ることができ、従業員(そしてマネージャー自身)のストレスの軽減にもつながります。

またこの情報は、従業員を配置する際にも、どの部署であれば最も力を発揮するかを考えるのに役立ちます。採用にも使えるでしょう。ある企業では、アチューンドを使ったおかげで、ミス採用(6ヶ月以内にやめてしまうケース)の確率が35%から8%に減ったそうです。


開発には、心理学者を巻き込んで、2年以上を要したそうですが、興味深いことに年齢、性別、文化によるモチベーションの違いはなかったそうです。しかし、若干の文化的な違いは回答する様子に見られたそうです日本の労働者は、「強く同意する」といった選択肢は選ばず、「どちらかというとそうだ」といったソフトな回答を選ぶ傾向が強いそうです。

アチューンドは日本では、楽天、デンソーといった企業で採用されているそうです。

たまたまこの記事が目に入ったのでアチューンドのサービスについて書きましたが、ヒューマン系とされている分野でもどんどんとIT技術が入ってきて、良いサービスを提供しています。人の心をどれだけIT技術でサポートするか。これはYES・NOといった二択の問題ではなく、「人間が何をどのように使うか」という問題だと思います。今後ますます大事になる論点だと思いました。

参照
https://www.businessinsider.co.za/employee-motivation-survey-attuned-japan-startup-2019-1
posted by ヤス at 08:10| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月14日

自然連結性(Nature connectedness)とは

自然連結性(Nature connectedness)とは、個人が自分のアイデンティティーに、自然をどれだけ含ませるか、その度合いのことを言います。自然連結性とは、自然や自然が作ったもの(それが必ずしも良いものでなくても)への理解でもあります。自然連結性の特徴は、性格の特徴とも似ています。自然連結性は長期間に渡り、また多岐にわたる状況において一貫しています。シュルツは自然連結性には3要素があると言います。

認知的要素:自然連結性のコアであり、個人がどれだけ自然と統合されていると感じるか。
感情的要素:自然に対するいたわりの感情。
行動的要素:自然環境を保護しようというコミットメント。


この3要素が自然連結性を作り出し、自然と健康的な関係を作るのに必要なものです。自然と繋がっていると感じる人は、自然へのいたわりの気持ちが強く、自然を保護しようとします。近年の研究では、自然に触れることは、健康と幸福に様々な便益をもたらすと報告されています。

参照
https://en.wikipedia.org/wiki/Nature_connectedness
posted by ヤス at 01:07| Comment(0) | 心理学理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月12日

欧州でうつ病成人が多い国:アイスランド、アイルランド、ドイツ、トルコ。イギリスも上位

うつ病を抱える人口が国別に公表され、イギリス人のうつ病患者数は、ギリシャ、イタリア、ポーランド、スロバキア、チェコと比べて倍以上だということがわかりました。

経済協力開発機構の調査によると、ヨーロッパの29の国々の中で、イギリスの成人うつ病患者数は、他のいくつかの国と同率で7番目に多いようです。そして、女性の方が報告件数は多いようです。イギリスの25〜64歳の人口の中で10%がうつ病を抱えています。この率はスウェーデンとルクセンブルグと同じです(全体平均は8%)。最も多いのはアイスランドの14%で、次いで、アイルランド、ドイツ、トルコが12%。


イギリス人の中で、GCSE(General Certificate of Secondary Education)という大学入試試験に近い全国統一試験を受けた後に、学業をやめた人の間では15%が、大学卒業の人の間では7%がうつ病を抱えています。イギリス全体で、女性の発症率は11%、男性は8%。参加国全体で見ると、女性10%、男性6%でした。

うつ病患者(25〜64歳)が多い国トップ10

アイスランド(14%)
アイルランド、ドイツ、トルコ(12%)
フィンランド、ポルトガル(11%)
イギリス、スウェーデン、ルクセンブルグ(10%)
オランダ、ラトビア(9%)
オーストリア、デンマーク、ノルウェー、スロベニア(8%)
ベルギー、スペイン(7%)
フランス(6%)
エストニア(5%)
チェコ、ギリシャ、イタリア、ポーランド、スロバキア(4%)


参照
https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/british-people-depression-west-mental-health-uk-oecd-europe-scandinavia-women-more-men-a7945321.html
posted by ヤス at 18:23| Comment(0) | 健康・メンタルヘルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月11日

孤独感には遺伝子が大きく影響しているのかも

孤独感と持って生まれた性格に関係があるかもしれないと新たな研究で報告されました。

各個人に特有の環境的要素が孤独感に大きな影響があるのは事実ですが、遺伝的なものも大きく孤独感に影響していたようです。


今回の研究者である、カナダ、西オンタリオ大学のジュリー・シャーマー教授は、社会がより孤独になっていることに注目しました。例えば、イギリスでは2018年に孤独問題担当国務大臣という役職が作られました。

シャーマー教授曰く「メディアの注目は高齢者に当てられていますが、SNSなどを使ってのふれあいというのは、直接会ってするふれあいには劣るものです。大学でも、多くの学生が授業前、よく自分のケータイを見て、周りと話をしません。彼らがふれあう機会を失っているので、心配になります。彼らは一人ではないですが、非常に孤独です。」

今回の実験ではオーストラリアにいる大人の双子、764組(一卵性と二卵性含む)が集められ、性格を調べる「ビッグ・ファイブ」と孤独感を調べる心理尺度が使われました。一卵性と二卵性を比べることで、遺伝的なものと環境的なものを区別しようというのが狙いです。

結果、孤独感の35%は遺伝的な影響であり、また、神経過敏(心配性)な人ほど、孤独感を感じる傾向があったそうです。また、驚いたことに孤独感と新たな経験に対してオープンであることの間に正の関係があったそうです。感じの良さ、良心的な性質、また、外交性は、孤独感と負の関係にありました。つまり、性格と孤独感というのは遺伝子の中に入っているかもしれないということです。


しかし今回の実験の弱さの一つは、一般的な「孤独感」だけが調べられた点です。孤独感にも色々あります。例えば、友達がいない孤独感だとか、家族に関する孤独感など。今後、それら様々な孤独感と性格がどう関係するかを調べる必要があります。

シャーマー教授は、孤独を感じている人の多さ、また孤独がもたらしえるネガティブな結果などの情報をより多くの人に知ってもらいたいと思っています。孤独感は老若男女に影響し、今後、もっと社会に孤独が増えていくのでは、と述べています。

参照
https://www.psypost.org/2019/01/genetic-factors-may-play-an-important-role-in-loneliness-52890/amp
posted by ヤス at 08:17| Comment(0) | 心理学実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする